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07:ほのかの恋心
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「……それでね、それでね! 傘を忘れたフリをして困った顔したら、先輩、傘に入れてくれたの! これって、私のこと、気があるよね、絶対!」
「……」
「……」
「どったの、明日香、るりか? 何か話さないと読者様に伝わらないよ。ちなみに、今私は友達の明日香とるりかと一緒におしゃべりをしています」
「誰に説明してるし?」
「ほのかってときどき意味の分からないこと言うよね。病院に連れて行ったほうがいいのかな?」
「またまた~、分かってるくせに……いや、分かってるよね? 分かってくれないと、本当に私、頭のイタい子と思われるじゃない」
「イタい子だし」
「だよね」
「即答された! ひどっ!」
「とにかく、意地を張ってないで、さっさと告白するし」
「いやいや、別に意地なんてはってないから! 告るなら先輩の方からでしょ、絶対! 私から告白なんてありえないから!」
「出ましたよ、ほのかの少女趣味。藤堂先輩ってあれでモテるから。告白した子、いたから」
「ねえ誰その子? 名前と顔と住所教えて!」
「ウソウソ! ウソだから! だから、スタンガンちらつかせないで。本気で怖いから」
「だよね! 先輩は空気読めない人だから、私くらいだよね。先輩と付き合えるのは」
「あっそう。でも、急ぎなさいよ。もう、時間ないから」
「時間? 何のこと?」
「夏休みよ。高校一年の夏を一人で過ごす気?」
「頑張るし。それじゃ」
(し、しまったっああああああああああああああ! 忘れてた! どどどどどどどどど、どうしよう! 明日香とるりかは彼氏いるし……私だけじゃないよね? 彼氏いないの。よっちーに確認してみよう。あの子、絶対に彼氏いないし)
「あっ、よっちー、今いい? よっちーって彼氏、いないよね? えっ、いる? うそでしょ! 脳内彼氏じゃなくて?」
(ちょ、ちょっと、これってヤバくない? 私だけいないの。ありえないんですけど!)
「えっ? なんでもないなんでもない。んっ? 私? 好きな人はいなけいど、ちょ~っとだけ、ちょ~~っとだけ気になる人がいるんだけど、告白待ちで……えっ、胸を触らせたらすぐに告られる? やめてよ、私、そういうのダメだから。外見じゃなくて内面を好きになってくれる人でないとイヤだから……うん? 気取ってたら夏は終わるって? 余計なお世話! じゃあね!」
(ど、どうしよう……早くなんとかしないと……先輩とこ、恋人になるのは無理でも、遊びに行くくらいなら問題ないよね? だって、私、よく告白されるし! 私が声を掛けたら、先輩はきっと誘いに乗ってくれるはず! でも、コクってくる男の子っていやらしい目で私を見てくるし……遊んでるって思われているんだよね、私って。先輩は私のこと、そんな目で見ないけど、それって、私を女の子として見てくれていないって事でもあるし……これじゃあ、遊びに行けるかも分からないよ! 夏休みに一人は寂しいよ! ど、どうしよう~)
「……」
「……」
「どったの、明日香、るりか? 何か話さないと読者様に伝わらないよ。ちなみに、今私は友達の明日香とるりかと一緒におしゃべりをしています」
「誰に説明してるし?」
「ほのかってときどき意味の分からないこと言うよね。病院に連れて行ったほうがいいのかな?」
「またまた~、分かってるくせに……いや、分かってるよね? 分かってくれないと、本当に私、頭のイタい子と思われるじゃない」
「イタい子だし」
「だよね」
「即答された! ひどっ!」
「とにかく、意地を張ってないで、さっさと告白するし」
「いやいや、別に意地なんてはってないから! 告るなら先輩の方からでしょ、絶対! 私から告白なんてありえないから!」
「出ましたよ、ほのかの少女趣味。藤堂先輩ってあれでモテるから。告白した子、いたから」
「ねえ誰その子? 名前と顔と住所教えて!」
「ウソウソ! ウソだから! だから、スタンガンちらつかせないで。本気で怖いから」
「だよね! 先輩は空気読めない人だから、私くらいだよね。先輩と付き合えるのは」
「あっそう。でも、急ぎなさいよ。もう、時間ないから」
「時間? 何のこと?」
「夏休みよ。高校一年の夏を一人で過ごす気?」
「頑張るし。それじゃ」
(し、しまったっああああああああああああああ! 忘れてた! どどどどどどどどど、どうしよう! 明日香とるりかは彼氏いるし……私だけじゃないよね? 彼氏いないの。よっちーに確認してみよう。あの子、絶対に彼氏いないし)
「あっ、よっちー、今いい? よっちーって彼氏、いないよね? えっ、いる? うそでしょ! 脳内彼氏じゃなくて?」
(ちょ、ちょっと、これってヤバくない? 私だけいないの。ありえないんですけど!)
「えっ? なんでもないなんでもない。んっ? 私? 好きな人はいなけいど、ちょ~っとだけ、ちょ~~っとだけ気になる人がいるんだけど、告白待ちで……えっ、胸を触らせたらすぐに告られる? やめてよ、私、そういうのダメだから。外見じゃなくて内面を好きになってくれる人でないとイヤだから……うん? 気取ってたら夏は終わるって? 余計なお世話! じゃあね!」
(ど、どうしよう……早くなんとかしないと……先輩とこ、恋人になるのは無理でも、遊びに行くくらいなら問題ないよね? だって、私、よく告白されるし! 私が声を掛けたら、先輩はきっと誘いに乗ってくれるはず! でも、コクってくる男の子っていやらしい目で私を見てくるし……遊んでるって思われているんだよね、私って。先輩は私のこと、そんな目で見ないけど、それって、私を女の子として見てくれていないって事でもあるし……これじゃあ、遊びに行けるかも分からないよ! 夏休みに一人は寂しいよ! ど、どうしよう~)
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