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03:自撮り
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パシャパシャ!
「……何をやっているんだ、伊藤。さっきから自分ばかり撮って。それと歯が痛いのか?」
「相変わらず先輩は親父くさいですね。これは自撮りですよ。今、友達同士でどのポーズが一番可愛いか、投稿しあっているんです。それに歯が痛いんじゃないくて、虫歯ポーズですから」
「虫歯ポーズ?」
「自撮りで小顔にみせるテクニックみたいなものですね。虫歯ポーズは古いとか、みんながやっているとか言われますが、私は好きなんですよね~、このポーズ。このポーズには様々なバリエーションがありまして、頬を手に当てる手をグーにするだけで……ほら、可愛く見えるしょ?」
「……必死だな」
「はい、必死なんです。少しでも可愛く見られたいんです。女の子は日々、研究して自分を磨いているんです。白鳥なんですよ、水面下で必死に足をもがいているですよ。先輩は私達みたいな女の子、バカにしてますか?」
「そんなわけないだろ。俺は伊藤が一生懸命頑張っていることなら応援したい。絶対にバカになんてしないから」
「……」
「伊藤?」
「も、もう! 言っていることがおかしいじゃないですか! さっきは必死だなって言っていたくせに! いきなり……優しい言葉をかけないでくださいよ。ドキッとしちゃうじゃないですか」
「誤解させたのならすまない。そんなつもりで言ったんじゃないんだ」
「……先輩」
「その必死さを委員会の活動にも発揮してくれって言いたかっただけなんだ」
「先輩は私に勉強しろと言ってくるパパンっか! もうもう! 私の感動を返してください!」
「……何をやっているんだ、伊藤。さっきから自分ばかり撮って。それと歯が痛いのか?」
「相変わらず先輩は親父くさいですね。これは自撮りですよ。今、友達同士でどのポーズが一番可愛いか、投稿しあっているんです。それに歯が痛いんじゃないくて、虫歯ポーズですから」
「虫歯ポーズ?」
「自撮りで小顔にみせるテクニックみたいなものですね。虫歯ポーズは古いとか、みんながやっているとか言われますが、私は好きなんですよね~、このポーズ。このポーズには様々なバリエーションがありまして、頬を手に当てる手をグーにするだけで……ほら、可愛く見えるしょ?」
「……必死だな」
「はい、必死なんです。少しでも可愛く見られたいんです。女の子は日々、研究して自分を磨いているんです。白鳥なんですよ、水面下で必死に足をもがいているですよ。先輩は私達みたいな女の子、バカにしてますか?」
「そんなわけないだろ。俺は伊藤が一生懸命頑張っていることなら応援したい。絶対にバカになんてしないから」
「……」
「伊藤?」
「も、もう! 言っていることがおかしいじゃないですか! さっきは必死だなって言っていたくせに! いきなり……優しい言葉をかけないでくださいよ。ドキッとしちゃうじゃないですか」
「誤解させたのならすまない。そんなつもりで言ったんじゃないんだ」
「……先輩」
「その必死さを委員会の活動にも発揮してくれって言いたかっただけなんだ」
「先輩は私に勉強しろと言ってくるパパンっか! もうもう! 私の感動を返してください!」
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