586 / 738
連載
カザミネの試練
しおりを挟む
ツヴァイの先導で移動した先には、いつものブルーカラーの面子がいた。自分が挨拶すると、彼等や彼女達も返事を返してくれる。
「で、カザミネとカナさんが自分に用事がある、みたいなことをツヴァイから聞いたんだけど。何か手伝ってほしい事でもあるのかな?」「そうですね、アースさんにちょっと力を貸してもらいたい事があるんですよ」
カザミネ曰く、次の試練は純粋なタイマン戦。で、パーティメンバー全員が一回づつ戦って四回勝てればクリアとなるらしい。そしてカザミネとカナさんに割り当てられた相手というのが……
「どうも、アースさんのドッペルゲンガーみたいな感じなんですよ。どうやらこの塔、大勢の挑戦者の戦い方などを記録しているみたいで……特にインパクトがあるプレイヤーをこうして試練に用いるようになってきたみたいなんです」
なんでも、この試練が九〇〇階に到達するための壁になっているとの事。で、当然何度も挑んでいるそうなんだが……
「私とカナなんですが、今の所全敗中なんです。なので、アースさん本人と戦って経験を積ませてほしいんです」「私からもお願いします、このままでは私たち二人がブレーキになってしまいます。お忙しいとは思いますが、なにとぞ……」
力を貸すのは良いけど……自分のドッペルゲンガーだって? 対戦する前に、どういう戦い方をしているのかを教えてもらわないと。それにあわせてこちらがどう動けば訓練になるかを考えないといけない。
「相手の戦い方ですか? 弓とスネークソードの二刀流で、アースさんのように道具まで使って攻撃してきます。からめ手を大の得意としているようで、フェイントも絡ませてきますしカウンター攻撃も遠慮なしに仕掛けてきますね」
なんじゃそれ。装備やバトルスタイルなど、何から何まで自分のコピーにかなり近いじゃないか。なんとなく、いい気分はしないな。そんな相手にカザミネが苦しんでるとなると、何とかして勝ってもらいたくなってくる。そうだな、こっちも五〇〇階の試練との戦闘ばっかりで遠距離攻撃以外をほとんどやってないし、久々に全部を使う機会だ。
「分ったよ、じゃあ早速やろうか。でも今日は時間が残り少ないからあまりできないかもしれないが」「それでも買いません、お願いします」
ブルーカラーの中でも、カザミネとは一番PvPやってるよな。やる価値がお互いにあるからなんだろうけど……さて、それはいったん横に置いて。集中しないとな……コピーであるドッペルゲンガーより弱い、なんて言われたら流石にショックだ。そう言われない為にも、遠慮なくやらせてもらう。
なお、対戦の様子はブルーカラーのメンバーのみ閲覧可能状態にしてある。不特定多数には見せたくない──カザミネの方も同じ意見だったので問題ない。さて、カウントダウンが始まった。意識をカザミネに向けて、集中。
カウントダウンがゼロになると同時に、カザミネが一気に距離を詰めてくる。無効からしたら、距離を開けておく理由は無いに等しいからな。大太刀の間合いで動かなければ、自分の持ち味の大半が機能しないのだから。が、こっちだってそれに付き合う理由はない。大太刀の間合いから半歩ぐらい後で矢を放つ。
矢を放つと言っても、一本二本じゃない。五百階のあいつ相手に嫌でも鍛え上げられた複数の矢を同時に番えて一気に放つ技術。今の自分は七本、八本同時発射が当たり前。そのうえで、狙いもつけられるようになった、というかなってしまったと表現すべきだな。それが出来なきゃ、電撃が封じられてる水球を喰らってすぐに負けるのだから。
狙いはカザミネの心臓を中心に、顔、首、左手あたりにも矢が飛ぶように調整してから発射。が、流石はカザミネ。すぐさま再度ステップでこの矢を回避する。その着地点を予測して右手に装備している盾、ドラゴン・スネーククリスタルシールドに仕込まれているスネークソードを伸ばしてカザミネに攻撃。
この一撃をカザミネは大太刀で弾く事で対処した。が、自分は弾かれた刃を引き戻しつつ次の射撃を行う。まだアーツは使わない、もう少しカザミネを揺さぶってからじゃなきゃ当たらないだろうからね。牽制なら、この射撃攻撃で十分だろう──牽制ではあるが、直撃すれば倒せるだけの力を込めているが。
二射、三射と攻撃を行うがカザミネはすべて対処。お互いにノーダメージな状況は変わらず……っと、ここでカザミネが焦れたのか、大太刀の先から闘気を飛ばす事で遠距離攻撃を可能とするアーツである《刀迅》を放ってきた。攻撃されっぱなしは面白くないから、攻撃を仕掛けてきたとも言えるか。
が、今の自分にとってはこのアーツぐらいの速度は見慣れている。向こうもそれは分かっているはず──だからこの技は一種の目くらまし。このアーツに意識を向けさせて、自分は別の方向から……やっぱり、な。
「がはっ!?」「甘いぞ、カザミネ」
アーツの硬直が解けた直後に動いたと思われるカザミネの動きは、アーツで生み出した刃の左側から自分に攻撃を仕掛けてきていた。その一撃を回避した後に、こちらが腕につけているシールドを裏拳の要領で鈍器としてカザミネの顔面を殴りつけたのだ。もちろんその直後にシールドからスネークソードの刃を伸ばして追撃を行う。
「くっ!?」
この追撃をカザミネは回避した──とは言えないな。鮮血が宙に舞った。浅いがカザミネの右頬に一筋の紅が走っている。好機と見た自分はそこに、レガリオンと八岐の月による変則二刀流でラッシュを仕掛ける。カザミネも対応してくるが、大太刀の間合いよりも内側に自分がいるため、防戦一方になる。
「この間合いでは……!」「相手の間合いに入らないのも潰すのも戦略、だろう?」
レガリオンの独特な剣筋と、八岐の月の爪によってカザミネの体が徐々に紅色に染まっていく。カザミネも反撃はしてくるが、大太刀の勢いが乗る前に自分が受け止めたり弾いたりしているので、有効な一撃は自分に来ない。今回は自分のドッペルゲンガーと言う事なので、普段の対戦ではやらないこういった動きもやらせてもらう。
「このままでは……」
カザミネも大太刀の柄などを利用した攻撃を繰り出してどうにか間合いを少しだけ離し、大太刀を振るえる間合いにすべくあがいてくる。それを自分はことごとく叩き潰してよりダメージを与えていく。もちろん合間合間にフェイントを入れてより焦りを生み出させるように仕組んでいる。そして、ここに今まで使っていなかった蹴りを追加した。
「しまった!」「そこ!」
不意を突いて、強くカザミネの足を蹴るローキックを右足で叩き込んだ事によりカザミネが体勢を大きく崩してしまい、動きが止まる。当然、自分は首を狙っての一撃を放ち──それは通った。カザミネの首が飛び、PvPは終了した。今回はカザミネの持ち味を一切発揮させずに畳みかける形で勝つことになったが……カザミネの感想はどうだろうか?
「──これです、これですよ! これを求めていたんです!」
と、突然PvPが終わって自分の両手を見つめていたカザミネが大きな声を出した。一体どうした!?
「相手の持ち味をとことん潰して、勝利をもぎ取っていく。アースさんのドッペルゲンガーと思われる相手もこれをやってきたんです。しかも、ドッペルゲンガーはアーツや道具を使って私の行動を封じてきましたが、アースさん本人は道具もアーツも使わずに私の攻撃を封じてきた。これに対抗できるようになれば……あいつに勝てるでしょう!」
カザミネがここまで興奮する姿を見せるのも珍しいな。それだけ自分がカザミネの望んだ物を出せたって事なんだろう。つまり、これぐらい容赦ない攻めとフェイントを交えた焦りを誘発するような戦い方をもっと経験したいって事で良いんだろう。
「アースさん、もう一戦……」「ダメですよ、次は私です」「次は俺ともやってくれ」「私も、たまにはアースさんと戦ってみたいですね~」
カザミネの言葉をカナさんが制止し、ついでツヴァイやミリーまで……ログアウトまでPvPに付き合う形だなこれは。でも、こちらの訓練にもなるからやる価値は十分にある。予定していたログアウト時間はまず間違いなく越えてしまうが……やっておこうか。
「で、カザミネとカナさんが自分に用事がある、みたいなことをツヴァイから聞いたんだけど。何か手伝ってほしい事でもあるのかな?」「そうですね、アースさんにちょっと力を貸してもらいたい事があるんですよ」
カザミネ曰く、次の試練は純粋なタイマン戦。で、パーティメンバー全員が一回づつ戦って四回勝てればクリアとなるらしい。そしてカザミネとカナさんに割り当てられた相手というのが……
「どうも、アースさんのドッペルゲンガーみたいな感じなんですよ。どうやらこの塔、大勢の挑戦者の戦い方などを記録しているみたいで……特にインパクトがあるプレイヤーをこうして試練に用いるようになってきたみたいなんです」
なんでも、この試練が九〇〇階に到達するための壁になっているとの事。で、当然何度も挑んでいるそうなんだが……
「私とカナなんですが、今の所全敗中なんです。なので、アースさん本人と戦って経験を積ませてほしいんです」「私からもお願いします、このままでは私たち二人がブレーキになってしまいます。お忙しいとは思いますが、なにとぞ……」
力を貸すのは良いけど……自分のドッペルゲンガーだって? 対戦する前に、どういう戦い方をしているのかを教えてもらわないと。それにあわせてこちらがどう動けば訓練になるかを考えないといけない。
「相手の戦い方ですか? 弓とスネークソードの二刀流で、アースさんのように道具まで使って攻撃してきます。からめ手を大の得意としているようで、フェイントも絡ませてきますしカウンター攻撃も遠慮なしに仕掛けてきますね」
なんじゃそれ。装備やバトルスタイルなど、何から何まで自分のコピーにかなり近いじゃないか。なんとなく、いい気分はしないな。そんな相手にカザミネが苦しんでるとなると、何とかして勝ってもらいたくなってくる。そうだな、こっちも五〇〇階の試練との戦闘ばっかりで遠距離攻撃以外をほとんどやってないし、久々に全部を使う機会だ。
「分ったよ、じゃあ早速やろうか。でも今日は時間が残り少ないからあまりできないかもしれないが」「それでも買いません、お願いします」
ブルーカラーの中でも、カザミネとは一番PvPやってるよな。やる価値がお互いにあるからなんだろうけど……さて、それはいったん横に置いて。集中しないとな……コピーであるドッペルゲンガーより弱い、なんて言われたら流石にショックだ。そう言われない為にも、遠慮なくやらせてもらう。
なお、対戦の様子はブルーカラーのメンバーのみ閲覧可能状態にしてある。不特定多数には見せたくない──カザミネの方も同じ意見だったので問題ない。さて、カウントダウンが始まった。意識をカザミネに向けて、集中。
カウントダウンがゼロになると同時に、カザミネが一気に距離を詰めてくる。無効からしたら、距離を開けておく理由は無いに等しいからな。大太刀の間合いで動かなければ、自分の持ち味の大半が機能しないのだから。が、こっちだってそれに付き合う理由はない。大太刀の間合いから半歩ぐらい後で矢を放つ。
矢を放つと言っても、一本二本じゃない。五百階のあいつ相手に嫌でも鍛え上げられた複数の矢を同時に番えて一気に放つ技術。今の自分は七本、八本同時発射が当たり前。そのうえで、狙いもつけられるようになった、というかなってしまったと表現すべきだな。それが出来なきゃ、電撃が封じられてる水球を喰らってすぐに負けるのだから。
狙いはカザミネの心臓を中心に、顔、首、左手あたりにも矢が飛ぶように調整してから発射。が、流石はカザミネ。すぐさま再度ステップでこの矢を回避する。その着地点を予測して右手に装備している盾、ドラゴン・スネーククリスタルシールドに仕込まれているスネークソードを伸ばしてカザミネに攻撃。
この一撃をカザミネは大太刀で弾く事で対処した。が、自分は弾かれた刃を引き戻しつつ次の射撃を行う。まだアーツは使わない、もう少しカザミネを揺さぶってからじゃなきゃ当たらないだろうからね。牽制なら、この射撃攻撃で十分だろう──牽制ではあるが、直撃すれば倒せるだけの力を込めているが。
二射、三射と攻撃を行うがカザミネはすべて対処。お互いにノーダメージな状況は変わらず……っと、ここでカザミネが焦れたのか、大太刀の先から闘気を飛ばす事で遠距離攻撃を可能とするアーツである《刀迅》を放ってきた。攻撃されっぱなしは面白くないから、攻撃を仕掛けてきたとも言えるか。
が、今の自分にとってはこのアーツぐらいの速度は見慣れている。向こうもそれは分かっているはず──だからこの技は一種の目くらまし。このアーツに意識を向けさせて、自分は別の方向から……やっぱり、な。
「がはっ!?」「甘いぞ、カザミネ」
アーツの硬直が解けた直後に動いたと思われるカザミネの動きは、アーツで生み出した刃の左側から自分に攻撃を仕掛けてきていた。その一撃を回避した後に、こちらが腕につけているシールドを裏拳の要領で鈍器としてカザミネの顔面を殴りつけたのだ。もちろんその直後にシールドからスネークソードの刃を伸ばして追撃を行う。
「くっ!?」
この追撃をカザミネは回避した──とは言えないな。鮮血が宙に舞った。浅いがカザミネの右頬に一筋の紅が走っている。好機と見た自分はそこに、レガリオンと八岐の月による変則二刀流でラッシュを仕掛ける。カザミネも対応してくるが、大太刀の間合いよりも内側に自分がいるため、防戦一方になる。
「この間合いでは……!」「相手の間合いに入らないのも潰すのも戦略、だろう?」
レガリオンの独特な剣筋と、八岐の月の爪によってカザミネの体が徐々に紅色に染まっていく。カザミネも反撃はしてくるが、大太刀の勢いが乗る前に自分が受け止めたり弾いたりしているので、有効な一撃は自分に来ない。今回は自分のドッペルゲンガーと言う事なので、普段の対戦ではやらないこういった動きもやらせてもらう。
「このままでは……」
カザミネも大太刀の柄などを利用した攻撃を繰り出してどうにか間合いを少しだけ離し、大太刀を振るえる間合いにすべくあがいてくる。それを自分はことごとく叩き潰してよりダメージを与えていく。もちろん合間合間にフェイントを入れてより焦りを生み出させるように仕組んでいる。そして、ここに今まで使っていなかった蹴りを追加した。
「しまった!」「そこ!」
不意を突いて、強くカザミネの足を蹴るローキックを右足で叩き込んだ事によりカザミネが体勢を大きく崩してしまい、動きが止まる。当然、自分は首を狙っての一撃を放ち──それは通った。カザミネの首が飛び、PvPは終了した。今回はカザミネの持ち味を一切発揮させずに畳みかける形で勝つことになったが……カザミネの感想はどうだろうか?
「──これです、これですよ! これを求めていたんです!」
と、突然PvPが終わって自分の両手を見つめていたカザミネが大きな声を出した。一体どうした!?
「相手の持ち味をとことん潰して、勝利をもぎ取っていく。アースさんのドッペルゲンガーと思われる相手もこれをやってきたんです。しかも、ドッペルゲンガーはアーツや道具を使って私の行動を封じてきましたが、アースさん本人は道具もアーツも使わずに私の攻撃を封じてきた。これに対抗できるようになれば……あいつに勝てるでしょう!」
カザミネがここまで興奮する姿を見せるのも珍しいな。それだけ自分がカザミネの望んだ物を出せたって事なんだろう。つまり、これぐらい容赦ない攻めとフェイントを交えた焦りを誘発するような戦い方をもっと経験したいって事で良いんだろう。
「アースさん、もう一戦……」「ダメですよ、次は私です」「次は俺ともやってくれ」「私も、たまにはアースさんと戦ってみたいですね~」
カザミネの言葉をカナさんが制止し、ついでツヴァイやミリーまで……ログアウトまでPvPに付き合う形だなこれは。でも、こちらの訓練にもなるからやる価値は十分にある。予定していたログアウト時間はまず間違いなく越えてしまうが……やっておこうか。
112
お気に入りに追加
26,946
あなたにおすすめの小説
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
【完結】聖女ディアの処刑
大盛★無料
ファンタジー
平民のディアは、聖女の力を持っていた。
枯れた草木を蘇らせ、結界を張って魔獣を防ぎ、人々の病や傷を癒し、教会で朝から晩まで働いていた。
「怪我をしても、鍛錬しなくても、きちんと作物を育てなくても大丈夫。あの平民の聖女がなんとかしてくれる」
聖女に助けてもらうのが当たり前になり、みんな感謝を忘れていく。「ありがとう」の一言さえもらえないのに、無垢で心優しいディアは奇跡を起こし続ける。
そんななか、イルミテラという公爵令嬢に、聖女の印が現れた。
ディアは偽物と糾弾され、国民の前で処刑されることになるのだが――
※ざまあちょっぴり!←ちょっぴりじゃなくなってきました(;´・ω・)
※サクッとかる~くお楽しみくださいませ!(*´ω`*)←ちょっと重くなってきました(;´・ω・)
★追記
※残酷なシーンがちょっぴりありますが、週刊少年ジャンプレベルなので特に年齢制限は設けておりません。
※乳児が地面に落っこちる、運河の氾濫など災害の描写が数行あります。ご留意くださいませ。
※ちょこちょこ書き直しています。セリフをカッコ良くしたり、状況を補足したりする程度なので、本筋には大きく影響なくお楽しみ頂けると思います。
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
【二章開始】『事務員はいらない』と実家からも騎士団からも追放された書記は『命名』で生み出した最強家族とのんびり暮らしたい
斑目 ごたく
ファンタジー
「この騎士団に、事務員はいらない。ユーリ、お前はクビだ」リグリア王国最強の騎士団と呼ばれた黒葬騎士団。そこで自らのスキル「書記」を生かして事務仕事に勤しんでいたユーリは、そう言われ騎士団を追放される。
さらに彼は「四大貴族」と呼ばれるほどの名門貴族であった実家からも勘当されたのだった。
失意のまま乗合馬車に飛び乗ったユーリが辿り着いたのは、最果ての街キッパゲルラ。
彼はそこで自らのスキル「書記」を生かすことで、無自覚なまま成功を手にする。
そして彼のスキル「書記」には、新たな能力「命名」が目覚めていた。
彼はその能力「命名」で二人の獣耳美少女、「ネロ」と「プティ」を生み出す。
そして彼女達が見つけ出した伝説の聖剣「エクスカリバー」を「命名」したユーリはその三人の家族と共に賑やかに暮らしていく。
やがて事務員としての仕事欲しさから領主に雇われた彼は、大好きな事務仕事に全力に勤しんでいた。それがとんでもない騒動を巻き起こすとは知らずに。
これは事務仕事が大好きな余りそのチートスキルで無自覚に無双するユーリと、彼が生み出した最強の家族が世界を「書き換えて」いく物語。
火・木・土曜日20:10、定期更新中。
この作品は「小説家になろう」様にも投稿されています。
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
田舎貴族の学園無双~普通にしてるだけなのに、次々と慕われることに~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
田舎貴族であるユウマ-バルムンクは、十五歳を迎え王都にある貴族学校に通うことになった。
最強の師匠達に鍛えられ、田舎から出てきた彼は知らない。
自分の力が、王都にいる同世代の中で抜きん出ていることを。
そして、その価値観がずれているということも。
これは自分にとって普通の行動をしているのに、いつの間にかモテモテになったり、次々と降りかかる問題を平和?的に解決していく少年の学園無双物語である。
※ 極端なざまぁや寝取られはなしてす。
基本ほのぼのやラブコメ、時に戦闘などをします。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。