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連載
番外編 6月の花嫁
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2000万Pv記念?
********************************************
穏やかな日差しが優しく降り注ぐ庭園。 花は咲き乱れ、小動物がのんびりと過ごす庭園。 そこに四人の女性が集まっていた。
「一体何故、私達は今ここにいるのでしょうか?」
最近国家運営が軌道に乗った影響で、非常に忙しいフェアリー・クィーンが呟く。
「わらわにも分からん。 気がついたらここにおったのじゃ……」
龍ちゃんもぼやきだす。 彼女の言うとおり、四人はこの場所に強制的に移動させられたのだ。
「みんな……状況は多分同じ……」
つるぺたんなエルフの女の子がぼそぼそ喋る。
「何が目的なのか、創造主の行動なんか理解したくもないわね」
ででん! きゅっ でん! なダークエルフの女性が吐き捨てるように言う。 一応、エルフとダークエルフの二人は姉妹である。
「これ見よがしに、一冊の本が置いてあるのですが、コレについて私達に話し合えと言う事が、今回の趣旨なのでしょうか?」
一冊の本がテーブルの上においてあり、タイトルは「ジューンブライド」と、季節物と言うにはちょっと重いかもしれないタイトルである。
「俗に言う6月の花嫁、じゃな」
龍ちゃんはもう分かっているのか、特に感情を込めずに言う。
「6月の……花嫁……?」
頭に? を浮かべながら首をひねっているエルフの女の子にその妹であるダークエルフの女性が説明する。
「大雑把に言えば、6月に結婚すると幸せになれるって言う地球のヨーロッパと言うところから来た言い伝えみたいな物ね……理由はいくつかあるけど」
その説明をフェアリー・クィーンが引き継ぐ。
「一つはローマ神話と言うお話で、結婚を司るとされているJUNOと言う女神の名前からJUNEと言う6月の名前が由来したので祝福を得る、と言う説ね」
続けて龍ちゃんが口を開く。
「二つ目は気候が関係していると言う説じゃな、また「復活祭」なるものも行なわれるので祝福を受けやすいと言う理由もあるようじゃ」
最後はダークエルフの女性が言う。
「三つ目は……結婚が解禁されるのが6月からだったと言う説ね、3月から5月は農業が忙しいので結婚が禁止されていたらしいわ、ヨーロッパの昔の話だけれど。 そして、6月に解禁になるのでくっ付く人が多かった、当然くっ付く人が多ければ祝福も増える、と言うお話ね」
話を聞いてエルフの子は「なるほど……」と納得している。
「それにしても、相手がいるならともかく、いない女性にこんな話をふっても悪意しか感じないのですが……」
右手に放電現象を無意識のうちに纏わせているフェアリー・クィーン。
「全くじゃな、まあ季節物と言われればそれまでなのじゃが……そういえば、先ほどまで喋っていたダークエルフはどこへ行ったのじゃ?」
いつの間にか姿を消していたダークエルフを探す三人。 すると、ドレスを着込んだダークエルフが小屋から出てきた。
「ぽつんと立っている小屋の中を見てみたら、ドレスがいっぱい仕舞ってあったから着てみました♪」
中途半端に笑顔の中にドヤ顔が混ざっているダークエルフを見て、残りの三人はややげんなりする。
「それにしてもそれ……ウェディングドレスではないかしら?」
フェアリー・クィーンの呟きにダークエルフはにまっと笑う。
「たぶん、あそこの小屋の中にあるドレスは全部そうだと思うよ~? 清楚な物からきわどい物までいろいろあったからね~」
有名なジンクス、結婚前にウェディングドレスを着ると婚期を逃す? とかのお話もこのダークエルフにはどこ吹く風らしい。 と、何時の間にか席を立っていたエルフの子も小屋に入っていく。
「あら、姉さんも着てみるのかしら。 意外と積極的に動くわね……」
そんな姉をにこやかに見る妹。 ──なんとなく色々と逆な気がするのだが。
「あまりわらわはドレスは好みではないからのう……結婚式ならば白無垢で迎えたいしのう」
龍ちゃんが自分の感想をもらすと、ダークエルフは……
「あったわよ、白無垢も。 和洋取り揃えてるみたいね」
なぬ? とつい反応してしまう龍ちゃん。 やいのやいの喋っているうちに、エルフの子がドレスを着て外に出てくる。 ダークエルフが漂う色気ならば、エルフは清楚と言う言葉が似合いそうな白いドレスを着てきた。
「どう……かな……」
妙に良く似合う。 ほかの三人は素直にそれを認め、エルフに伝えた。
「ありがと……じゃ、行って来ます……」
と、なにやら不穏な言葉を残して、庭園を出てゆこうとしている。 あわてて肩を掴んで止める妹のダークエルフ。
「姉さん、どこへ行くつもりよ? そんな格好で!?」
だが、エルフの子は全く動じず……こう言い放った。
「この格好でアタック、ホールド、ゴールイン……完璧……」
この言葉に固まる他三人。 だが、すぐ再起動したダークエルフはそれは良いと考えを改める。
「そうね、そうね、あの子をがっ拉致ホールドして(注意、誤字にあらず)、そのまま既成事実と言う名のウェディングに直行も良いわね!」
そのまま勢い良く庭園から飛び出そうとするダークエルフの前に、一筋の雷光が落ちる。
「あの子って誰の事ですか?」
雷光を放ったのはフェアリー・クィーン。 言葉は丁寧だが、温度は氷点下である。
「じゃ……お先に……」
そういってさりげなく立ち去ろうとしたエルフの眼前に、突如火が舞い踊る。
「どこへ行くつもりじゃ?」
『龍』形態になった龍ちゃんがエルフの道をふさぐ。 まさに一触触発。 数秒後、庭園に雷と炎と矢と暗器が大量に乱舞する事になった……。
────────────────────────
「「「「ぜえ……ぜえ……はあ……はあ……」」」」
数時間後、四人は仲良く地面に突っ伏していた。 服はぼろぼろ、小屋や庭園は全焼。 小動物は既に全部逃げた後。 穏やかであった庭園は、見るも無残な荒地へと変わっていた。 四人がお互いがお互いを潰しあうバトルロイヤルへと発展し、全力で闘いあった結果がこれである。
「もう動けない……」
「疲れたのじゃ……」
「うう……」
「髪の毛がぼろぼろよ……」
死屍累々と言わんばかりにぼろぼろになって突っ伏している四人。 他から見たらば非常にマヌケに見えることこの上ないだろう。 四人の服装も切れ端が残っているだけで、非常に目に毒な状態になっている……。
「休戦しましょう……」
誰が言い出したかは分からないが、他の三人がすぐに同意したのは言うまでもない。
************************************************
何でこんなスチャラカな話に……。
まあ季節物として流して下さい。
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穏やかな日差しが優しく降り注ぐ庭園。 花は咲き乱れ、小動物がのんびりと過ごす庭園。 そこに四人の女性が集まっていた。
「一体何故、私達は今ここにいるのでしょうか?」
最近国家運営が軌道に乗った影響で、非常に忙しいフェアリー・クィーンが呟く。
「わらわにも分からん。 気がついたらここにおったのじゃ……」
龍ちゃんもぼやきだす。 彼女の言うとおり、四人はこの場所に強制的に移動させられたのだ。
「みんな……状況は多分同じ……」
つるぺたんなエルフの女の子がぼそぼそ喋る。
「何が目的なのか、創造主の行動なんか理解したくもないわね」
ででん! きゅっ でん! なダークエルフの女性が吐き捨てるように言う。 一応、エルフとダークエルフの二人は姉妹である。
「これ見よがしに、一冊の本が置いてあるのですが、コレについて私達に話し合えと言う事が、今回の趣旨なのでしょうか?」
一冊の本がテーブルの上においてあり、タイトルは「ジューンブライド」と、季節物と言うにはちょっと重いかもしれないタイトルである。
「俗に言う6月の花嫁、じゃな」
龍ちゃんはもう分かっているのか、特に感情を込めずに言う。
「6月の……花嫁……?」
頭に? を浮かべながら首をひねっているエルフの女の子にその妹であるダークエルフの女性が説明する。
「大雑把に言えば、6月に結婚すると幸せになれるって言う地球のヨーロッパと言うところから来た言い伝えみたいな物ね……理由はいくつかあるけど」
その説明をフェアリー・クィーンが引き継ぐ。
「一つはローマ神話と言うお話で、結婚を司るとされているJUNOと言う女神の名前からJUNEと言う6月の名前が由来したので祝福を得る、と言う説ね」
続けて龍ちゃんが口を開く。
「二つ目は気候が関係していると言う説じゃな、また「復活祭」なるものも行なわれるので祝福を受けやすいと言う理由もあるようじゃ」
最後はダークエルフの女性が言う。
「三つ目は……結婚が解禁されるのが6月からだったと言う説ね、3月から5月は農業が忙しいので結婚が禁止されていたらしいわ、ヨーロッパの昔の話だけれど。 そして、6月に解禁になるのでくっ付く人が多かった、当然くっ付く人が多ければ祝福も増える、と言うお話ね」
話を聞いてエルフの子は「なるほど……」と納得している。
「それにしても、相手がいるならともかく、いない女性にこんな話をふっても悪意しか感じないのですが……」
右手に放電現象を無意識のうちに纏わせているフェアリー・クィーン。
「全くじゃな、まあ季節物と言われればそれまでなのじゃが……そういえば、先ほどまで喋っていたダークエルフはどこへ行ったのじゃ?」
いつの間にか姿を消していたダークエルフを探す三人。 すると、ドレスを着込んだダークエルフが小屋から出てきた。
「ぽつんと立っている小屋の中を見てみたら、ドレスがいっぱい仕舞ってあったから着てみました♪」
中途半端に笑顔の中にドヤ顔が混ざっているダークエルフを見て、残りの三人はややげんなりする。
「それにしてもそれ……ウェディングドレスではないかしら?」
フェアリー・クィーンの呟きにダークエルフはにまっと笑う。
「たぶん、あそこの小屋の中にあるドレスは全部そうだと思うよ~? 清楚な物からきわどい物までいろいろあったからね~」
有名なジンクス、結婚前にウェディングドレスを着ると婚期を逃す? とかのお話もこのダークエルフにはどこ吹く風らしい。 と、何時の間にか席を立っていたエルフの子も小屋に入っていく。
「あら、姉さんも着てみるのかしら。 意外と積極的に動くわね……」
そんな姉をにこやかに見る妹。 ──なんとなく色々と逆な気がするのだが。
「あまりわらわはドレスは好みではないからのう……結婚式ならば白無垢で迎えたいしのう」
龍ちゃんが自分の感想をもらすと、ダークエルフは……
「あったわよ、白無垢も。 和洋取り揃えてるみたいね」
なぬ? とつい反応してしまう龍ちゃん。 やいのやいの喋っているうちに、エルフの子がドレスを着て外に出てくる。 ダークエルフが漂う色気ならば、エルフは清楚と言う言葉が似合いそうな白いドレスを着てきた。
「どう……かな……」
妙に良く似合う。 ほかの三人は素直にそれを認め、エルフに伝えた。
「ありがと……じゃ、行って来ます……」
と、なにやら不穏な言葉を残して、庭園を出てゆこうとしている。 あわてて肩を掴んで止める妹のダークエルフ。
「姉さん、どこへ行くつもりよ? そんな格好で!?」
だが、エルフの子は全く動じず……こう言い放った。
「この格好でアタック、ホールド、ゴールイン……完璧……」
この言葉に固まる他三人。 だが、すぐ再起動したダークエルフはそれは良いと考えを改める。
「そうね、そうね、あの子をがっ拉致ホールドして(注意、誤字にあらず)、そのまま既成事実と言う名のウェディングに直行も良いわね!」
そのまま勢い良く庭園から飛び出そうとするダークエルフの前に、一筋の雷光が落ちる。
「あの子って誰の事ですか?」
雷光を放ったのはフェアリー・クィーン。 言葉は丁寧だが、温度は氷点下である。
「じゃ……お先に……」
そういってさりげなく立ち去ろうとしたエルフの眼前に、突如火が舞い踊る。
「どこへ行くつもりじゃ?」
『龍』形態になった龍ちゃんがエルフの道をふさぐ。 まさに一触触発。 数秒後、庭園に雷と炎と矢と暗器が大量に乱舞する事になった……。
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「「「「ぜえ……ぜえ……はあ……はあ……」」」」
数時間後、四人は仲良く地面に突っ伏していた。 服はぼろぼろ、小屋や庭園は全焼。 小動物は既に全部逃げた後。 穏やかであった庭園は、見るも無残な荒地へと変わっていた。 四人がお互いがお互いを潰しあうバトルロイヤルへと発展し、全力で闘いあった結果がこれである。
「もう動けない……」
「疲れたのじゃ……」
「うう……」
「髪の毛がぼろぼろよ……」
死屍累々と言わんばかりにぼろぼろになって突っ伏している四人。 他から見たらば非常にマヌケに見えることこの上ないだろう。 四人の服装も切れ端が残っているだけで、非常に目に毒な状態になっている……。
「休戦しましょう……」
誰が言い出したかは分からないが、他の三人がすぐに同意したのは言うまでもない。
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何でこんなスチャラカな話に……。
まあ季節物として流して下さい。
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