7 / 13
本編
受け入れるのも受け流すのも生きる知恵
しおりを挟む
アーバンに帰る途中にルージュやアッシュ、ランドに状況を説明したら、
「戻ってシルバーリーフ殿をケしてきます」
って何かやばいこと言い出すものだから説得に大変だった。
3人とも私の学園生活に付き添ってくれていたから友人関係も把握してるし、レイは身分関係なく接していたから、それなりに3人とも仲がいい。カーマインも含めてだけど。
渋々と言った感じで納得してくれたけど、やっぱり失恋してすぐ身近でって言うのはダメかしらね?
条件が私的には良いのだけど。
恋は破れても仕事は残ってて、その仕事を好きに続けても良いって言う相手が現れたら乗っておくでしょう。
屋敷に戻るとカーマインやメイド達が出迎えてくれる。着替えをしてくる間にお父様達に話があると伝言を頼んだ。
ダイニングに行くと家族全員揃っていてお父様のお顔が中心にぎゅっと集まっていた!
後に控えているカーマインも心なしか青い。ルージュに報告されちゃったかな。
「お父様。お聞きの様ですが、レイニード・シルバーリーフ様からプロポーズされましたわ。お受けしたいと思っております」
兄様もお母様も呆れてらっしゃるかしら?
「別に今すぐ結婚だとか焦らなくとも良いんだよ?」
他の領地というか国が落ち着いてきたらうるさくなるから急ぎますよ!
「レイニードはアーバンに拠点を構えても良いと言ってくれましたし、仕事に口出しをしないとも言ってくれましたの」
「ん?」
「婿入りで良いそうなのですが反対ですか?」
お父様も兄様も同じ角度で首を傾げている。変なところがそっくりだわ。
貴族家の三男だと親に爵位を譲ってもらう当てが無ければ、自力で得るか婿入りと言った感じだからレイニードも基本はそういう予定だったと思う。私は兄様がいるので後継じゃないし、爵位は貰えなくもないけど別にどっちでもって思っていた。
「うむむ。婿入りならありか?」
「イヤイヤとか適当に決めたとかじゃないのか?」
心配してくれてるのは嬉しいけど過保護だよー。
「シルバーリーフに行くか~。結納は酒か?」
もう少しマシな手土産~!
元々仲良しだけどシルバーリーフとアーバンが縁戚になるのは結構政治的に大きい。
本人達は至って気楽な婚姻だけど、他の脱王都組の新共和国の方々は裏で歯噛みするかも。
先触れを出すことにしてお父様とシルバーリーフに申し込みに行くことになった。兄様とお母様はお留守番で。
部屋に戻る途中にスッとカーマインが後ろに寄り共に部屋に入る。
「お嬢様」
「反対する?」
まだ恋心が疼く。肯定して欲しいけどして欲しくない。
「反対はできません。あの方を私は苦手ですが悪い方ではないですし、貴女を大切にしてくださると確信できますから」
「・・・そう」
カーマインはあくまでも執事で従僕である事に重きを置くのね。
「私にずっと仕えてくれるのね?」
「はい」
「どんな時でも?私が酷いことしても?」
「はい」
「酷いことや悪いことは止めなさいよ」
思わず突っ込んでしまう私は小心者ね。
「止めません。お嬢様の望みはどんな事であっても叶えるのが私の役目です」
「ダメな従者ね」
カーマインが片膝をついて指先に忠誠の口付けをしてくれる。
妻にはしてくれなかったのに「全て叶える」なんて嘘つきのくせに。
側に控えるルージュやアッシュ、ランドまで膝をついている。
完全に主人と従者に線を引かれているのは寂しいものよ。
でも絶対裏切らないと信頼できる者がいるのはありがたいこと。
こんな重い従僕たちが控えてる私の婿になんて耐えてくれそうなのはレイしかいなそう。
レイが申し出てくれて良かったのね。
仮に適当に探して結婚してたら、執事と不貞を疑われたり仕事を疑われたりしそうだもの。
カーマインのバカ。受け入れてくれてたらもっと気楽だったかもしれないのに!
結果的に私も家もシルバーリーフ家も悪くない話になるけど。
とりあえず婚姻後の新居と研究用の離れを立てる場所を選定しなくちゃ。
おじさま達にも贈り物を用意しよう。
「戻ってシルバーリーフ殿をケしてきます」
って何かやばいこと言い出すものだから説得に大変だった。
3人とも私の学園生活に付き添ってくれていたから友人関係も把握してるし、レイは身分関係なく接していたから、それなりに3人とも仲がいい。カーマインも含めてだけど。
渋々と言った感じで納得してくれたけど、やっぱり失恋してすぐ身近でって言うのはダメかしらね?
条件が私的には良いのだけど。
恋は破れても仕事は残ってて、その仕事を好きに続けても良いって言う相手が現れたら乗っておくでしょう。
屋敷に戻るとカーマインやメイド達が出迎えてくれる。着替えをしてくる間にお父様達に話があると伝言を頼んだ。
ダイニングに行くと家族全員揃っていてお父様のお顔が中心にぎゅっと集まっていた!
後に控えているカーマインも心なしか青い。ルージュに報告されちゃったかな。
「お父様。お聞きの様ですが、レイニード・シルバーリーフ様からプロポーズされましたわ。お受けしたいと思っております」
兄様もお母様も呆れてらっしゃるかしら?
「別に今すぐ結婚だとか焦らなくとも良いんだよ?」
他の領地というか国が落ち着いてきたらうるさくなるから急ぎますよ!
「レイニードはアーバンに拠点を構えても良いと言ってくれましたし、仕事に口出しをしないとも言ってくれましたの」
「ん?」
「婿入りで良いそうなのですが反対ですか?」
お父様も兄様も同じ角度で首を傾げている。変なところがそっくりだわ。
貴族家の三男だと親に爵位を譲ってもらう当てが無ければ、自力で得るか婿入りと言った感じだからレイニードも基本はそういう予定だったと思う。私は兄様がいるので後継じゃないし、爵位は貰えなくもないけど別にどっちでもって思っていた。
「うむむ。婿入りならありか?」
「イヤイヤとか適当に決めたとかじゃないのか?」
心配してくれてるのは嬉しいけど過保護だよー。
「シルバーリーフに行くか~。結納は酒か?」
もう少しマシな手土産~!
元々仲良しだけどシルバーリーフとアーバンが縁戚になるのは結構政治的に大きい。
本人達は至って気楽な婚姻だけど、他の脱王都組の新共和国の方々は裏で歯噛みするかも。
先触れを出すことにしてお父様とシルバーリーフに申し込みに行くことになった。兄様とお母様はお留守番で。
部屋に戻る途中にスッとカーマインが後ろに寄り共に部屋に入る。
「お嬢様」
「反対する?」
まだ恋心が疼く。肯定して欲しいけどして欲しくない。
「反対はできません。あの方を私は苦手ですが悪い方ではないですし、貴女を大切にしてくださると確信できますから」
「・・・そう」
カーマインはあくまでも執事で従僕である事に重きを置くのね。
「私にずっと仕えてくれるのね?」
「はい」
「どんな時でも?私が酷いことしても?」
「はい」
「酷いことや悪いことは止めなさいよ」
思わず突っ込んでしまう私は小心者ね。
「止めません。お嬢様の望みはどんな事であっても叶えるのが私の役目です」
「ダメな従者ね」
カーマインが片膝をついて指先に忠誠の口付けをしてくれる。
妻にはしてくれなかったのに「全て叶える」なんて嘘つきのくせに。
側に控えるルージュやアッシュ、ランドまで膝をついている。
完全に主人と従者に線を引かれているのは寂しいものよ。
でも絶対裏切らないと信頼できる者がいるのはありがたいこと。
こんな重い従僕たちが控えてる私の婿になんて耐えてくれそうなのはレイしかいなそう。
レイが申し出てくれて良かったのね。
仮に適当に探して結婚してたら、執事と不貞を疑われたり仕事を疑われたりしそうだもの。
カーマインのバカ。受け入れてくれてたらもっと気楽だったかもしれないのに!
結果的に私も家もシルバーリーフ家も悪くない話になるけど。
とりあえず婚姻後の新居と研究用の離れを立てる場所を選定しなくちゃ。
おじさま達にも贈り物を用意しよう。
34
お気に入りに追加
66
あなたにおすすめの小説
婚約破棄を申し込まれたので、ちょっと仕返ししてみることにしました。
夢草 蝶
恋愛
婚約破棄を申し込まれた令嬢・サトレア。
しかし、その理由とその時の婚約者の物言いに腹が立ったので、ちょっと仕返ししてみることにした。
皇太女の暇つぶし
Ruhuna
恋愛
ウスタリ王国の学園に留学しているルミリア・ターセンは1年間の留学が終わる卒園パーティーの場で見に覚えのない罪でウスタリ王国第2王子のマルク・ウスタリに婚約破棄を言いつけられた。
「貴方とは婚約した覚えはありませんが?」
*よくある婚約破棄ものです
*初投稿なので寛容な気持ちで見ていただけると嬉しいです
令嬢が婚約破棄をした数年後、ひとつの和平が成立しました。
夢草 蝶
恋愛
公爵の妹・フューシャの目の前に、婚約者の恋人が現れ、フューシャは婚約破棄を決意する。
そして、婚約破棄をして一週間も経たないうちに、とある人物が突撃してきた。
瓦礫の上の聖女
基本二度寝
恋愛
聖女イリエーゼは王太子に不貞を咎められ、婚約破棄を宣言された。
もちろんそれは冤罪だが、王太子は偽証まで用意していた。
「イリエーゼ!これで終わりだ」
「…ええ、これで終わりですね」
私知らないから!
mery
恋愛
いきなり子爵令嬢に殿下と婚約を解消するように詰め寄られる。
いやいや、私の権限では決められませんし、直接殿下に言って下さい。
あ、殿下のドス黒いオーラが見える…。
私、しーらないっ!!!
金の亡者は出て行けって、良いですけど私の物は全部持っていきますよ?え?国の財産がなくなる?それ元々私の物なんですが。
銀杏鹿
恋愛
「出て行けスミス!お前のような金のことにしか興味のない女はもううんざりだ!」
私、エヴァ・スミスはある日突然婚約者のモーケンにそう言い渡された。
「貴女のような金の亡者はこの国の恥です!」
とかいう清廉な聖女サマが新しいお相手なら、まあ仕方ないので出ていくことにしました。
なので、私の財産を全て持っていこうと思うのです。
え?どのくらいあるかって?
──この国の全てです。この国の破綻した財政は全て私の個人資産で賄っていたので、彼らの着てる服、王宮のものも、教会のものも、所有権は私にあります。貸していただけです。
とまあ、資産を持ってさっさと国を出て海を渡ると、なんと結婚相手を探している五人の王子から求婚されてしまいました。
しきたりで、いち早く相応しい花嫁を捕まえたものが皇帝になるそうで。それで、私に。
将来のリスクと今後のキャリアを考えても、帝国の王宮は魅力的……なのですが。
どうやら五人のお相手は女性を殆ど相手したことないらしく……一体どう出てくるのか、全く予想がつきません。
私自身経験豊富というわけでもないのですが、まあ、お手並み拝見といきましょうか?
あ、なんか元いた王国は大変なことなってるらしいです、頑張って下さい。
◆◆◆◆◆◆◆◆
需要が有れば続きます。
とある公爵令嬢の復讐劇~婚約破棄の代償は高いですよ?~
tartan321
恋愛
「王子様、婚約破棄するのですか?ええ、私は大丈夫ですよ。ですが……覚悟はできているんですね?」
私はちゃんと忠告しました。だから、悪くないもん!復讐します!
さようならお姉様、辺境伯サマはいただきます
夜桜
恋愛
令嬢アリスとアイリスは双子の姉妹。
アリスは辺境伯エルヴィスと婚約を結んでいた。けれど、姉であるアイリスが仕組み、婚約を破棄させる。エルヴィスをモノにしたアイリスは、妹のアリスを氷の大地に捨てた。死んだと思われたアリスだったが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる