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二章

496話

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 大臣にしかられたからか、多少大人しくなってようだ。
 お義母さまたちの笑顔も優しいめになったような気もしないでもない。

 ナギ国の未成年王女がどんな性格か、食の好みがほぼわからないので、ある程度即対応出来るようにな準備が整った。

 あのね?未成年=私なのか、こちらの衣装に興味を持つかもって、私が袖を通してない衣装を運んできたよ?
 お譲りしたり、お貸しすることに否はないよ。

 でもさー、お相手の王女さまは十二歳よ?さすがに私のでも大きいかもだよ!?

 アッガス滞在時にお衣装が欲しいかもって時にためにマダム・シフォンも待機になるって。マジですかー。

 どうすんだ。十二歳の王女に身長はともかく胸が負けてたら立ち直れないんだけど。仕事放棄しちゃうかもだよ。

 グレーデンからたくさんのお肉や野菜、果物も運ばれて来て、その部隊の中にマギー先生が着いてきてた。

「リーシャさま、急に多くの人と接してお疲れだろうさ?体調を見ようかね」
 なんんて私を拉致して、お義母さまにもシャロンさまにも声をかけて、一緒に女性用なお部屋に連行された。

 マデリーさまのことが内緒だからだろうけど、いきなり抱っこされた私を見た騎士さんたちの「南無ー」みたいな顔。マギー先生ってば怖がられすぎよね。

「さぁてさぁて、マデリー、久しぶりだね。元気にしてたかい?」

 衝立向こうでマデリーさまの検査が行われた。

「四週過ぎたあたりかな。気持ち早いが急な暮らしの変化に今回の大仕事でストレスと疲労が見られるから栄養とってしっかり寝な」

 体鍛えててもメンタル面は付いてこないんだろうなぁ。今まで動き回ってた分逆に大人しくしろってのも辛いよね。

「さすがにずっと内緒で仕事を休みのは辛いだろうからナギ国一行が王都に向かったら公表しなよ。帰還の頃にはさすがにレオルカさまも落ち着くだろうさ」
 二週間後も落ち着いてなかったら引くな。
「まぁ?さすがにシグルドの子で体験してるから多少はマシかもだけれどダレスさまが大騒ぎするだろうからギリギリかしらね?」
「そうねぇ?ルドガーさまには内緒にしてナギ国御一行が船を出したらぁ、教えたほうがいいかしらぁ?」

 どんだけ落ち着かないんだ。

「安定期に入ったら食事会でもしましょうねぇ」
「うふふ、レオルカったらどんな顔するかしらねぇ?」

 こんな状況じゃなきゃ真っ先に教えてもらえただろうに、レオルカさまったら、ちょっとお気の毒だねぇ。

「あ。あんたは騎士だからやりかねないから言っておくけど、兵糧が栄養素が高いって言って戦う身体を維持するのと訳が違うんだからちゃんと普通の食事をするんだよ」

 何それ。兵糧って固くてまずいと言ってたヤツを??

「最近のはリーシャさまのおかげで色々美味しいので良さそうですが」
 いやぁ、シリアルや乾燥フルーツ混ぜてるから栄養はあるだろうけど、温かいのや美味しいのを普通に食べようよ。

 女騎士さんたちワイルドだな。

「リーシャさまに食べやすい食事を用意していただいたのでちゃんと食べます」

 バツが悪そうなマデリーさま、悪阻が済んだら兵糧食べる気だったのかも。

「アンゼリカを見張りにおいても一緒に兵糧食べそうだからフェリスに定期的に来てもらおうかしら?」

 アゼリアさまはシグルドさまの奥様。マデリーさまの顔が引き攣ったので個性的な人かも。アンゼリカさまと行動してたのにビビるくらいのお方かぁ。
 基本的にダレスさまが行事に顔を出してくれてたから、ジェイデンのお方たちとは会ってないんだよ。

「お義姉さまのお手を煩わせるほどのことではありません」
 
 ふむぅ。もしかしたら元騎士さんかな。オラめっちゃ気になってくっぞ。

「フェリスも兵糧食べそうじゃなぁい?」
「あらぁ、ここ一年の食糧事情の変化で太っちゃうほど食に興味津々よ?」
 え、このグレーデン一族の中で太った人がいるだと!?
「あらぁ?」
「子を産んだら太るタイプだったみたい。でも二回りくらいよ」
「まぁ、それなら王都の夫人たちよりは細いかもねぇ?」

 え、今のところむっちりした夫人には遭遇してないけど、王都にはいらっしゃるの?

「まぁねぇ?結婚するまでは細身でいないと行き遅れちゃうから必死よぅ」
 なるほど。細身がモテるのね。
「子供ができたらもう離縁はないと我慢してたぶん食べちゃうわねぇ」
 ひょー。

「まぁこの地で暮らす女は逞しいほうが美人だからフェリスは痩せないくても良いわ」
 だけどお二人ともボンキュッボンですよねー。

「マデリー、騎士を続けるなら身体が重いとキツいだろうけど、貴方も二、三倍になったところでデブではないから気にせずお食べなさい」
 確かにガタイのいい女騎士さんのかっこいい。

「私は魔法騎士なので肉体を鍛えるのは不得手。増やさない方向でいきます」
 ふむ。現役続行希望か。

「栄養に気をつけてメニューを決めましょう」
 ルルゥにレシピ監修してもらわないとだ。


 マギー先生は私のことも本当に検査して、
「良好だね。もう少し肉付きが良くなるとより良いよ」
 だって。結構付いてきたと思うんだけどこれまだまだかな??


 レオルカさまが半泣きでシャロンさまを呼びにきたり、ルルゥに宴の料理の味見を頼まれたりして。

 夕刻にジュリアスさまとルーク、なぜかリックさまがアッガスに到着した。


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