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二章

483話

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 翌日からは、王都との手紙のやり取りと、接待用の食事の献立や、私が随行するための護衛のこととかとにかく細かい、重箱の隅を突いて突きまくって壊してやり直しみたいな感じでイラッとしまくった。

 王様もリックさまも宰相もこれを日常的にやってるならハゲて、胃に穴が空くとかも仕方ない。
 役人連中、肝心なとこ修正入れないでどうとでもなるとこをいじくり回す。
 マジで仕事出来なさそうなの。
 足を引っ張るのがお仕事なのかな。
 そりゃハーボット系閥のやりたい放題になったのも、対処が後手後手だったのも仕方ない。
 だって何も進まないの。

 ナギの王女様お二人を護衛するのに、騎士団を付けるって話しをしてるのに、他国から大勢来るのに王都の護り手をナギ側に貸し出すのはダメだとか言う変な意見もあったし、グレーデン騎士団を借りるのに予算はナギに請求しろ、我が国からは出さないとか、マジで外交する気あるのか?ってくらいのバカな意見も。
 私も王様の庇護下にいる人間だから、給金は出さなくて良いとか言ってるんだって。
 王様の威を借りまくってるかららしいけど、んー、借りてるかな?

 別にお金で揉める気ないけど、婚家のグレーデンをバカにしてる気もしちゃうし、お前らの無能の埋め合わせに呼ばれるのに、無給で良いとかどの立場から言ってんの?
 王様に言われるのなら良いけど、役人は言うな。

 ハーボットの人間が消えて、大臣や役人が入れ替わったら、良くなると思ってたら、阿呆がいっぱいとか。
 
 まともな人もいるにはいるけど、訳がわかんない人の方が声が大きいのよね。
 嫌だねぇ。

 王国騎士団は今のところ無言らしい。
 
 グレーデン騎士団に金払いたくないって、今回のこと以外でも魔獣被害があったとしても、手を借りなくても自分たちで何とかするのかね?

 グレーデン周辺は、外部に出る前に処理してるけど、他から出てきた分は直接介入は出来ないじゃん?呼ばれて行くのに「金は払わんが助けてくれ」とか言うのかしら。

「あー、イラつく」
「リーシャさま?」
「ニーナ、王都の役人がバカだよー」

 隣国とかのやり取りでもケチケチするのかなぁ。
 あの国、ケチよ。公用語出来る人間少なくて適当な契約書が通ったよ。ケチなくせに割り増しで料金払ってくれるんだって、ウケるーとか言われてたらどうするの。
 
 イラっとしたので、勢いのままに精神安定剤なポーションと、胃薬的なポーションと、気休めな液体を作った。
 頭皮に栄養と毛根を強化するための薬剤を混ぜた、〈抜けないくん〉が出来たよ。
 増えないけど、保てる。ダメ?
 ツルリンっと逝く前に使い始めたら良いかもだね。逝ってない時には気を使わないから手遅れになるだけ・・・ゲフン。

 ちなみにこんなイライラの合間にお義母さまとお義父さま、お祖父様たちは、マイペースにお宿に一泊出かけてた。
 急用でもすぐ対応出来る場所だから問題なくリフレッシュできると大人気だ。

 ルルゥとは、ナギ国用の献立を考えるのと合わせて、お宿で作ったものも、一緒に料理をしてる。

「盛り付けだけは王宮料理に合わせないとねぇ」
 大雑把な大皿盛りはダメだからね。

 ナギ国からは、苦手な料理や、ナギ国や王女さまにとって忌避、禁忌な食材など、一応のお知らせがあってので、そこは安心。

 よほどのゲテモノじゃなければ、魔獣も平気だそう。 
 生食と血液だけ気をつけるようにって。
 血液を使った料理はしないかな。
 レバーとか??

 ポーションに使ってる血液もダメかな。ポーション出す機会が無いと良いね。元気溌剌系。

 食事もだけど、お酒も用意するべきかと思ったので仕込みをって考えたものの、主賓な王女様は未成年だったので、お偉いさん向けにワインと、お土産用にブランデーと日本酒もどきと泡盛っぽいのを用意することに。
 王女さまには、ジュース類だね。グレーデン産の新鮮な果物でおもてなしだ。
 お菓子類は、お好みを聞いてから準備出来るように下拵えだけしてマジックボックスに用意しておくことに。
 
 そう言えば、お義母さまが、通訳をするなら、職業婦人向きのドレスも必要よぉって、マダム・シフォンを呼んだ。
 地味になりすぎない程度に肌の露出のないかっちりしたものと言うデザインを考えるのが大変だった。
 マダムがグレーデンで作ってる生地を主に使って、宣伝よぉ~って二人で言ってる。お好きにどうぞ。
 スカートのボリュームが控えめになって動きやすいのがありがたいデザインに決まってホッとした。


 私が忙しくしてるのと同じで、ジュリアスさまたちは、泊まりでアッガスに行ったりしてていない日が増えた。
 
 ジャスパーも基本はジュリアスさまと行動してるので、寝床が寂しい。

 ルークもいないわけなので、ニーナにたまに一緒に寝てもらう。その時はポムたちもベッドに潜り込む。
 胸目当てじゃなかろうかね?

 こうしてる中、各地の旅館が完成したらと報告も来て、従業員教育のことは、グレーデン本邸の侍女ーズが各地に回って教育してくれることになったりして。

 たまにジュリアスさまと一緒に寝られた日は、嬉しくて抱っこちゃんになってしまう。

 ジャスパーが私とジュリアスさまの間にムイムイっと入るのでたまにジュリアスさまがうなされてる。暑いって。

 そっと冷房の魔道具の温度を下げて、みっちりくっついて寝るよ。

 
 
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