475 / 608
二章
464話
しおりを挟む
そう言えば小さいお皿や小鉢はあんまり種類が無いんだよね。
大皿に一盛りずつの方が運ぶのも楽だし、いいかな。
一口ずつじゃ物足りないよね。
んーーーーーーー。
とりあえず出来たものを大皿にちょっとずつ。鉢物と煮付けは別皿にして。
ニーナとアズライト、ポム、ティムに試食をしてもらう。
「少しずつたくさん食べられるのは素敵ですね」
一口二口だなんて、グレーデンの食卓には無いもんね。
「プキュ」
「モキュ」
『ふむ。少しずつだと味わいがしっかり楽しめるの。薄味だが野菜の味がわかって良いの』
アズライトが京風の味を褒めてくれた。
ほのかに出汁が香ってくるのが好きだ。
卵焼きと茶碗蒸しもおかわりを所望されちゃったけど、味見だってば!
牛鍋とカニ鍋にウドーんまで。
ポムとティムのお腹はぽんぽこりんなんだけど、あれだけ食べた後にしてはそこまでじゃ無い。二匹もイリュージョンな胃袋持ってるよね。
オヤツは梅酒ゼリーとスパイスケーキにした。
本当は抹茶とか使いたいけど、抹茶に出来そうな茶葉には出会ってない。
紅茶のプリンも好きだけど。
あ、好きならば作ればいいんだ。
濃いめの紅茶を煮出して甘く甘く。生クリームと卵もたっぷり。
ぐっふふ。カフェの味。
「プキュプキュ」
「モキュン」
待ちきれなくて鍋の周りで謎のステップを踏むポムとティム。和む。
ニーナが悶え死にするからほどほどにね。
冷蔵庫に入れてしばし待ってる間に、果物のゼリーも。ついでに。
これは旅館全部で共有して、旬の果物とハーブの宣伝にしたい。
あまりハーブを主張すると殿方の好き嫌いが分かれるから果物が主役ね。
和風じゃ無い旅館には、洋風のコースを考えないと。
どちらにしても魔の森のお肉が主役かな。
魔素が濃いものを食べて、英気を養ってもらう。
療養施設では、お客様の状態によっては魔素が濃すぎるのは逆効果なのでちゃんと見極めて対応出来るスタッフを雇って、定期的に研修してもらわないとだね。
女性のエステがある施設にはお花のお茶やお菓子が多いといいかなぁ。
いっぱいレシピを考えないとだね。
ルルゥたちも協力してくれるだろうし、他所では食べられないものを食べてもらおうね。
そう言えば、王宮や他の貴族のコックさんが研修に来るのも増えて来たら大変だから、お料理学校みたいなの作った方が良いかも。
宿泊施設付きで。
これは儲かりまっせ!じゃなくて。
旅館で美食に目覚めた貴族のコックさんをうちの厨房で預かりきれなくなるのを防がないとね。
ん?自信過剰かな。
でもうちの料理と食材を味わったらきっと飛びつくよね。
ちょっと楽しくなって来た。
旅先で美味しいものが食べれるようになるには、平民の料理人も育って欲しいところ。
料理学校もらおうね他に料理教室もあっても良いかも。
講師はうちで修行したコックさんのみ。
明日は企画書作ろうかな。
プリンとゼリーが固まったので味見タイム。
「プッキューーーン!!」
「モッキューーーーン!!」
ポムとティムがばたりと倒れた。
「なんで!?」
「ポムちゃん!ティムちゃん!!」
え、ニーナ?って今はそれどころじゃなかった。
「ププー」
「モッキュー」
『美味しすぎたらしいの』
アズライトがペロリと口元を舐めてから教えてくれた。
ポムたちはしばらく幸せそうに目を瞑って恍惚としていたけど、起きて再び口に入れるとものすごい勢いで食べた。
「確かに昇天しそうな美味しさです」
ミルク紅茶プリン恐るべし。
生クリームいっぱいでブリュレのような濃厚さと甘さが口に広がるからね。
ルルゥに教えたやつより濃厚にしたから。
「バケツいっぱい欲しいです」
バケツプリンに憧れるのは異世界でもあるんだ!
「プーキュゥ」
「モーキュゥ」
ニーナと同じポーズでうんうんやってる。
「んー、そこまでいっぱい食べると多分飽きるよ。今度作るときは大きめにするね」
流石に時間が足りないよ。
そんなわけでお片付けして料理はおしまい。
外に出るとアランとジェイクがいい汗かいてた。
「「お疲れ様です」」
「お待たせ」
料理はジュリアスさまに出すまで内緒なので、ゼリーをオヤツに渡した。
「お部屋で食べてね」
「「ありがとうございます」」
マジックバッグにしまってほんのり笑ってるから、彼女と食べる気かも。
まぁ、青春だね。楽しんで欲しい。
そう言えばニーナもルークに持って行きたいかな?お宿に付き添うからお楽しみでいいか。
庭を通っているとポムとティムがちょっと走っていって戻って来た。
「プキュ」
「モキュ」
二匹が私に種と石を持って来た。
どこかにしまってたのかな。
『今日のご飯が美味しかったお礼だそうだの』
おお、そこまで美味しかったんだ。チップもらっちゃった。
「ありがとう、また作るね」
種は〈銀杏〉で石はインカローズっぽい色合いの可愛い石だ。
銀杏かー。焼きたいね。ただ臭いよね。
雌雄ないとダメだっけ。そこは不思議植物かな。
「茶碗蒸しが一段上にいくね」
「「キュッッ!!??」」
ポムとティムが飛んだ。飛んだ後踊り出したよ。すごい嬉しいらしい。
食べすぎると毒だからあまり布教しない方がいいかな。
〈無毒化〉使える人を雇うか。
屋敷に戻るまでずっとポムたちがダンシングなのでアランとジェイク、ニーナまで歩みが浮ついてる。
楽しそうだからいいか。
大皿に一盛りずつの方が運ぶのも楽だし、いいかな。
一口ずつじゃ物足りないよね。
んーーーーーーー。
とりあえず出来たものを大皿にちょっとずつ。鉢物と煮付けは別皿にして。
ニーナとアズライト、ポム、ティムに試食をしてもらう。
「少しずつたくさん食べられるのは素敵ですね」
一口二口だなんて、グレーデンの食卓には無いもんね。
「プキュ」
「モキュ」
『ふむ。少しずつだと味わいがしっかり楽しめるの。薄味だが野菜の味がわかって良いの』
アズライトが京風の味を褒めてくれた。
ほのかに出汁が香ってくるのが好きだ。
卵焼きと茶碗蒸しもおかわりを所望されちゃったけど、味見だってば!
牛鍋とカニ鍋にウドーんまで。
ポムとティムのお腹はぽんぽこりんなんだけど、あれだけ食べた後にしてはそこまでじゃ無い。二匹もイリュージョンな胃袋持ってるよね。
オヤツは梅酒ゼリーとスパイスケーキにした。
本当は抹茶とか使いたいけど、抹茶に出来そうな茶葉には出会ってない。
紅茶のプリンも好きだけど。
あ、好きならば作ればいいんだ。
濃いめの紅茶を煮出して甘く甘く。生クリームと卵もたっぷり。
ぐっふふ。カフェの味。
「プキュプキュ」
「モキュン」
待ちきれなくて鍋の周りで謎のステップを踏むポムとティム。和む。
ニーナが悶え死にするからほどほどにね。
冷蔵庫に入れてしばし待ってる間に、果物のゼリーも。ついでに。
これは旅館全部で共有して、旬の果物とハーブの宣伝にしたい。
あまりハーブを主張すると殿方の好き嫌いが分かれるから果物が主役ね。
和風じゃ無い旅館には、洋風のコースを考えないと。
どちらにしても魔の森のお肉が主役かな。
魔素が濃いものを食べて、英気を養ってもらう。
療養施設では、お客様の状態によっては魔素が濃すぎるのは逆効果なのでちゃんと見極めて対応出来るスタッフを雇って、定期的に研修してもらわないとだね。
女性のエステがある施設にはお花のお茶やお菓子が多いといいかなぁ。
いっぱいレシピを考えないとだね。
ルルゥたちも協力してくれるだろうし、他所では食べられないものを食べてもらおうね。
そう言えば、王宮や他の貴族のコックさんが研修に来るのも増えて来たら大変だから、お料理学校みたいなの作った方が良いかも。
宿泊施設付きで。
これは儲かりまっせ!じゃなくて。
旅館で美食に目覚めた貴族のコックさんをうちの厨房で預かりきれなくなるのを防がないとね。
ん?自信過剰かな。
でもうちの料理と食材を味わったらきっと飛びつくよね。
ちょっと楽しくなって来た。
旅先で美味しいものが食べれるようになるには、平民の料理人も育って欲しいところ。
料理学校もらおうね他に料理教室もあっても良いかも。
講師はうちで修行したコックさんのみ。
明日は企画書作ろうかな。
プリンとゼリーが固まったので味見タイム。
「プッキューーーン!!」
「モッキューーーーン!!」
ポムとティムがばたりと倒れた。
「なんで!?」
「ポムちゃん!ティムちゃん!!」
え、ニーナ?って今はそれどころじゃなかった。
「ププー」
「モッキュー」
『美味しすぎたらしいの』
アズライトがペロリと口元を舐めてから教えてくれた。
ポムたちはしばらく幸せそうに目を瞑って恍惚としていたけど、起きて再び口に入れるとものすごい勢いで食べた。
「確かに昇天しそうな美味しさです」
ミルク紅茶プリン恐るべし。
生クリームいっぱいでブリュレのような濃厚さと甘さが口に広がるからね。
ルルゥに教えたやつより濃厚にしたから。
「バケツいっぱい欲しいです」
バケツプリンに憧れるのは異世界でもあるんだ!
「プーキュゥ」
「モーキュゥ」
ニーナと同じポーズでうんうんやってる。
「んー、そこまでいっぱい食べると多分飽きるよ。今度作るときは大きめにするね」
流石に時間が足りないよ。
そんなわけでお片付けして料理はおしまい。
外に出るとアランとジェイクがいい汗かいてた。
「「お疲れ様です」」
「お待たせ」
料理はジュリアスさまに出すまで内緒なので、ゼリーをオヤツに渡した。
「お部屋で食べてね」
「「ありがとうございます」」
マジックバッグにしまってほんのり笑ってるから、彼女と食べる気かも。
まぁ、青春だね。楽しんで欲しい。
そう言えばニーナもルークに持って行きたいかな?お宿に付き添うからお楽しみでいいか。
庭を通っているとポムとティムがちょっと走っていって戻って来た。
「プキュ」
「モキュ」
二匹が私に種と石を持って来た。
どこかにしまってたのかな。
『今日のご飯が美味しかったお礼だそうだの』
おお、そこまで美味しかったんだ。チップもらっちゃった。
「ありがとう、また作るね」
種は〈銀杏〉で石はインカローズっぽい色合いの可愛い石だ。
銀杏かー。焼きたいね。ただ臭いよね。
雌雄ないとダメだっけ。そこは不思議植物かな。
「茶碗蒸しが一段上にいくね」
「「キュッッ!!??」」
ポムとティムが飛んだ。飛んだ後踊り出したよ。すごい嬉しいらしい。
食べすぎると毒だからあまり布教しない方がいいかな。
〈無毒化〉使える人を雇うか。
屋敷に戻るまでずっとポムたちがダンシングなのでアランとジェイク、ニーナまで歩みが浮ついてる。
楽しそうだからいいか。
618
お気に入りに追加
1,510
あなたにおすすめの小説
転生幼女の愛され公爵令嬢
meimei
恋愛
地球日本国2005年生まれの女子高生だったはずの咲良(サクラ)は目が覚めたら3歳幼女だった。どうやら昨日転んで頭をぶつけて一気に
前世を思い出したらしい…。
愛されチートと加護、神獣
逆ハーレムと願望をすべて詰め込んだ作品に…
(*ノω・*)テヘ
なにぶん初めての素人作品なのでゆるーく読んで頂けたらありがたいです!
幼女からスタートなので逆ハーレムは先がながいです…
一応R15指定にしました(;・∀・)
注意: これは作者の妄想により書かれた
すべてフィクションのお話です!
物や人、動物、植物、全てが妄想による産物なので宜しくお願いしますm(_ _)m
また誤字脱字もゆるく流して頂けるとありがたいですm(_ _)m
エール&いいね♡ありがとうございます!!
とても嬉しく励みになります!!
投票ありがとうございました!!(*^^*)
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
【完結】「父に毒殺され母の葬儀までタイムリープしたので、親戚の集まる前で父にやり返してやった」
まほりろ
恋愛
十八歳の私は異母妹に婚約者を奪われ、父と継母に毒殺された。
気がついたら十歳まで時間が巻き戻っていて、母の葬儀の最中だった。
私に毒を飲ませた父と継母が、虫の息の私の耳元で得意げに母を毒殺した経緯を話していたことを思い出した。
母の葬儀が終われば私は屋敷に幽閉され、外部との連絡手段を失ってしまう。
父を断罪できるチャンスは今しかない。
「お父様は悪くないの!
お父様は愛する人と一緒になりたかっただけなの!
だからお父様はお母様に毒をもったの!
お願いお父様を捕まえないで!」
私は声の限りに叫んでいた。
心の奥にほんの少し芽生えた父への殺意とともに。
※他サイトにも投稿しています。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
※「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※タイトル変更しました。
旧タイトル「父に殺されタイムリープしたので『お父様は悪くないの!お父様は愛する人と一緒になりたくてお母様の食事に毒をもっただけなの!』と叫んでみた」
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
【完結】何も知らなかった馬鹿な私でしたが、私を溺愛するお父様とお兄様が激怒し制裁してくれました!
山葵
恋愛
お茶会に出れば、噂の的になっていた。
居心地が悪い雰囲気の中、噂話が本当なのか聞いてきたコスナ伯爵夫人。
その噂話とは!?
義妹と一緒になり邪魔者扱いしてきた婚約者は…私の家出により、罰を受ける事になりました。
coco
恋愛
可愛い義妹と一緒になり、私を邪魔者扱いする婚約者。
耐えきれなくなった私は、ついに家出を決意するが…?
料理スキルで完璧な料理が作れるようになったから、異世界を満喫します
黒木 楓
恋愛
隣の部屋の住人というだけで、女子高生2人が行った異世界転移の儀式に私、アカネは巻き込まれてしまう。
どうやら儀式は成功したみたいで、女子高生2人は聖女や賢者といったスキルを手に入れたらしい。
巻き込まれた私のスキルは「料理」スキルだけど、それは手順を省略して完璧な料理が作れる凄いスキルだった。
転生者で1人だけ立場が悪かった私は、こき使われることを恐れてスキルの力を隠しながら過ごしていた。
そうしていたら「お前は不要だ」と言われて城から追い出されたけど――こうなったらもう、異世界を満喫するしかないでしょう。
【完結】私を虐げた継母と義妹のために、素敵なドレスにして差し上げました
紫崎 藍華
恋愛
キャロラインは継母のバーバラと義妹のドーラから虐げられ使用人のように働かされていた。
王宮で舞踏会が開催されることになってもキャロラインにはドレスもなく参加できるはずもない。
しかも人手不足から舞踏会ではメイドとして働くことになり、ドーラはそれを嘲笑った。
そして舞踏会は始まった。
キャロラインは仕返しのチャンスを逃さない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる