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二章

458話

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 夕食にはみんな戻ってきていて、お出迎え出来なかったのでお部屋でジュリアスさまに突撃した。
 激突前に抱き上げられちゃうので威力が足りない。

「ぱっくぅ?」
 今日作った物の報告をしたら、なんか訛ってる人みたいな発音で首を傾げられた。
 可愛い。旦那さん可愛いぞ!
「今夜、お風呂の後に貼らせてください」
「そうか?」

 ジュリアスさまのちょっと日に焼けた肌もワイルド好きだけど、シミやそばかすの元なので少しくらいお手入れしてもいいよね。

 夕食の席でお祖母様にもたくさん質問されて、お義母さまが首筋をドヤァって見せて、クラウスさまが微妙な顔をする。

 何気にスピネルさんとザイルさんが興味津々だった。

「若返って見えるから男でも使えばモテるかもしれぬ」
 普通に憧れの目で見られてるイケオジたちなのに貪欲だなぁ。

「あらぁ?リーシャちゃん、私の分も確保してくれてるぅ?」

 ルルゥはオネェだから欲しいよね。わかってる。
「五分くらい試してくれる?」
「いーわよぉ~☆いっぱい染み込むでしょ」
 お肌強そうなのでちょっと意地悪言っちゃう。
「痒かったり痛かったらすぐ中止ね?」
 さすがにルルゥの顔がかぶれたりしたらかわいそう。

 なぜかアズライトとディディエもお試ししたいらしい。魔獣の香りとか良いのか?って聞いたら「自分の養分になるなら良い」んだそう。食事でお肉食べるのと一緒らしい。ふーん?
 毛皮組はブラッシングの方が良いってことでパックには興味がなかった。
 目をギラリとさせたニーナたちがブラッシング権利を得るためにジャンケンしたらしい。


 
 翌日、美白パックは使用した人にすっごい喜ばれた。
 美白パックに傷薬ポーションを合わせて使うと火傷や傷痕にも効果があると報告もあった。
 傷薬ポーションで傷痕消えるんじゃと思ったらランクによるそうだ。
 一般的に出回ってるのは傷が塞がるまでなものらしいのであと一歩惜しい!
 お義母さまには傷なんて無いけど、お祖母様にはやっぱりちょっと残ってたみたいで、お祖母様よりお祖父様に喜ばれた。
 冒険者やってるとちょっとした傷は放置で大きい傷はポーション使うけどすぐ使えない場面もあるから残るんだとか。
 ルルゥもね、多少は油はねのやけどあるし、騎士の時の細かい傷もあるから結構効いたみたいで喜んでる。

 ハイポーションとかだと残らないけど、お高いし数が出回ってないから傷くらいってなるそう。

 傷痕に良いなら、アンゼリカさまや女騎士さんたちに優先でプレゼントしようね。

 美容品とは別にハイポーションも素材に混ぜよう。

「妻のためにサーペントの繁殖期は狙い撃つぞ!!」
「「「「おーー!!」」」」
 嫌な繁殖期なのに待ち望む方向になっちゃった。
 絶滅はしないそう。魔素溜まりから発生するのもあるから。
 うほー、絶対駆逐出来ないのか。
 ならば、スパイダーもイェンゲも好きなだけ食べていいわけだ。
 
 侍女長は早速ベビーパウダーとローションを使ってくれたみたいで男の子のお尻がサラサラのプルプルで普段の痒みで泣いたりが無くて夜に娘さんが寝れたと喜んでるって。

 私もメグミも子供が近くにいなかったばかりに。もっと早く思いつければ良かったな。

「お高くても売れます」

 侍女長たちが断言してくれたけど、子供用品で儲けを出すのは嫌なので、工場に託しても必要経費でいいと思う。
 他の領地にも儲けを最低限にする条件付きでレシピ公開してもいい。
 子供には優しくね。

 んー、赤ちゃんはグレーデンの宝なので領内では子供手当みたいな感じで出産祝いで配ってもいいかも。あとでお義母さまと相談しよう。その後も補助金とかで格安で?
 お義父さまは無料でもいいって言いそうな。
 必要経費次第かな?

 私の貯金から子供予算とか出せるけど、私の死後もやっていけるかわからないからじっくり考えよう。

「当面はお試しで配るね?」

 使用人の家族なら、福利厚生に出来るかな。

 パックも傷痕用ならもっと多くの人に使えるようにしたいね。
 サーペントの卵膜以外で何が良いかなぁ。
 不織布とかだと物足りないからやっぱ魔物素材が良いなぁ。

 久しぶりに魔導書を読むかぁ。

 そんなわけで今日は隠し部屋に篭りたい。

 朝食後にアランとジェイクには今日は待機じゃ無くて騎士団に訓練に行っても良いって伝えた。
 屋敷内ならお義母さまの護衛も元騎士さんな侍従さんやコックさんもいるから。
「絶対外出ません?」
 疑りの目で見られたけど、ルルゥが気にかけてくれるって言うと納得してくれた。

「リーシャちゃん、ちゃんとお昼とおやつ休憩にはお部屋から出ることねぇ?」
 ルルゥが約束ねってウィンクした。
 これは、ルルゥをよく知らない令嬢が受けたら気絶しちゃうね。

「ワカッタヨ」
 棒読みで言っちゃう。
「もぉ!可愛く無いわぁ」

 イケメンでも中身知ってると愉快なオネェなんだもの。

 ニーナだけは絶対付いて来ちゃうので、一緒に隠し部屋に入った。

 ちょっと久しぶりかなぁ。
 ライトつけて、ニーナには椅子をすすめて。

 書棚に読みたい物のイメージを伝えるとスッと厚めな書物が三冊出てきた。

 わぉ!読み応えあるなぁ。

 



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