上 下
374 / 659
二章

364話

しおりを挟む
 朝食を済ますと侍女さんメイドさんが臨戦体制。ニーナも私をいじりたいと言ってくれるけど今日はニーナもドレスアップなんだってば。

 お祖母様は朝の鍛錬を済ませてお風呂に入ってからだそうで。

 まずは私とニーナがお着替え。
 主のジュリアスさまは良いの?って思うけど着付けは要らないし髪を整えるくらいだからね。

 私はちょっとだけ締め付けるコルセットを使うようになったよ。少しお肉が付いたってことで私の身体にとっては良きことなんだけど乙女心は「太ったのかー」と思っちゃう。
 まだ細いんだけどね!お胸が育たないんだぜ!

「お肌がもちもちですねぇ」
「吸い付くようですわぁ」

 それでも褒め倒しながらドレスを着せてくれる。
 本日のドレスは少しエレガントにしてもらった。赤のシフォンやレースで飾りは金と銀、赤の宝石があしらわれてるので華やか。
 お飾りはルビー。グレーデン家の赤をふんだんに主張してるよ!

 髪の毛はハーフアップにしてもらった。
 髪飾りもルビーだよ。
 お義母さまがいっぱい愛を込めてくれた感じ。
 普通はジュリアスさまからとかになるのかな?グレーデンの男性陣はおしゃれに興味ないのでお義母さま、最近はお祖母様も一緒に選んでくださるから良いの。

 お化粧は薄めでパールのお粉とほんのり香水。香水はカイダールで手に入れたハーブで作った。柔らかめな香り。

 私は体力的に締め付けない重すぎないドレスなので着付けは早い。
 ニーナを見に行くとコルセットをフンヌーと締められてるところだった。南無~。

「ニーナもあまり慣れてないから締めすぎないでね」

 ニーナのドレスはお義母さまの赤のドレスにオーバースカートは銀を基調に刺繍を足したもので。
 お飾りはルークの瞳の蒼を中心にした繊細なもの。
 うひひ。私の目は薄紫だけど角度で水色にも見えるから銀と蒼は私の色に見えなくもない。ちょっと嬉しい。
 
 お化粧はニーナも薄め、髪はアップで。
 
 仕上がったニーナはとっても綺麗。一緒にオレイユを出た時のバサバサ髪は今じゃ遠い昔のようだ。

「あら、姉妹みたいになってるねぇ」

 お祖母様が下衣のまま移動してきた。
 後ろからドレス一式を持って追いかけてきた侍女さんたちがちょっとオコだよ。
「デリアさま、下衣で出歩くとは何事ですか!!」
 侍女長がお祖母様を捕まえてコルセットを物凄い勢いで締め始めた。
 
 うわぁ。なんか映画のワンシーンみたい。

「まだまだぁ!!」

 侍女長が上腕二頭筋をモリモリっと血管を浮かせて力を入れてそうな声がけ。
 私はかなり甘やかされてるな。一生甘やかして欲しい。コルセット怖い。

 お祖母様はお義母さまの見立てでマーメイドライン。ボディに自信がないと着こなせないメリハリはっきりドレス。スカートはティアードなので華やか。
 色はやっぱり赤と黒。金色入れて。 

 今回みんな赤を主張だね。

 お祖父様もジュリアスさまも赤髪金眼なのだ。
 普段は茶金なんだけど感情が昂ると金眼になる。美しい目なの。

 お祖母様はくっきりメイク。エキゾチックなお顔なのでちょっとしただけでもくっきりはっきりだよ。
 パールのお粉をデコルテと腕、背中にポンポンとつけて完成。

 お義母さまのバラのような美しさとは違うけど、お祖母様はひまわりやマーガレットのような美しさなの。賑やか?

 ちなみにニーナは白百合ね。凛として楚々。

 お祖母様のお飾りもルビーかな。大きくてゴージャス。お祖母様の雰囲気には抜群に合ってるけど私がつけたら似合わないやつ。

 ちなみにポムとティム、ディディエ、アズライトは人前に出せないのでタウンハウスでお留守番なんだけど何故かおめかし。タイを付けてもらってる。

 着替えが済むとジュリアスさまたちと合流。
 お祖父様たちも着替えを済ませてた。
 イケオジフラッシュを喰らった!!
 スピネルさんもマルゴさんもジョゼさんもザイルさんも冒険者衣装じゃないと品のあるオジサマになるのね。

 ルルゥもルークも騎士団の礼装に着替えててカッコいい。
 セリウスさまとクラウスさまも騎士団の礼服。
 団服はずるいよ!制服萌えしちゃう。

 ジュリアスさまは貴族の礼服なの。なぜだろうと思ったらグレーデン家当主として出るからだそう。

 ウチから王宮までは馬車かと思ったら転移陣を使うって。
 特別待遇だねぇ。

 ついでなのでタウンハウスの転移陣の装置にいっぱい魔力充填しておいた。
 魔力の使い所が少ないからね。

 担当さんがなぜか拝んでる。別に担当さんから魔力搾り取ったりしてないよね?って思ったら転移陣の担当さん数人で定期的に補充してるから余裕が出来るのが嬉しいんだって。ブラック気味なのかしら?

 まずは騎士さんたちの半分を移動させてその次に私たち、その後残りの騎士さんたちと言った感じで転移した。

 着いた先の景色は変わり映えがしないので着いた?って一瞬確認しちゃう。王宮の転移陣の間は魔導師が多いのでそれで着いたってわかる感じ。


「お疲れ様でございます」

 転移陣の間を出ると王宮魔導師と王国騎士が整列して出迎えてくれた。
 一番最初にグレーデンに向かう時に送ってれた騎士隊の人たちがいたのでルークが一緒に挨拶してくれた。

「お幸せそうで良かったです」

 にっこりと手を取って流れるように指先にキスを頂いちゃった。

 筋肉は足りないけどイケメン騎士さんなのでそりゃご令嬢たちが訓練見学に押しかけちゃうよねってくらい破壊力があるよ。

 ちなみにマーカスさんだ。前回も名乗ってくれてたそうだけどいきなり辺境にって移動になったから聞き流しちゃってた。ごめんね。

 今回の祝賀会は前半が歓談で後半が夜会みたいな流れで四時位に開演。

 下位貴族から入場していくので今はまだ伯爵まで行ってないようだ。
 高位貴族の待合のような広間に案内された。

 騎士さんたちは別口で並ぶそうなのでセリウスさまとクラウスさま、ルークたちはそちらに移る。

 私はジュリアスさまとお祖父様たち、ニーナと待つことになった。

 










 







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚約者に捨てられましたが

水川サキ
恋愛
婚約して半年、嫁ぎ先の伯爵家で懸命に働いていたマリアは、ある日将来の夫から告げられる。 「愛する人ができたから別れてほしい。君のことは最初から愛していない」 浮気相手の女を妻にして、マリアは侍女としてこのまま働き続けるよう言われる。 ぶち切れたマリアはそれを拒絶する。 「あなた、後悔しますわよ」

『完結』不当解雇された【教育者】は底辺ギルドを再建して無双する〜英雄の娘である私は常識破りの教育で化け物を量産します〜

柊彼方
ファンタジー
「アリア。お前はクビだ」 教育者として上位ギルド『白金の刃』で働いていたアリアはギルド長であるクラウスに不要だと追放されてしまう。 自分の無力さを嘆いていたアリアだが、彼女は求人募集の貼り紙を見て底辺ギルドで教育者として働くことになった。 しかし、クラウスは知らなかった。アリアの天才的な教育にただ自分の隊員がついていけなかったということを。 実はアリアは最強冒険者の称号『至極の三剣』の三人を育てた天才であったのだ。 アリアが抜けた白金の刃ではアリアがいるからと関係を保っていたお偉いさんたちからの信頼を失い、一気に衰退していく。 そんなこと気にしないアリアはお偉いさんたちからの助力を得て、どんどんギルドを再建していくのだった。 これは英雄の血を引く英傑な教育者が異次元な教育法で最弱ギルドを最強ギルドへと再建する、そんな物語。

婚約破棄って…私まだ12歳なんですけど…

京月
恋愛
 スラリと伸びた手足に風でたなびくサラサラな髪の毛。誰もが二度見をしてしまうほどの美貌を持つ彼女の名前はリンデ。誰にでも分け隔てなく笑顔を振りまく貴族の鏡のような子。そんな彼女には年上の婚約者がいた。ある日突然婚約者は真剣な顔で私を問い詰める。 「リンデ、お前浮気してるだろ!見損なった、お前とは婚約破棄だ」

愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。

梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。 ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。 え?イザックの婚約者って私でした。よね…? 二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。 ええ、バッキバキに。 もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。

婚約破棄ですか?あなたは誰に向かって口をきいているのですか!?

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
私、マリアンヌ・バークレーは王宮の誕生日パーティーでいきなり婚約破棄を言い渡された。は!?婚約破棄ですか?あなたは誰ですの?誰にモノを言っているのですか?頭大丈夫ですか?

クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです

こたろう文庫
ファンタジー
学校をズル休みしてオンラインゲームをプレイするクオンこと斉藤悠人は、登校していなかったのにも関わらずクラス転移させられた。 異世界に来たはずなのに、ステータス画面はさっきやっていたゲームそのもので…。

のほほん異世界暮らし

みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。 それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。

スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる

けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ  俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる  だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った

処理中です...