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二章
363話
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夜はお祖父様たちも戻ってきての賑やかな夕食になった。
お祖母様以外は紳士な会合に出るためにまた出かけるそうだけど。
紳士って似合わないねぇ。
なんか素敵なお酒と葉巻みたいなのを主催が自慢しつつ社会情勢を語るんだって。
葉巻かー。
お祖父様とザイルさんがとっておきのお酒を持っていきたいと上目遣いでおねだりしてきたので濃いめのガツンとしたバーボンみたいなお酒と一気飲み厳禁なスコッチを渡した。
全部機械に突っ込んでるだけなのに色々仕上がってきてるのありがたいな。
王都のコックさんたちが作ったスープは少しお上品お味だった。辺境では身体を使う人が多いので少し濃いめが良いって感じの違いかな。
ポムたちはタウンハウスのメイドさんたちにめっちゃ媚び売って手取り足取りでお世話されてる。超VIP待遇だよ。
さすがに爬虫類なアズライトは女性陣には微妙らしく食事に横にパバブを山盛りにしてあるだけなんだけどあまり気にしてない。
食事の後はお祖父様たちはお出かけ、お祖母様はエステするそう。
ジュリアスさまは紳士な会合は行かないの?って聞いたら「あれは年寄り会だ」って。一線を引いたオジサマたちの集まりだそう。
「せっかくだから夜店に行こう」
ジュリアスさまが夜デートに誘ってくれた。お忍び用の簡素なエプロンワンピースに着替えるとニーナがルークと待っていてくれた。ダブルデートだと!?
チェイスさんとアランとジェイクもいるけど。
ジュリアスさまは赤い髪を黒く変化させてルークは茶色に変えてた。魔道具だそう。
私にも貸してくれて黒髪になった。
目の色は変わってないけどなんか黒髪懐かしくて嬉しい。メグミはヘアカラーでアッシュ系にしてたけどね。
簡素な馬車で最寄りまで移動すると賑やかな場所に出た。
王都に住む庶民のちょっとお金に余裕のある層が集まる飲食街だそうで。
整然とした建物とテントの屋台みたいなのが並んでて行き交う人たちは少し身綺麗。ほろ酔いで楽しそう。
「お忍びの貴族もいたりするから変装するんだ」
ジュリアスさまは私に手を繋いでゆっくり歩いてくれる。
「あらあら優しいお父さんだねぇ、ほらこれお食べ」
通りがかった屋台の女将さんが丸いカステラみたいなお菓子をくれた。
お父さんは言い過ぎだよ・・・。若く見えるよね?
苦笑するジュリアスさまの横でルークが大袋で一つって買ってくれた。
「おや、ありがとうねぇ」
チェイスさんたちがニヤニヤしててムカつくぞ。
これは屋台でお酒買えなさそうか。
お肉とかそれぞれ買い食いしてる中、良く売れてる肉串屋を見つけた。
アナネズミとウサギ系の肉串らしい。
グレーデン家では小さい生き物のお肉はあまり出てこないので食べてみることに。
「小さいのは子供達の狩りの練習に良いからな」
大人は基本狩らないし、子供達がオヤツに食べるんだそう。
ウサギもアナネズミも魔素が少ない場所のものらしくなんとも味気なく感じた。魔素に味があるわけじゃないけど、やっぱり魔素が濃い方が良い気がするな。
「たまには良いかな」
「腹にはたまらんけどな」
アランとチェイスさんの感想。
「ダイエットしてる人には良いかも」
なんかササミとか食べてる気分なんだね。
味付けは岩塩にほんのりハーブ。臭み消しかな?
「お、エール飲むか?」
チェイスさんが飲みたいだけだろうけど、立ち飲み屋で堅いジャーキーとエールを飲むことに。一杯くらいは護衛に支障がないから良いんだって。ゆるいなー。
エールは正直ぬるくて苦いので美味しいとは言えないけど居酒屋の雰囲気は懐かしくて嬉しい。
ルークにちょっとだけ冷やして欲しいとお願いするとジュリアスさまもチェイスさんも真似した。
立場的に言い難いアランとジェイクにも無言で魔法を使ってあげてニーナにももちろん使った。
なんか以前より醸し出す空気が甘くなってるなー。打算的と言いつつ愛を育んでるな。
「うん、キリッとなって良いな」
チェイスさんは冷えたエールでご機嫌になった。
エールは半分以上ジュリアスさまにあげたけど、久しぶりに飲み屋さんで十分楽しんだ。
留守番させたアズライトたちに肉串とパンをお土産に買って。
お花を売ってる子供がいたので買ってもらってタウンハウスに戻った。
お風呂に入って化粧水をたっぷり塗りこんでからジュリアスさまとお部屋でまったり。
ポムたちはメイドさんたちにいっぱいかまってもらって満足なのかすでに卵を抱えて寝てる。
「サーキス夫人とフラウ夫人と姉上方が見えたそうだな」
「はい」
「あの人たちには俺の学生時代から世話になっていてウチの者たちも顔を知っているから無碍にはできない。今後もまぁあんな感じだろうが悪い方達ではないから仲良くしてくれると有難い」
ルルゥとルークは苦手そうにしてるけど、ジュリアスさまはそうでもない?
「パワフルな方達でしたけど嫌な感じではなかったです」
レインとかアニエスとか押しかけ令嬢みたいな毒々しさはないし、綺麗なお姉さんは好きです。
「うちの母上で慣れてるだろう?」
お義母さまは確かに推しが強いけど、フラウ夫人とサーキス夫人たちはまたちょっと違うかな。
「姉上方もアンゼリカの俺やセリウスたち、レオルカに対する行動みたいなものだと思えばただの可愛がりだろう?」
ジュリアスさまは耐性が強すぎるんだ。後ジュリアスさまはかなり寛容だよね。
「私ははっきり言ってくれる人の方が楽なのでわりと好きですよ」
「そうか」
表裏ある人めんどくさいしね。
ジュリアスさまにいっぱい甘えて筋肉を揉ませてもらって。いやマッサージよ?
ジュリアスさまの背中にバフンと埋まって寝てしまった。
お祖母様以外は紳士な会合に出るためにまた出かけるそうだけど。
紳士って似合わないねぇ。
なんか素敵なお酒と葉巻みたいなのを主催が自慢しつつ社会情勢を語るんだって。
葉巻かー。
お祖父様とザイルさんがとっておきのお酒を持っていきたいと上目遣いでおねだりしてきたので濃いめのガツンとしたバーボンみたいなお酒と一気飲み厳禁なスコッチを渡した。
全部機械に突っ込んでるだけなのに色々仕上がってきてるのありがたいな。
王都のコックさんたちが作ったスープは少しお上品お味だった。辺境では身体を使う人が多いので少し濃いめが良いって感じの違いかな。
ポムたちはタウンハウスのメイドさんたちにめっちゃ媚び売って手取り足取りでお世話されてる。超VIP待遇だよ。
さすがに爬虫類なアズライトは女性陣には微妙らしく食事に横にパバブを山盛りにしてあるだけなんだけどあまり気にしてない。
食事の後はお祖父様たちはお出かけ、お祖母様はエステするそう。
ジュリアスさまは紳士な会合は行かないの?って聞いたら「あれは年寄り会だ」って。一線を引いたオジサマたちの集まりだそう。
「せっかくだから夜店に行こう」
ジュリアスさまが夜デートに誘ってくれた。お忍び用の簡素なエプロンワンピースに着替えるとニーナがルークと待っていてくれた。ダブルデートだと!?
チェイスさんとアランとジェイクもいるけど。
ジュリアスさまは赤い髪を黒く変化させてルークは茶色に変えてた。魔道具だそう。
私にも貸してくれて黒髪になった。
目の色は変わってないけどなんか黒髪懐かしくて嬉しい。メグミはヘアカラーでアッシュ系にしてたけどね。
簡素な馬車で最寄りまで移動すると賑やかな場所に出た。
王都に住む庶民のちょっとお金に余裕のある層が集まる飲食街だそうで。
整然とした建物とテントの屋台みたいなのが並んでて行き交う人たちは少し身綺麗。ほろ酔いで楽しそう。
「お忍びの貴族もいたりするから変装するんだ」
ジュリアスさまは私に手を繋いでゆっくり歩いてくれる。
「あらあら優しいお父さんだねぇ、ほらこれお食べ」
通りがかった屋台の女将さんが丸いカステラみたいなお菓子をくれた。
お父さんは言い過ぎだよ・・・。若く見えるよね?
苦笑するジュリアスさまの横でルークが大袋で一つって買ってくれた。
「おや、ありがとうねぇ」
チェイスさんたちがニヤニヤしててムカつくぞ。
これは屋台でお酒買えなさそうか。
お肉とかそれぞれ買い食いしてる中、良く売れてる肉串屋を見つけた。
アナネズミとウサギ系の肉串らしい。
グレーデン家では小さい生き物のお肉はあまり出てこないので食べてみることに。
「小さいのは子供達の狩りの練習に良いからな」
大人は基本狩らないし、子供達がオヤツに食べるんだそう。
ウサギもアナネズミも魔素が少ない場所のものらしくなんとも味気なく感じた。魔素に味があるわけじゃないけど、やっぱり魔素が濃い方が良い気がするな。
「たまには良いかな」
「腹にはたまらんけどな」
アランとチェイスさんの感想。
「ダイエットしてる人には良いかも」
なんかササミとか食べてる気分なんだね。
味付けは岩塩にほんのりハーブ。臭み消しかな?
「お、エール飲むか?」
チェイスさんが飲みたいだけだろうけど、立ち飲み屋で堅いジャーキーとエールを飲むことに。一杯くらいは護衛に支障がないから良いんだって。ゆるいなー。
エールは正直ぬるくて苦いので美味しいとは言えないけど居酒屋の雰囲気は懐かしくて嬉しい。
ルークにちょっとだけ冷やして欲しいとお願いするとジュリアスさまもチェイスさんも真似した。
立場的に言い難いアランとジェイクにも無言で魔法を使ってあげてニーナにももちろん使った。
なんか以前より醸し出す空気が甘くなってるなー。打算的と言いつつ愛を育んでるな。
「うん、キリッとなって良いな」
チェイスさんは冷えたエールでご機嫌になった。
エールは半分以上ジュリアスさまにあげたけど、久しぶりに飲み屋さんで十分楽しんだ。
留守番させたアズライトたちに肉串とパンをお土産に買って。
お花を売ってる子供がいたので買ってもらってタウンハウスに戻った。
お風呂に入って化粧水をたっぷり塗りこんでからジュリアスさまとお部屋でまったり。
ポムたちはメイドさんたちにいっぱいかまってもらって満足なのかすでに卵を抱えて寝てる。
「サーキス夫人とフラウ夫人と姉上方が見えたそうだな」
「はい」
「あの人たちには俺の学生時代から世話になっていてウチの者たちも顔を知っているから無碍にはできない。今後もまぁあんな感じだろうが悪い方達ではないから仲良くしてくれると有難い」
ルルゥとルークは苦手そうにしてるけど、ジュリアスさまはそうでもない?
「パワフルな方達でしたけど嫌な感じではなかったです」
レインとかアニエスとか押しかけ令嬢みたいな毒々しさはないし、綺麗なお姉さんは好きです。
「うちの母上で慣れてるだろう?」
お義母さまは確かに推しが強いけど、フラウ夫人とサーキス夫人たちはまたちょっと違うかな。
「姉上方もアンゼリカの俺やセリウスたち、レオルカに対する行動みたいなものだと思えばただの可愛がりだろう?」
ジュリアスさまは耐性が強すぎるんだ。後ジュリアスさまはかなり寛容だよね。
「私ははっきり言ってくれる人の方が楽なのでわりと好きですよ」
「そうか」
表裏ある人めんどくさいしね。
ジュリアスさまにいっぱい甘えて筋肉を揉ませてもらって。いやマッサージよ?
ジュリアスさまの背中にバフンと埋まって寝てしまった。
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