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二章
361話
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そんなわけで王都に向かう朝。
見事にみんなピカピカ艶々してる。
リックさまもお肌がツルンと髪までピカピカになっててもはや十代に見えるよ。十分若く見えてたけど過労気味だったのかな。
「いやー、自分で自分の肌を触って楽しいのは初めてです」
なぜかお祖母様とかお互いの肌を褒めあってるよ。
ルルゥもルークも五割り増しぐらいイケメン度がアップしてる。隣立ちたくないな。
でもポムとティム、ディディエが二人のそばでポージングして張り合ってる。種族が違うから勝ち負けないよね。毛皮持ってるだけで最高な生き物だよ。
今回はホーンで活躍した騎士は全員参加とかしたいわけだけど警備の問題でみんな離れるのは無理なわけで代表が行く。
グレーデン家もみんなお呼ばれなのだけど責任者不在な訳にも行かないのでお義父さまとお義母さまが残る。
セリウスさまとクラウスさまは祝賀会の直前に移動してその後すぐ戻る感じだそう。
お義父さまとお義母さまに行ってきますのハグをして転移陣のある塔に。
セリウスさまとクラウスさまも手を振ってお見送りしてくれる。
「また明日ねー」
すでに騎士さんたちが待機してて荷物と馬車も順次送られてる。
「では留守を頼むぞ」
相変わらず一瞬で移動が完了。
「「「「お帰りなさいませ」」」」
タウンハウスの執事長セバスティアンに出迎えられて大勢の侍従侍女に挨拶を受ける。
私はジュリアスさまに抱き上げられてタウンハウスのみんなに生暖かく見守られる。くぅ。グレーデンと違ってちょっと照れ臭いよ。タウンハウス組も慣れて普通にして欲しい。
リックさまは王宮に帰って、お祖父様たちは友人に会いに行くと出かけた。
お部屋に案内されるとニーナがお世話をしてくれるので「今回はニーナもお世話を受ける側にならないと」って。
無茶苦茶眉を寄せて断腸の思いをあらわにしてるけどタウンハウスの敏腕メイドたちが「おまかせを」っと連れていちゃった。
「ニーナはリーシャが大好きだな」
うふふ。私もニーナが好き。でも今回はルークのお相手として綺麗に着飾った姿を見たいの。
今日はジュリアスさまが王都でのお仕事をするので私も私宛に届いてるお手紙の返事を書くことに。
ほとんどはお義母さまやハロルドとかセバスチャンが処理してくれてるけどね。
テーブルでウダウダ文面を考えてたら扉の向こうで何か騒がしい。
誰か帰ってきたのかな。
「リーシャさま、お客様なのですが・・・」
なぜかルークがめっちゃ怖い顔でお伺いに来た。
「?」
「リーシャ嬢、会いにきたぞ」
ルークを押し除けて入ってきたのは王様だった。いや王様って今忙しいよね!?
「ルーデウスの菓子を食いながら気安い会話がしたいのだ」
王様、仕事にうんざりしておやつをおねだりに来たよ。
「王妃さまも同じなんじゃ・・・?」
自分だけ息抜きとか怒られちゃうよ。
「王妃は化粧水を自慢して楽しく茶会を催したりして元気だから良いのだ」
王妃さまってばいつも嫌味を言うような夫人を呼んでお肌を見せびらかしてるんだそう。
「私にも一滴も分けてくれないほど気に入っておる。妻の機嫌がいいのは平和でありがたいことだ」
王様はちょっとクマさん飼ってるね。
ルークが戻ってきてお茶の準備が整ったとテラスに案内してくれた。
「ルークも同席してて」
王様とサシでお茶とか無理すぎる。
「良いぞ。ルークも一緒に座るといい」
ルークが微妙な顔で私を見てきたけど知らない。
ルルゥがパンケーキを運んできた。さすがに焼き菓子とか時間が足りないよね。
「おお、ルーデウス座れ」
「あらぁ追加はいいのかしらぁ?」
「一時間しかおれぬのよ」
さすがに王様にルルゥと呼べは言わないね。
鼻のいいポムたちがすでにおやつを待ってるのでアイテムボックスからクッキーを出して皿に盛る。喜びの舞をしてくれた。
「お前たちなんか煌めきが増しておるな。モテる要素を足してくるとは明日はまた騒がしくなるな」
ルルゥとルークを見て王様が首を傾げる。さっき化粧品の話しをしてたのに二人が化粧水を使ってると思いつかないのかしら。
「まぁ!モテたいわけじゃないわぁ。ただ化粧水を欲しがる人への牽制よぅ」
「ん?化粧水を使っておるのか?そんなに効果があるなら牽制しても欲しがる者は黙らぬだろう?」
王様はルルゥの頬をツンツンした。ちょっと可愛い反応だ。
「リーシャさまに直接殺到出来ないよう視線を分散するのです」
「そうなのよぉ、私たちを見て突撃したい女性は減るんじゃないかしら?」
化粧水で綺麗になってもうルルゥたちに勝てない現実を突きつけるとか鬼じゃん!
「そうだわぁ!陛下も艶々になって視線を集めていただきましょうよぉ~♡」
ルルゥの悪ノリでルークも悪い顔で二人がかりで私に化粧水とポーションを出すように言って。
王様に化粧水を塗りたくって、百目ポーションと百目の肝ポーションを飲んでもらった。
肝ポーションはお疲れだからちょっと奮発なつもりで。
お義母さまの時のようにお肌がピーン、王様が若返りました。
「おいおいおい、こんなのを王妃が見たら私は恨まれそうだ・・・」
せっかくクマさんを退治して十歳以上若く見えて綺麗なイケオジ度がアップしたのに真っ青。王妃さまどんだけ怖いの。
「王妃さまにはお義母さまからフルセットで定期的にお送りしてますよ?」
「このポーションもか・・・?」
ん?ポーションはどうだったかな。肝ポーションは送ってないかな。多分、元気溌剌は必要ないし。
「陛下の美しさがアップして王妃さまもお喜びになって惚れ直すに違いないわぁ⭐︎」
「お、そうか?」
「ええ、王妃さまも陛下の昔の姿を思い出して当時の思いを再燃されるのでないでしょうか?」
ルークとルルゥが流れるような連携で王様を煽てて機嫌の良くなっ多分ところをサクッと王妃さまに見ていただきましょうって追い返しちゃった。
なんか適当にあしらわれてるのが気の毒で王妃さまにお土産をってクッキーと百目ポーションを渡したよ。
「お忍びで兵を撒く陛下を甘やかさなくていいんですよ」
ルークからやんわりお叱りを受けた。
「陛下があの状態だと明日は私たち目立たないかもよねぇ?」
全然残念そうじゃない口調でルルゥは紅茶を飲む。
王様、本当におやつ食べたかっただけだったのかな?
見事にみんなピカピカ艶々してる。
リックさまもお肌がツルンと髪までピカピカになっててもはや十代に見えるよ。十分若く見えてたけど過労気味だったのかな。
「いやー、自分で自分の肌を触って楽しいのは初めてです」
なぜかお祖母様とかお互いの肌を褒めあってるよ。
ルルゥもルークも五割り増しぐらいイケメン度がアップしてる。隣立ちたくないな。
でもポムとティム、ディディエが二人のそばでポージングして張り合ってる。種族が違うから勝ち負けないよね。毛皮持ってるだけで最高な生き物だよ。
今回はホーンで活躍した騎士は全員参加とかしたいわけだけど警備の問題でみんな離れるのは無理なわけで代表が行く。
グレーデン家もみんなお呼ばれなのだけど責任者不在な訳にも行かないのでお義父さまとお義母さまが残る。
セリウスさまとクラウスさまは祝賀会の直前に移動してその後すぐ戻る感じだそう。
お義父さまとお義母さまに行ってきますのハグをして転移陣のある塔に。
セリウスさまとクラウスさまも手を振ってお見送りしてくれる。
「また明日ねー」
すでに騎士さんたちが待機してて荷物と馬車も順次送られてる。
「では留守を頼むぞ」
相変わらず一瞬で移動が完了。
「「「「お帰りなさいませ」」」」
タウンハウスの執事長セバスティアンに出迎えられて大勢の侍従侍女に挨拶を受ける。
私はジュリアスさまに抱き上げられてタウンハウスのみんなに生暖かく見守られる。くぅ。グレーデンと違ってちょっと照れ臭いよ。タウンハウス組も慣れて普通にして欲しい。
リックさまは王宮に帰って、お祖父様たちは友人に会いに行くと出かけた。
お部屋に案内されるとニーナがお世話をしてくれるので「今回はニーナもお世話を受ける側にならないと」って。
無茶苦茶眉を寄せて断腸の思いをあらわにしてるけどタウンハウスの敏腕メイドたちが「おまかせを」っと連れていちゃった。
「ニーナはリーシャが大好きだな」
うふふ。私もニーナが好き。でも今回はルークのお相手として綺麗に着飾った姿を見たいの。
今日はジュリアスさまが王都でのお仕事をするので私も私宛に届いてるお手紙の返事を書くことに。
ほとんどはお義母さまやハロルドとかセバスチャンが処理してくれてるけどね。
テーブルでウダウダ文面を考えてたら扉の向こうで何か騒がしい。
誰か帰ってきたのかな。
「リーシャさま、お客様なのですが・・・」
なぜかルークがめっちゃ怖い顔でお伺いに来た。
「?」
「リーシャ嬢、会いにきたぞ」
ルークを押し除けて入ってきたのは王様だった。いや王様って今忙しいよね!?
「ルーデウスの菓子を食いながら気安い会話がしたいのだ」
王様、仕事にうんざりしておやつをおねだりに来たよ。
「王妃さまも同じなんじゃ・・・?」
自分だけ息抜きとか怒られちゃうよ。
「王妃は化粧水を自慢して楽しく茶会を催したりして元気だから良いのだ」
王妃さまってばいつも嫌味を言うような夫人を呼んでお肌を見せびらかしてるんだそう。
「私にも一滴も分けてくれないほど気に入っておる。妻の機嫌がいいのは平和でありがたいことだ」
王様はちょっとクマさん飼ってるね。
ルークが戻ってきてお茶の準備が整ったとテラスに案内してくれた。
「ルークも同席してて」
王様とサシでお茶とか無理すぎる。
「良いぞ。ルークも一緒に座るといい」
ルークが微妙な顔で私を見てきたけど知らない。
ルルゥがパンケーキを運んできた。さすがに焼き菓子とか時間が足りないよね。
「おお、ルーデウス座れ」
「あらぁ追加はいいのかしらぁ?」
「一時間しかおれぬのよ」
さすがに王様にルルゥと呼べは言わないね。
鼻のいいポムたちがすでにおやつを待ってるのでアイテムボックスからクッキーを出して皿に盛る。喜びの舞をしてくれた。
「お前たちなんか煌めきが増しておるな。モテる要素を足してくるとは明日はまた騒がしくなるな」
ルルゥとルークを見て王様が首を傾げる。さっき化粧品の話しをしてたのに二人が化粧水を使ってると思いつかないのかしら。
「まぁ!モテたいわけじゃないわぁ。ただ化粧水を欲しがる人への牽制よぅ」
「ん?化粧水を使っておるのか?そんなに効果があるなら牽制しても欲しがる者は黙らぬだろう?」
王様はルルゥの頬をツンツンした。ちょっと可愛い反応だ。
「リーシャさまに直接殺到出来ないよう視線を分散するのです」
「そうなのよぉ、私たちを見て突撃したい女性は減るんじゃないかしら?」
化粧水で綺麗になってもうルルゥたちに勝てない現実を突きつけるとか鬼じゃん!
「そうだわぁ!陛下も艶々になって視線を集めていただきましょうよぉ~♡」
ルルゥの悪ノリでルークも悪い顔で二人がかりで私に化粧水とポーションを出すように言って。
王様に化粧水を塗りたくって、百目ポーションと百目の肝ポーションを飲んでもらった。
肝ポーションはお疲れだからちょっと奮発なつもりで。
お義母さまの時のようにお肌がピーン、王様が若返りました。
「おいおいおい、こんなのを王妃が見たら私は恨まれそうだ・・・」
せっかくクマさんを退治して十歳以上若く見えて綺麗なイケオジ度がアップしたのに真っ青。王妃さまどんだけ怖いの。
「王妃さまにはお義母さまからフルセットで定期的にお送りしてますよ?」
「このポーションもか・・・?」
ん?ポーションはどうだったかな。肝ポーションは送ってないかな。多分、元気溌剌は必要ないし。
「陛下の美しさがアップして王妃さまもお喜びになって惚れ直すに違いないわぁ⭐︎」
「お、そうか?」
「ええ、王妃さまも陛下の昔の姿を思い出して当時の思いを再燃されるのでないでしょうか?」
ルークとルルゥが流れるような連携で王様を煽てて機嫌の良くなっ多分ところをサクッと王妃さまに見ていただきましょうって追い返しちゃった。
なんか適当にあしらわれてるのが気の毒で王妃さまにお土産をってクッキーと百目ポーションを渡したよ。
「お忍びで兵を撒く陛下を甘やかさなくていいんですよ」
ルークからやんわりお叱りを受けた。
「陛下があの状態だと明日は私たち目立たないかもよねぇ?」
全然残念そうじゃない口調でルルゥは紅茶を飲む。
王様、本当におやつ食べたかっただけだったのかな?
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