261 / 608
二章
252話
しおりを挟む
騎士団の訓練場の横を通って本部の建物に入っていく。
すれ違う騎士さんたちも私を見つける前にセリウスさまとアンゼリカさまを見てビシッと敬礼するから、おお~ってなるよ。
だってそそくさっと離れちゃうの。
セリウスさまだけの時は怖がられる感じじゃないからアンゼリカさまが怖いのかな?
「アイツら鍛え方が甘かったか」
「アンゼリカのことは良いけどリーシャちゃんに気付かないのはダメだなぁー」
セリウスさまに抱っこされてて気が付かない訳ないからただ単に逃げたいだけだと思うー。
とりあえず清潔さが保たれてるけど訓練後の騎士さんとかもいる訳で仄かにムワッとしてる。マッチョたちの筋肉が増量する証だと思うとちょっと萌える。目指せ、お義父さまボディ!
執務室にノックして入ると書類に山に囲まれたジュリアスさまが「来たか」ってセリウスさまから私を受け取っていっしょにソファーに座った。
応接テーブルみたいなのにみんなで囲んで座るとサーキスさまがお茶を出してくれた。
「じゃぁお弁当~出します~」
私は朝いきなり予定を聞いたけど厨房には話が通っていたようで、ニックスたちがお弁当を持たせてくれてたの。
「今日は寿司か」
アンゼリカさまがたくさんギョンバイを釣ったのでお魚中心。お稲荷さんもある。
「酸っぱい食事はびっくりだよねー」
単調な味しか知らなかった人たちにしたら食事が酸っぱいは腐ってるって感じだもんね。
鮒寿司とか豆腐ようとかシュールストレミングとか出てきたら毒とか言いそう。
「リーシャさま、工房はどうでしたか?」
サーキスさまがアルカイックスマイルみたいな表情で聞いてきたよ。
「あー、まぁ指定通りの物を作ってもらう分には問題ないと思います。真面目そうだったし」
「指定した分?ですか?」
「技量的には結界などの上位魔道具を作れる人は三名くらいしかいないと思います」
やはり年の功かそれなりの歳の人だったな。
「上位が作れるのは王立魔術師団にいるようなレベルの者でしょうから三名もいたならむしろ上々です」
そういえばそうか。教授たちみたいに隠居後の道楽かな?
「若い者はどうでした?」
「あーアレはなんで受け入れたんだ!リーシャに不満を持ってたみたいだぞ」
アンゼリカさまが何十個めかのお稲荷さんを食べながら怒ってる。
「おや、一人だけでしたか?」
「態度に出したのはねー」
「それなら他は腹芸が出来てると言う事で使えそうですね」
サーキスさまとセリウスさまが黒いなぁ。
「それなりの成績で学園を卒業したものの大した職に就けず不貞腐れていたので、魔法学科で学んでいないのに陛下の覚えめでたく辺境の地で工房を持てるほど発明が出来ているリーシャさまに八つ当たりと言ったところですね」
えー、腕があっても職に就けないのにびっくりだ。引く手数多の魔導師だよ?
「喧嘩売ってきたのは伯爵家の次男だったかなー、アイツ確か最初に入った王国騎士団の魔導師が最初に任される魔道具修理の仕事に苛立ってやめたんだよー」
ここでもずっと似た作業させるなら辞めちゃうんじゃ?
「彼は親御さんの懇願で受け入れたんです」
おー、グレーデンにもコネ効いたー!
「程度が低いのは断ればいいだろう」
「性根が腐ってる者でもこの辺境で二年も暮らせば矯正できますよ」
ほえー。他にも数名いるっぽいけど、サーキスさま的にはどうとでもなる感じかな。
私に鼻っ柱を折れとか言ってたけど、サーキスさまが自分で粉々に出来そうよね。
「なら、アイツらが多少落ち着くまでリーシャは工房に近づけない方がいい」
アンゼリカさまも過保護タイプだった!
「うーん?」
「どうした?」
ジュリアスさまが私に餌付けしながら聞いてくれる。
「工房の人たちは年齢的に希望されるかわからないですけど、魔導師になりたい、もしくはさらに勉強したい人にはネイマーシュへの留学を補助したらどうかと思って」
あのレベルでいるよりもう少し腕を磨いてもらった方がいい気がする。
「補助?」
「学園にも特待生や下位貴族への助成があるでしょう?年に数名の成績優秀者や見込みのある人に助成金を与えて留学させて帰還後に二年グレーデンで働いともらうとか条件をつけるんです」
流石に無償でって言うのは無理だけど。
「私の魔道具の売り上げ金が貯まってるのでそこから基金として使って貰えばと以前から思ってたのです」
グレーデン領に学校作るのにもね。本当に恐ろしい額が入ってくるから経済回していかないと。
「リーシャが予算を作らなくてもいいだろう?」
アンゼリカさまが不思議そう。
「そうなんですけど、家にお金を入れなくていいと言われて使い道がないので未来に投資したいんです」
「投資?」
「上位魔導師が増えれば、色々な面で国力が上がりますし、魔道具作りももっと向上します」
リーシャみたいに学びたいのに学べないって言うのが無いようにしたいじゃん。
「ふむ、それは陛下にも相談した方がいいですね。魔導師不足は国の問題でもある」
えー、それは事が大きくなるから面倒~。
「リックさまと教授に意見を求めてみましょう」
うーん、まぁ国民を外国に出すなら保護とかもあるし仕方ないか~。
まぁ早急に決めることはできないのでとりあえずお開きに。
ジュリアスさまたちは午後からお仕事なので、帰りは騎士団からアランに同乗させて貰って戻った。
途中に原っぱでニラを見つけたのでニラレバにしちゃおうかな。
屋敷に戻って、ビヤの実をいじろうかなって思ったらポムたちが置いていかれたって怒ってきたよ。
君ら工房や騎士団に行ったって楽しくないでしょう。
すれ違う騎士さんたちも私を見つける前にセリウスさまとアンゼリカさまを見てビシッと敬礼するから、おお~ってなるよ。
だってそそくさっと離れちゃうの。
セリウスさまだけの時は怖がられる感じじゃないからアンゼリカさまが怖いのかな?
「アイツら鍛え方が甘かったか」
「アンゼリカのことは良いけどリーシャちゃんに気付かないのはダメだなぁー」
セリウスさまに抱っこされてて気が付かない訳ないからただ単に逃げたいだけだと思うー。
とりあえず清潔さが保たれてるけど訓練後の騎士さんとかもいる訳で仄かにムワッとしてる。マッチョたちの筋肉が増量する証だと思うとちょっと萌える。目指せ、お義父さまボディ!
執務室にノックして入ると書類に山に囲まれたジュリアスさまが「来たか」ってセリウスさまから私を受け取っていっしょにソファーに座った。
応接テーブルみたいなのにみんなで囲んで座るとサーキスさまがお茶を出してくれた。
「じゃぁお弁当~出します~」
私は朝いきなり予定を聞いたけど厨房には話が通っていたようで、ニックスたちがお弁当を持たせてくれてたの。
「今日は寿司か」
アンゼリカさまがたくさんギョンバイを釣ったのでお魚中心。お稲荷さんもある。
「酸っぱい食事はびっくりだよねー」
単調な味しか知らなかった人たちにしたら食事が酸っぱいは腐ってるって感じだもんね。
鮒寿司とか豆腐ようとかシュールストレミングとか出てきたら毒とか言いそう。
「リーシャさま、工房はどうでしたか?」
サーキスさまがアルカイックスマイルみたいな表情で聞いてきたよ。
「あー、まぁ指定通りの物を作ってもらう分には問題ないと思います。真面目そうだったし」
「指定した分?ですか?」
「技量的には結界などの上位魔道具を作れる人は三名くらいしかいないと思います」
やはり年の功かそれなりの歳の人だったな。
「上位が作れるのは王立魔術師団にいるようなレベルの者でしょうから三名もいたならむしろ上々です」
そういえばそうか。教授たちみたいに隠居後の道楽かな?
「若い者はどうでした?」
「あーアレはなんで受け入れたんだ!リーシャに不満を持ってたみたいだぞ」
アンゼリカさまが何十個めかのお稲荷さんを食べながら怒ってる。
「おや、一人だけでしたか?」
「態度に出したのはねー」
「それなら他は腹芸が出来てると言う事で使えそうですね」
サーキスさまとセリウスさまが黒いなぁ。
「それなりの成績で学園を卒業したものの大した職に就けず不貞腐れていたので、魔法学科で学んでいないのに陛下の覚えめでたく辺境の地で工房を持てるほど発明が出来ているリーシャさまに八つ当たりと言ったところですね」
えー、腕があっても職に就けないのにびっくりだ。引く手数多の魔導師だよ?
「喧嘩売ってきたのは伯爵家の次男だったかなー、アイツ確か最初に入った王国騎士団の魔導師が最初に任される魔道具修理の仕事に苛立ってやめたんだよー」
ここでもずっと似た作業させるなら辞めちゃうんじゃ?
「彼は親御さんの懇願で受け入れたんです」
おー、グレーデンにもコネ効いたー!
「程度が低いのは断ればいいだろう」
「性根が腐ってる者でもこの辺境で二年も暮らせば矯正できますよ」
ほえー。他にも数名いるっぽいけど、サーキスさま的にはどうとでもなる感じかな。
私に鼻っ柱を折れとか言ってたけど、サーキスさまが自分で粉々に出来そうよね。
「なら、アイツらが多少落ち着くまでリーシャは工房に近づけない方がいい」
アンゼリカさまも過保護タイプだった!
「うーん?」
「どうした?」
ジュリアスさまが私に餌付けしながら聞いてくれる。
「工房の人たちは年齢的に希望されるかわからないですけど、魔導師になりたい、もしくはさらに勉強したい人にはネイマーシュへの留学を補助したらどうかと思って」
あのレベルでいるよりもう少し腕を磨いてもらった方がいい気がする。
「補助?」
「学園にも特待生や下位貴族への助成があるでしょう?年に数名の成績優秀者や見込みのある人に助成金を与えて留学させて帰還後に二年グレーデンで働いともらうとか条件をつけるんです」
流石に無償でって言うのは無理だけど。
「私の魔道具の売り上げ金が貯まってるのでそこから基金として使って貰えばと以前から思ってたのです」
グレーデン領に学校作るのにもね。本当に恐ろしい額が入ってくるから経済回していかないと。
「リーシャが予算を作らなくてもいいだろう?」
アンゼリカさまが不思議そう。
「そうなんですけど、家にお金を入れなくていいと言われて使い道がないので未来に投資したいんです」
「投資?」
「上位魔導師が増えれば、色々な面で国力が上がりますし、魔道具作りももっと向上します」
リーシャみたいに学びたいのに学べないって言うのが無いようにしたいじゃん。
「ふむ、それは陛下にも相談した方がいいですね。魔導師不足は国の問題でもある」
えー、それは事が大きくなるから面倒~。
「リックさまと教授に意見を求めてみましょう」
うーん、まぁ国民を外国に出すなら保護とかもあるし仕方ないか~。
まぁ早急に決めることはできないのでとりあえずお開きに。
ジュリアスさまたちは午後からお仕事なので、帰りは騎士団からアランに同乗させて貰って戻った。
途中に原っぱでニラを見つけたのでニラレバにしちゃおうかな。
屋敷に戻って、ビヤの実をいじろうかなって思ったらポムたちが置いていかれたって怒ってきたよ。
君ら工房や騎士団に行ったって楽しくないでしょう。
269
お気に入りに追加
1,510
あなたにおすすめの小説
噂好きのローレッタ
水谷繭
恋愛
公爵令嬢リディアの婚約者は、レフィオル王国の第一王子アデルバート殿下だ。しかし、彼はリディアに冷たく、最近は小動物のように愛らしい男爵令嬢フィオナのほうばかり気にかけている。
ついには殿下とフィオナがつき合っているのではないかという噂まで耳にしたリディアは、婚約解消を申し出ることに。しかし、アデルバートは全く納得していないようで……。
※二部以降雰囲気が変わるので、ご注意ください。少し後味悪いかもしれません(主人公はハピエンです)
※小説家になろうにも掲載しています
◆表紙画像はGirly Dropさんからお借りしました
(旧題:婚約者は愛らしい男爵令嬢さんのほうがお好きなようなので、婚約解消を申し出てみました)
新人魔女は、のんびり森で暮らしたい!
田古みゆう
ファンタジー
見習い学校を卒業して、正式に魔女になったばかりの新人魔女リッカは、就活解禁日となったその日、いくつかの求人票が貼り付けられた掲示板を睨みつけていた。
「おっ? どうした嬢ちゃん? 職探しか?」
就労斡旋所の所長ジャックスは、そんなリッカの姿を見かけ、声をかける。
新人魔女リッカの希望就職先は、森の中の工房。そこでのんびりと見習い仕事をしながら、実習に明け暮れる日々を送ることがリッカの希望だった。
しかし、そんなに都合の良い就職先を見つけることは出来るのか?
新人魔女のほのぼの(?)スローライフが始まります。
※表紙画像及び挿絵は、フリー素材を加工使用しています。
よくある婚約破棄なので
おのまとぺ
恋愛
ディアモンテ公爵家の令嬢ララが婚約を破棄された。
その噂は風に乗ってすぐにルーベ王国中に広がった。なんといっても相手は美男子と名高いフィルガルド王子。若い二人の結婚の日を国民は今か今かと夢見ていたのだ。
言葉数の少ない公爵令嬢が友人からの慰めに対して放った一言は、社交界に小さな波紋を呼ぶ。「災難だったわね」と声を掛けたアネット嬢にララが返した言葉は短かった。
「よくある婚約破棄なので」
・すれ違う二人をめぐる短い話
・前編は各自の証言になります
・後編は◆→ララ、◇→フィルガルド
・全25話完結
前世で処刑された聖女、今は黒薬師と呼ばれています
矢野りと
恋愛
旧題:前世で処刑された聖女はひっそりと生きていくと決めました〜今世では黒き薬師と呼ばれています〜
――『偽聖女を処刑しろっ!』
民衆がそう叫ぶなか、私の目の前で大切な人達の命が奪われていく。必死で神に祈ったけれど奇跡は起きなかった。……聖女ではない私は無力だった。
何がいけなかったのだろうか。ただ困っている人達を救いたい一心だっただけなのに……。
人々の歓声に包まれながら私は処刑された。
そして、私は前世の記憶を持ったまま、親の顔も知らない孤児として生まれ変わった。周囲から見れば恵まれているとは言い難いその境遇に私はほっとした。大切なものを持つことがなによりも怖かったから。
――持たなければ、失うこともない。
だから森の奥深くでひっそりと暮らしていたのに、ある日二人の騎士が訪ねてきて……。
『黒き薬師と呼ばれている薬師はあなたでしょうか?』
基本はほのぼのですが、シリアスと切なさありのお話です。
※この作品の設定は架空のものです。
※一話目だけ残酷な描写がありますので苦手な方はご自衛くださいませ。
※感想欄のネタバレ配慮はありません(._.)
【R18】お嫁さんスライム娘が、ショタお婿さんといちゃらぶ子作りする話
みやび
恋愛
タイトル通りのエロ小説です。
前話
【R18】通りかかったショタ冒険者に襲い掛かったスライム娘が、敗北して繁殖させられる話
https://www.alphapolis.co.jp/novel/902071521/384412801
ほかのエロ小説は「タイトル通りのエロ小説シリーズ」まで
兄がいるので悪役令嬢にはなりません〜苦労人外交官は鉄壁シスコンガードを突破したい〜
藤也いらいち
恋愛
無能王子の婚約者のラクシフォリア伯爵家令嬢、シャーロット。王子は典型的な無能ムーブの果てにシャーロットにあるはずのない罪を並べ立て婚約破棄を迫る。
__婚約破棄、大歓迎だ。
そこへ、視線で人手も殺せそうな眼をしながらも満面の笑顔のシャーロットの兄が王子を迎え撃った!
勝負は一瞬!王子は場外へ!
シスコン兄と無自覚ブラコン妹。
そして、シャーロットに思いを寄せつつ兄に邪魔をされ続ける外交官。妹が好きすぎる侯爵令嬢や商家の才女。
周りを巻き込み、巻き込まれ、果たして、彼らは恋愛と家族愛の違いを理解することができるのか!?
短編 兄がいるので悪役令嬢にはなりません を大幅加筆と修正して連載しています
カクヨム、小説家になろうにも掲載しています。
領主の妻になりました
青波鳩子
恋愛
「私が君を愛することは無い」
司祭しかいない小さな教会で、夫になったばかりのクライブにフォスティーヌはそう告げられた。
===============================================
オルティス王の側室を母に持つ第三王子クライブと、バーネット侯爵家フォスティーヌは婚約していた。
挙式を半年後に控えたある日、王宮にて事件が勃発した。
クライブの異母兄である王太子ジェイラスが、国王陛下とクライブの実母である側室を暗殺。
新たに王の座に就いたジェイラスは、異母弟である第二王子マーヴィンを公金横領の疑いで捕縛、第三王子クライブにオールブライト辺境領を治める沙汰を下した。
マーヴィンの婚約者だったブリジットは共犯の疑いがあったが確たる証拠が見つからない。
ブリジットが王都にいてはマーヴィンの子飼いと接触、画策の恐れから、ジェイラスはクライブにオールブライト領でブリジットの隔離監視を命じる。
捜査中に大怪我を負い、生涯歩けなくなったブリジットをクライブは密かに想っていた。
長兄からの「ブリジットの隔離監視」を都合よく解釈したクライブは、オールブライト辺境伯の館のうち豪華な別邸でブリジットを囲った。
新王である長兄の命令に逆らえずフォスティーヌと結婚したクライブは、本邸にフォスティーヌを置き、自分はブリジットと別邸で暮らした。
フォスティーヌに「別邸には近づくことを許可しない」と告げて。
フォスティーヌは「お飾りの領主の妻」としてオールブライトで生きていく。
ブリジットの大きな嘘をクライブが知り、そこからクライブとフォスティーヌの関係性が変わり始める。
========================================
*荒唐無稽の世界観の中、ふんわりと書いていますのでふんわりとお読みください
*約10万字で最終話を含めて全29話です
*他のサイトでも公開します
*10月16日より、1日2話ずつ、7時と19時にアップします
*誤字、脱字、衍字、誤用、素早く脳内変換してお読みいただけるとありがたいです
私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。
木山楽斗
恋愛
伯爵令嬢であるアルティリアは、婚約者からある日突然婚約破棄を告げられた。
彼はアルティリアが上から目線だと批判して、自らの妻として相応しくないと判断したのだ。
それに対して不満を述べたアルティリアだったが、婚約者の意思は固かった。こうして彼女は、理不尽に婚約を破棄されてしまったのである。
そのことに関して、アルティリアは実の父親から責められることになった。
公にはなっていないが、彼女は妾の子であり、家での扱いも悪かったのだ。
そのような環境で父親から責められたアルティリアの我慢は限界であった。伯爵家に必要ない。そう言われたアルティリアは父親に告げた。
「私は私で勝手に生きていきますから、どうぞご自由にお捨てになってください。私はそれで構いません」
こうしてアルティリアは、新たなる人生を送ることになった。
彼女は伯爵家のしがらみから解放されて、自由な人生を送ることになったのである。
同時に彼女を虐げていた者達は、その報いを受けることになった。彼らはアルティリアだけではなく様々な人から恨みを買っており、その立場というものは盤石なものではなかったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる