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二章

191話

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 朝、目が覚めたらジュリアスさまが私の髪を指で透きながら半覚醒な感じだった。
 私が目を覚ましたのに気がついておでこにチュウしてからが抱き起こしてくれる。

 なんか甘~い。

「おはよう」
「おはようございます」

 ちょっとテレテレしつつ二人で食堂に行くとなんか賑やかしい。

「あっは!」
「ちょっと~食べ物で遊ばないのよぉ~」
「可愛いじゃん~」

 みんなが見つめてる騒ぎの元はポムとティム、そしてディディエだった。

「プッキュッーン!!」
「キュキュモッキュ!!」

 昨日のワタアメでね、遊んでるんだね。

 なぜか頭にふわふわ乗せてダンシング!!

 (アフロ!!!???!)

 ピンクでポップな背景が見えちゃうよー。

「ピギャギャー!」

 フリフリしている二匹に戯れつつ、頭のふわふわを突くディディエ。

「プキュー!?」
 どうやら痛かったようで途端にへにゅっと倒れてたフリをするティム。

「モキュモキュ!!」
 それを見てティムの周りを回って揶揄ってるようなポム。
 それをまた新たな遊びと認識したディディエが追いかける。

「まぁまぁ可愛いこと♡」

 朝から楽しそうでなによりだけど、そろそろ頭がベタつくよ。

「ルルゥ、これはなんだ?」
 ジュリアスさまがポムの頭を指さして聞くと、
「ジュリアス、ちょっとこれやって見ると良いぞ」
 お義父さまがワタアメを両手に持って出てきた。

 朝ごはんの前にワタアメはどうなのか。

 お義父さま、クルクルするのが楽しかったみたいで良い笑顔でお義母さまに一つ渡してる。

 そっか。昨日はアスレチックに夢中になってたから。
 今も裏庭から「ふんぬ!」「せいっ!!」とか聞こえてるので交代で楽しんでるようだ。
 またえらいものを作ってしまったもんだ。

「プキュキュー!?」
「モキュモキューン!?」

 やっぱりふわふわがしんなりしっとりで頭がねちょっとしちゃったからか自分の頭を触って凹む二匹。

「ほら~食べ物で遊ぶからよ~☆」
 ルルゥが注意しつつも〈洗浄〉してあげた。優しいオカンだ。

 アフロにしたいなら綿か何かで作ってみようかな?ワタワタした草あるしね。

「ちょ!!腕に巻いたァー」
「下手くそだな~」
「兄上、早く巻きすぎだよ。巻き損なってるじゃん~」

 三兄弟が楽しそう。

「ほらとっとと席着いて下さ~い」

 いつまでも騒いでるからルルゥが着席を促す。
 スープ冷めちゃうよ。

 ジュリアスさまだけ戻ってきて私を膝抱っこして食事開始。

「リーシャちゃん、あの道具、面白くて美味しくて最高よぉ」
 お義母さまはカルメ焼きも喜びそう。重曹ってあるのかな?

 焼きたてパンをもぐもぐしてたらセリウスさまとクラウスさまも戻ってきた。
 ワタアメはメイドさんたちにあげたみたい。嬉しそうな声が聞こえる。

「リーシャちゃん、あの道具、子供喜びそうだね~」

 大きなお友達たちも大喜びたったね?

「シュガルを全部の場所にいっぱい回せないわ~、確保して分配出来るまでは出せないわよぉ」
 シュガルが足りなくてガッカリとか切ないもんね。

「ええ~、そっか。シュガルは一般には高いか~」
 
 お金が掛からなくて確保しやすいもので考えないとダメだった。
 何か無いかな。

「リーシャちゃん!あの庭の道具はあちこちに作っても良いのかの!?」
 
 あちこちでうるさくなっちゃうのかー。

「大丈夫です」

 筋肉が喜ぶことは良いことだ。ちょっとむさくなるけど。

「そうか!!みんな喜ぶのぅ!!」

 朝食が済んでお茶を飲む時にワタアメがまた出てきたので紅茶の上にフワッと置いたら溶けたのをお義母が大喜び。
 セリウスさまとクラウスさまも溶かしてはまた乗せてってくり返してるんだけど甘くなるだけです。

 ちなみにポムとティムは自分達も真似してワタアメが消えて愕然とカップの中を覗いてる。
 かなり悲壮な顔しちゃって。
 ニックスがソッと新たなワタアメを渡すとなぜかまた紅茶に乗せて再び「ガーーーン!!」って。おばかだな。


 朝ごはんのあとジュリアスさまたちを見送って、離れの作業部屋に向かった。

 お祖父様のお土産に温かいのが良いかなって。
 持ち運びできる電気アンカみたいなやつ。

 火の魔石と簡単な魔法式で温度調整が出来るようにすれば良いだけなので。
 カイロより大きいけど、軽い金属素材に魔石をセットして魔法陣を彫り込んだ。
 最近は魔法陣を練り込む方が楽なんだけど、練り込むのも高度らしいから人にあげるものには使えない。
 これを布団に入れたり、毛布に入れてくるんだりしておけば冷え込む夜も良いよね。

 ってお泊まりするんだったら私たちも寒くない!?
 これはお土産じゃなく自分達用にいっぱい持っていくやつやん!
 お祖父様にもあげるけどお土産は別のにしよう。

 とりあえずカイロもどきは30個くらい量産したい。
 これを一気にやると怒られそうだから2階で論文書いてる教授たちに相談してみた。

「ほどほどに暖かくなる道具とな」
「それはまた面白い方向の発想です」

 さっき仕上げたのを見本で見せて魔法式を説明すると簡単だからって教授たちが作るのを手伝ってくれることに。

「わしらも寒いのはごめんじゃしのぉ」
「マーベルハント領は比較的過ごしやすい地域ですが朝晩がわりと冷えるそうですよ」

 おそらく同行するであろう人数分+10くらいいるはず。
 一時間くらいで予定数が作れたので、お昼用お弁当を教授たちと食べる。

 お昼からの仕事のためにクラウスさまが来るのを待つ。
 待ってる間にお土産は懐中時計にしようかなって思い立った。
 懐中時計は普通に売ってるんだけど、ちょっと何か仕込みたい。
 何にしようかなー。




 


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