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二章
180話
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夜の池は静かで綺麗だ。
月と星が水面に煌めきを作って、水が鏡のような状態になって境がわからないくらい。
ウユニ塩湖や鏡池みたいなのとは条件が違ってるのにどんな理屈だろ?
「綺麗ねぇ」
ルルゥがほぅっとため息を吐くとアズライトが、
『我の庭じゃ、当然だの』
って、高飛車め。
ハロルドがボートに灯りの魔道具を付けてくれてたらしく。
なんて言うかね?
イカ漁の船みたいになってるんだよ?
「ハロルドさんは準備がいいわねぇ」
この池にイカいないけど、魚は寄ってくるかな?
ボート二艘に分かれて乗り込む。
私の方にルルゥ、ニーナ、アランとポム、ティム、ディディエ。
もう一方に、シエル、ハロルド、ジェイク、アズライト。
シエル用の島に行くのかと思ったらら、花ミツバチがいる島だった。
花畑だし、そりゃそうか?
島に近づくとほのかな光が見える。
灯り用意してくれてたのかな。
ボートを船着場にしてるとこに泊めて降りるといい香りが出迎えてくれる。
「うわぁ、すごい甘い香りがする」
「お花に蜜がたっぷりなんです」
シエルの案内で島の中を進むと一面に光をまとった花が咲いてる。
「光ってる」
「光ってるわねぇ」
なんて言うかコンサートでペンライトの海あるじゃない?
推しの色で応援するの。
推し選べない人がいっぱいいるような光具合なの。
房に四、五色あるから。
風吹いたらウェーブ見れるかも。
華やかだなぁ。
「花ミツバチが一番好きな七虹草かしらね。初めてみたわぁ」
「七虹草?」
「文字通り七色に光る草花よぉ」
ほえ、七色あるんか。
花をじっくりみてみるとと花びらの色がそのまま光る色だった。
「リーシャさま、ミツバチたちが蜂蜜たっぷり集めてたので頼めばくれますよ」
「マジで!?」
シエルに言葉にルルゥが被せ気味にわって入ってきた。
「昼間起きてる時間に会わないとダメですよ」
ハチ、夜は寝てるのね。
せっかく綺麗なお花畑なのに蜂蜜の方がテンションあがっちゃってる。
「プキュキュ」
「モキュゥ」
ポムとティムがお花を一輪とってディディエに挿してる。
「ピャゥ、ガウ?ギャゥン?」
ディディエもポムたちに同じようにしたいみたいだけど難しいのかな?
ニーナが悶えながらコソッと補助してる。
私はお花を堪能しようっと。
音楽はないけどライブ会場に行った時みたいなちょっと懐かしい景色を楽しむ。
「これは大奥様もお呼びすれば良かったですねぇ」
確かに。でもルルゥと一緒で蜂蜜の方が盛り上がりそう。
今夜が一番見頃だったそうで明日には徐々に枯れて種になるまで放置なんだそう。
種になったら採取して草や根っこを土に還してを花ミツバチやモラがやるそう。
ここの生き物賢いな!
『花びらもうまいぞ』
「!?」
なんだってぇ!!
『ジャムと言うのすれば良い。ミツバチどもが欲しがっておるからの』
花ミツバチってば催促なのか。
『半分までなら摘んで良いらしい』
アズライトに教えてもらったことをルルゥとハロルドに言うと、
「この後に大旦那さまと大奥様もここを見に来たいでしょうからその時に摘ませてもらいましょうか」
って。やっぱりお義母さまに見せたいのね。
『花が萎れたら味が落ちるから早めにの』
私は夜更かしは禁止(子供扱いのまま)されてるのでお花を堪能して。
戻る時もボートから水面を眺めて楽しむ。
「綺麗」
「一般解放出来ないから観光地にできないのは残念ねぇ」
アズライトはうるさいのは嫌なんだからどのみち観光地にできないよ。
シエルも島にお泊まりは禁止なので一緒に戻る。
「シエル、素敵な時間をくれてありがとうね」
あの景色はタイミングが大事だったからシエルさまさまだったね。
夜10時くらいかな。
屋敷に到着。
ハロルドは夜のおやつをしていたお義父さまたちに報告してお二人を連れてまた池に。
シエルはメイドさんに連れられて「おやすみなさい」した。
付き添いにルルゥと馬屋番のドーリーがついていったらしい。
アズライトはすでに寝床に行っちゃってる。
次の朝はジュリアスさまが私をガッチリ抱き込んでた。
「おはよう」
「おはようございます」
数日ぶりのマッチョ胸筋に萌え。
「昨夜はどうだった?」
「お花もすごく綺麗でしたが池に映った空が幻想的で。今度一緒に観に行きたいです」
「そうか。ゆっくりと眺めたいな」
二人で島でキャンプ的な一夜もいいと思う。保護者付きならお泊まり可だよね。
お着替えをして食堂に向かえば、すでにみんな揃ってた。
パンやサラダ、スープにお肉といつもと変わらないけど、ジャムをお義母さまが嬉しそうに堪能してる。
「うふふ、すぐ作っちゃったわぁ」
ルルゥが見せてくれた瓶には花びらが浮いた感じ入ってる。
「香りも華やかで甘くて幸せよぉ~」
お義母さまが超笑顔で。
花ミツバチのおかげでうちで使うジャム、尋常じゃない高価なのばかりになってる。
「なんだかお肌にもいい気がするのぉ!素敵だわぁ」
お義母さまのお肌は元から艶々ウルウルですよー。
今日のお勉強タイムはお休みして隠し部屋で魔道具作り。
お昼からはクラウスさまと打ち合わせだからお昼ご飯前に終わらせないとね。
月と星が水面に煌めきを作って、水が鏡のような状態になって境がわからないくらい。
ウユニ塩湖や鏡池みたいなのとは条件が違ってるのにどんな理屈だろ?
「綺麗ねぇ」
ルルゥがほぅっとため息を吐くとアズライトが、
『我の庭じゃ、当然だの』
って、高飛車め。
ハロルドがボートに灯りの魔道具を付けてくれてたらしく。
なんて言うかね?
イカ漁の船みたいになってるんだよ?
「ハロルドさんは準備がいいわねぇ」
この池にイカいないけど、魚は寄ってくるかな?
ボート二艘に分かれて乗り込む。
私の方にルルゥ、ニーナ、アランとポム、ティム、ディディエ。
もう一方に、シエル、ハロルド、ジェイク、アズライト。
シエル用の島に行くのかと思ったらら、花ミツバチがいる島だった。
花畑だし、そりゃそうか?
島に近づくとほのかな光が見える。
灯り用意してくれてたのかな。
ボートを船着場にしてるとこに泊めて降りるといい香りが出迎えてくれる。
「うわぁ、すごい甘い香りがする」
「お花に蜜がたっぷりなんです」
シエルの案内で島の中を進むと一面に光をまとった花が咲いてる。
「光ってる」
「光ってるわねぇ」
なんて言うかコンサートでペンライトの海あるじゃない?
推しの色で応援するの。
推し選べない人がいっぱいいるような光具合なの。
房に四、五色あるから。
風吹いたらウェーブ見れるかも。
華やかだなぁ。
「花ミツバチが一番好きな七虹草かしらね。初めてみたわぁ」
「七虹草?」
「文字通り七色に光る草花よぉ」
ほえ、七色あるんか。
花をじっくりみてみるとと花びらの色がそのまま光る色だった。
「リーシャさま、ミツバチたちが蜂蜜たっぷり集めてたので頼めばくれますよ」
「マジで!?」
シエルに言葉にルルゥが被せ気味にわって入ってきた。
「昼間起きてる時間に会わないとダメですよ」
ハチ、夜は寝てるのね。
せっかく綺麗なお花畑なのに蜂蜜の方がテンションあがっちゃってる。
「プキュキュ」
「モキュゥ」
ポムとティムがお花を一輪とってディディエに挿してる。
「ピャゥ、ガウ?ギャゥン?」
ディディエもポムたちに同じようにしたいみたいだけど難しいのかな?
ニーナが悶えながらコソッと補助してる。
私はお花を堪能しようっと。
音楽はないけどライブ会場に行った時みたいなちょっと懐かしい景色を楽しむ。
「これは大奥様もお呼びすれば良かったですねぇ」
確かに。でもルルゥと一緒で蜂蜜の方が盛り上がりそう。
今夜が一番見頃だったそうで明日には徐々に枯れて種になるまで放置なんだそう。
種になったら採取して草や根っこを土に還してを花ミツバチやモラがやるそう。
ここの生き物賢いな!
『花びらもうまいぞ』
「!?」
なんだってぇ!!
『ジャムと言うのすれば良い。ミツバチどもが欲しがっておるからの』
花ミツバチってば催促なのか。
『半分までなら摘んで良いらしい』
アズライトに教えてもらったことをルルゥとハロルドに言うと、
「この後に大旦那さまと大奥様もここを見に来たいでしょうからその時に摘ませてもらいましょうか」
って。やっぱりお義母さまに見せたいのね。
『花が萎れたら味が落ちるから早めにの』
私は夜更かしは禁止(子供扱いのまま)されてるのでお花を堪能して。
戻る時もボートから水面を眺めて楽しむ。
「綺麗」
「一般解放出来ないから観光地にできないのは残念ねぇ」
アズライトはうるさいのは嫌なんだからどのみち観光地にできないよ。
シエルも島にお泊まりは禁止なので一緒に戻る。
「シエル、素敵な時間をくれてありがとうね」
あの景色はタイミングが大事だったからシエルさまさまだったね。
夜10時くらいかな。
屋敷に到着。
ハロルドは夜のおやつをしていたお義父さまたちに報告してお二人を連れてまた池に。
シエルはメイドさんに連れられて「おやすみなさい」した。
付き添いにルルゥと馬屋番のドーリーがついていったらしい。
アズライトはすでに寝床に行っちゃってる。
次の朝はジュリアスさまが私をガッチリ抱き込んでた。
「おはよう」
「おはようございます」
数日ぶりのマッチョ胸筋に萌え。
「昨夜はどうだった?」
「お花もすごく綺麗でしたが池に映った空が幻想的で。今度一緒に観に行きたいです」
「そうか。ゆっくりと眺めたいな」
二人で島でキャンプ的な一夜もいいと思う。保護者付きならお泊まり可だよね。
お着替えをして食堂に向かえば、すでにみんな揃ってた。
パンやサラダ、スープにお肉といつもと変わらないけど、ジャムをお義母さまが嬉しそうに堪能してる。
「うふふ、すぐ作っちゃったわぁ」
ルルゥが見せてくれた瓶には花びらが浮いた感じ入ってる。
「香りも華やかで甘くて幸せよぉ~」
お義母さまが超笑顔で。
花ミツバチのおかげでうちで使うジャム、尋常じゃない高価なのばかりになってる。
「なんだかお肌にもいい気がするのぉ!素敵だわぁ」
お義母さまのお肌は元から艶々ウルウルですよー。
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お昼からはクラウスさまと打ち合わせだからお昼ご飯前に終わらせないとね。
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