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一章

43話 お肉を育てているのでダイエットはダメだそうです。

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 仕立て屋さんとお針子さんたちは、マダムシフォンっていうお店の人たちでマダムはお義母さまのご学友なんだって。

 グレーデン領の街にお義母さまの出資でお店を持ったんだって。ほぼお義母さま専属かと思ったら、お義母さまに憧れてるご夫人方が結構いらっしゃって王都に支店も出してるとか。王都が本店じゃ無いんだ・・・。

 今まで目の前に広がる光景にびっくりしすぎて聞いてなかったよねー。

 仕立て上がったウエディングドレスの他にもお義母さまが頼んでくれたたくさんのドレスが目一杯並べられて、ドレスショップみたいなんだけどこれ全部オーダーメイドで私専用のドレスなんだなぁ!すご!!

 全て高級生地で刺繍や宝石がゴージャスで前世?だったらいったい総額いくらなのか。
 おっそろしいよー。

「うふふ、良い出来ねぇ!さすがよ♡」
「頂いたデザインとアイデアのおかげで新しい世界が見えましたのよ~♫」

 お友達同士で盛り上がっててとても賑やか。クミちゃんがいたらなぁってちょっと切ない。

 ウエディングドレスはお願いした純白に金銀の刺繍でジュリアスさまの軍装と対になるような色合い。憧れていた真っ白じゃ無いけど、より華やかで綺麗。
 首飾りや耳飾り、髪飾りもダイヤを中心にところどころルビーを散りばめてジュリアスさまのお色を添えてくれてる。
 ジュリアスさまの方には私の瞳の色の薄い水色のブルートパーズを装飾したボタンが使われてて照れる。

「ふわぁ・・・」

 お色直し?用には真っ赤なドレスもあるよ。似合うかなぁ?超可愛いデザインだけど真っ赤って勇気いる~。

「あらあら、リーシャちゃんったら真剣ね」
「こちらはリーシャさまだけのデザインですもの~」

 私をぐるぐる~って着替えさせて。
「あらあ。お肉ついてきましたね。当日も調整できますが少し気をつけてね」

 そう、お式前ならダイエットに励むとこだろうけど、私はお肉を育て中なので。
 少し成長しても良いように作られてるの。
 普通ならコルセットとか使うんだろうけど成長を妨げないため使ってないんだ。
 出来ればずっと無しの方向でいたいよ。

「まぁまぁ~可愛らしいですわ」
「よくお似合いです」
 着付けが済んでスタッフさんがめっちゃ持ち上げてくれる。

 鏡の中の私はフランス人形みたい。
 これでジュリアスさまと並んでるのはきっと良い!!誰かカメラ持ってきてーーー!

 そーいえば、びっくりしすぎて着物の存在が頭から抜けてたな~。
 流石に半年で打掛とか生地から用意するの無理だし思い出してても作れないけど。
 お祭りか何かでお義母さまと着られるようにいつかゴス着物でもいいから提案してみよう~。

 赤いドレスは案の定着せられてる感があったんだけど髪型盛って飾りをつけたらちゃんと見れる。リ○ちゃん人形。

 他にも夜会用やなんだと着せられてげっそり。
 綺麗なドレスは嬉しいけど数あると辛いよね。

 お義母さまとお揃いのドレスの試作したのはなんて言うか親子コーデ的な。
 華やかにゴージャスなのと可憐でファンシーなので同じ生地なんだけどグラデーションの濃淡変えてて、デザインもお義母さまは胸と腰のラインが綺麗に見えるように、私はセクシーさは無しで。同じ生地でも印象が全く違うの。
 これはすごいテクニック。

「はぁ~♡スノウリリィさまもリーシャさまも素敵ですわ~♫それにこの染色はきっと流行りますわね」

 今広げられてる甘ロリドレスのデザインもこのドレスのグラデーション生地もしばらくはグレーデン領でしか売らないんだって。全部意匠登録済みで、売り出しが始まったら私の口座にチャリンチャリン!怖。何もしてないのに儲かるってすごい。

 お義母さまは新たに数着依頼して本日のお試着終了。

 夕食はちょっとだけ控えめにしたいと言ったら、ジュリアスさまが心配しちゃって困った。
「乙女心よー♡」
 お義母さまがニコニコ言ってくれたけど、男性陣には伝わらなくって。

「うちの男どもは本当にモテそうに無いわねぇ」
 カラカラ笑われてみんな困ってるけど、普通にモテると思う。カッコいいし優しいし。
 ジュリアスさまは売約済みだけど!
 
 寝る前にジュリアスさまにドレスに話をしたら「あー」って。でもまだまだお肉足りて無いから余裕持たせて作ってもらえてるはずって言われて。食事を制限したらダメだって言われてしまった。
「心配いらない」
ってハグして頬や額にチュッチュってされてるうちに寝落ちしちゃった。

 




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