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一章

38話 ドキ!マッチョだらけの餅つき大会!

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 夕方までにルルゥたちと必死に準備した。
 兵舎の人もお昼の後にお手伝いに来てくれたよ。

 お餅用にきな粉だけも悲しいなーって貯蔵庫見たらカボチャっぽいのとサツマイモっぽいのを見つけたのでマッシュして甘みを足して餡子替わり。
 ついでにお汁粉っぽいスープにもした。

 お義母さまが味見をしたそうにしてたけど、「夜のお楽しみです~」って言って、蜂蜜チーズのパンを用意したら渋々諦めてくれた。
 まぁ合間合間にニックスにおねだりしてたの知ってるけどね☆

「ルルゥ~あのね、お肉とお野菜これくらいに刺して出したいんだけど串ってある?」

 金串は無いだろうから、竹串っぽいのでもあったりしないかな?って聞いたら、マッチョコックさんたちがすぐ庭に行って、臼と杵を作ってる端材をサクサクっと削って持ってきてくれた。すごーい。

 バーベキュー用に串に刺してって言うと手が空いた人たちがハイスピードで刺してくれる。

 味付けがね、まだ胡椒が好きなだけ使えるほどないので、レモン塩みたいなのとカレーパウダーにちょっとつけ置き。

 あとは普段ルルゥたちに作ってもらってるものを中心に用意してもらった。

 途中、庭で作業している騎士さんたちにスポドリもどきを出したり、ハンバーガー出したりもあって、大変だった。

 あとバーベキュー用の鉄板が無い!!って事で平らな石を用意して。下に焚き火を石で囲むような感じで簡易窯作ってバーベキューコンロの代用。火力は魔力で調整してね!ってもうぶん投げ。

 やっぱり思い付きで行動は首締める。
 コックさんたち申し訳ない!!
 騎士さんたちも!!

 やっと準備が整って、家族が揃って。使用人の人たちも騎士さんたちも。って庭に入りきらない!!
 外の空き地にも簡易窯がたくさん用意されて、テーブルとかサクサクっと置かれてる!

「さぁ、みんな早速《お餅つき》をするのじゃ!!!」

 お義父さまの掛け声で「おお~!!」と野太い声が上がった。

 ゴリ、ガチ、細な色々なマッチョたちが制服の上着を脱いでて逞しい体を見せつけてくる!!みんな良い体だよ!
 クミちゃんにも見てほしい!!疲れなんて吹き飛ぶ!

 少しずつ離れたところで臼を配置してあって、コックさんたちが蒸しあがったお餅をセットして行く。

 合いの手と最初のこねはコックさんたちで杵を振るのは交代でやりたい人にって。

 当然お義父さまが最初にってなって。

「ふんっ!」

 ブォン!!

 杵をすごい勢いで振り落として。

 ビチャー!!バカーン!!

 臼が割れて、入ってた餅が飛び散ったよ。

 杵も頭飛んでいってちょっと遠くにいた騎士さんが五右衛門のようにスパーンと切ってぶつからずに済んだ。って洋剣でそんなになるんか!?

「・・・」

 みんながシーンってなって。
「あの父上、全力でやってはいけない様ですね・・・?」

 ジュリアスさまが固まってるお義父さまの肩をポンと叩いて慰め?てる。

 お餅の存在が無かったように木っ端微塵なんですけど、さすが辺境の猛者ですね・・・。

 気を取り直して力を加減して撞いてもらう事に。
 石臼のが良かったかな?結果は一緒だったような気がする。

 合いの手を入れる人の手が危ない事になりそうでハラハラしちゃう。

 その後も何回か臼が割れて犠牲になったけど、お餅は何とか無事救出できる程度で。
 中途半端な力を入れるって言うのが苦手なんだなぁって、いや力自慢が過ぎる!

 やっとつきあがったお餅をゲットしてみんなが大喜びで食べてくれた頃、私は程よくパンプアップした騎士さんたちを眺めて、素敵筋肉は程々の距離感で見る方が良いなぁっと思った。

 お義母さまやニーナ、メイドさんたちも餅つきに挑戦してたけど、普通に杵を軽々と振っていて。

 サツマイモやカボチャのお汁粉に飛び上がらんばかりに喜んでくれた。

 男性陣もお餅をしっかり楽しんでたくさん食べてくれたけど、やっぱりお肉が人気で。
 コックさんたちが入れ替わり立ち替わり、追加を運んできて。

 とんでもない量が消費された。

 エールも出されててこっそり頂けないかなって狙ってたら、サーキスさまとニーナがニッコリと笑顔で遮って、私をジュリアスさまのお膝までご案内してくれたよ。

 くそぅ!
 




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