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一章

13話 離れは私にとって普通に豪邸でした。

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 わーお、離れってなんかこうこじんまりしてると思ったんですよ?
 
 2階建てのおっきなおうちがデンってさ!!メグミの田舎のおばあちゃんちより全然デカい。いや貴族の持ち物と田舎の比べたらダメだけど。
 本邸に比べたら確かに小さいけど立派で綺麗なおうち!夢のマイホームなんだよ。

 これを好きに使ってって言えちゃうのすごいなぁ。
 でも作業場とキッチンが欲しかっただけだからどうしようかな?

 アイテムボックスの中身出したいけどアランとジェイクいるから今はダメだよね。

 とりあえず一階のお部屋を確認してみたら家具やリネンは落ち着いたもので揃えられてるし、お掃除も入ってるみたいで他に入り用のものはない。

 汚しても良いってなるとやっぱキッチンが良さげ。錬金系とかは食物保管庫をちょっと改良して机置こうかな?
 一番近い部屋を休憩室にして隠し部屋もそこにしよう。
 
 ちょっとだけ工事入れるのと私が扱えるサイズのお鍋や寸胴とか調理器具をお願いしよう。徐々にやっていくのが楽しいよ!

 食材はいろいろお願いすると何作るのってなるよね。まぁジュリアスさまが好きにして良いって言ってくれたんだから料理に挑戦って感じでイケる?

 アランたちに私の作業中は他のお部屋で休憩でいい?って聞いたら扉の前で待機するんだって。護衛って大変だ。

 ニーナは私が籠っって出てこないと困るからずっと付いてるんだって。
 まぁニーナには隠し部屋とかは知られてるから良いんだけども。

 離れの探検を軽く済ませたらお昼前なので本邸に戻ることに。

 行きにはアランに抱き上げられて戻りにジェイクが。アルケマスヨー!オーイ!
 ニーナ、知らない顔しないで~!!

 ちょうど休憩に下りてきたお義父さまに見つかってジェイクから移動。

 やっとわしのターンーみたいな感じで食卓に連れられ、当たり前のように膝抱っこ。
 クマのぬいぐるみとかそういう扱いなのか!!

 他のみなさんはまだいなくて。
 仕事に区切りがついてからとか訓練所の食堂でとかでお昼は都合がついた時間にそれぞれ食べるらしい。

 そして山盛りの肉!マッスル御用達の鶏肉みたいなもの?筋肉維持用なの?
 見てるだけで胸焼けしちゃう。調味料の種類が少ないのに焼く蒸す茹でるじゃつまんない。ルルゥさんがハーブとかでいろいろアレンジしてるからそこらの調理人より凄腕なんだとは思うんだけど、使える素材が少ないと仕方ないよね。

 ちなみに私のお昼ご飯は豆とベーコンと細かいお野菜のスープ。あとパン。日本の柔らかパンに慣れてるからハードパンは毎日はきついかも。
 目の前のお肉が瞬く間に消えていく。

 お義父さまは私の食べる量が気になるみたいで眉毛がヘニョってなってる。
 ここの人たちにとったら鳥の餌くらいで信じられないんだろうな。

 リーシャが食べていた量に比べたらすごく食べてるし一日3食、私の体調を気遣って貰えてる最高に良い環境なんだけどなぁ!
 あ、良いこと思いついた!

「お義父さま!私こちらの名産の食べ物とか果物が気になるので市場とかお店に行ってみたいです!」
 外出許可をくださいな~。

「っ!おお、それは良いな!何か好きな食べ物見つかると良いのう。ジュリアスに言って明日買いに行こうかのう」
 あれ?お義父さまといくのかな?まぁいっか。

 なんか嫁っていうより孫みたいな扱い。本物の孫ができたらすごい溺愛しそう。
 
 外からガヤガヤ音がしてるなって思ったら、セリウスさまが入ってきてハロルドに「腹減ったわー」って。

 お義父さまのお皿からさりげなくお肉を奪いながら
「さっき仕立て屋がすごい荷物持ってきて母上がかなり盛り上がってたから覚悟しておいた方がいいよぉ、あれは50着は着せ替えられそう~」
 などと洒落にならないことを言われた。50ってなんだ。貴族の衣装なんて動きにくいやつよりエプロンワンピースが楽で良いよ!

 お義母さまのお呼びが掛かるまで未知の恐怖に怯えちゃった。 

 
 
 
 

 

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