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【閑話】プレーナの最期
しおりを挟むいつか君が見たいと言った世界を、
一緒に創ろうと誓い合った世界を、
君を心から愛していた俺を、
全部置いて、君はこの世から去ってしまった。
どんなに会いたいと望んでも、それは叶わなくて。
姿を遠目から見るだけでもいい、声を本当に少しだけ聞けるだけでもいいのに、全部不可能で。
ああ――
このまま君に会えないなら、もういっそ、命を絶とうか。
何度もそう思った。
けど、出来ないんだ。
憎くて憎くて憎くて憎くて憎くて、どうしても、復讐してからでなきゃ出来なかった。
俺から君を奪ったこの世界に、人々に、
壮絶な苦しみや悲しみを与えてからでなきゃ、俺は、満足にこの世から去れない。
愛してるよ、永遠にキミを―――
「父上!!!」
「王子!危険です!行ってはなりませんっ!」
「だが父上が!父上!父上ぇ!!」
――ああ、今回は失敗してしまった。
だが次こそは、次こそは復讐を成し遂げてみせよう。俺を "あいつ" に託そう。
きっと、俺のような不安定な存在より確実だろうから。
ドクドクと血が溢れ出し、じわりじわりと紅が広がり、燃え盛る炎の中で、仰向けに倒れている男は最期に呟く。
「愛してるよ、永遠にキミを―――
———ルクス」
そう呟いた男の顔は、とても優しい微笑みを浮かべていた。
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