お前となら

何だっていいんだ。
貴族じゃなくたって、金なんて一銭も持ってなくたって。
ど田舎の小さな小屋で暮らしたっていい。農業に勤しんで、自分達で作った野菜を食べて生きる。
そんな暮らしだって悪くない。

傍にお前がいるなら、俺はいつだって何処でだって、どうせ幸せなんだから。


***


容姿端麗頭脳明晰な麗しの公爵令嬢、ダーチェネリア・ファングルス。
彼女は弱い四歳にして全属性の魔法を行使出来る天才令嬢だ。そんな彼女が唯一手に出来ないもの、それが実の両親からの愛だった。


「俺も行く」

「私は一人で行きたいのよ」

「荷物貸せよ。持ってやる」

「人 の 話 を 聞 い て い な い!」



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