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ギルド番長
101話 『口は災いのもと。ってカンジ』
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裏門部隊。メーシャとヒデヨシは、隊長のデイビッドと共に、何故か復活したオークたちと戦っていた。
「えい!」
メーシャが回し蹴りで、オークとハイオーク、ついでにオークキング5体をまとめて倒す。
「メーシャ君は凄いな……。うぉりゃあ!」
デイビッドはメーシャに感心しつつもオークを一刀両断する。
しかし────
「お嬢様、また復活しそうです!」
────オークたちは倒されても倒されても復活し、何度でも襲い掛かって来ていた。
「プゴー!」
オークがメイスでデイビッドに攻撃する。
「ぐぅっ……!」
デイビッドがロングソードでガードするも、
「──しまっ!?」
重たい攻撃を受けきれず、ロングソードを叩き割られてしまった。
「プギャア!!」
オークが追撃を仕掛けようと跳びかかって来た、その時。
「──流れ星・改!」
────チュドーン!
「プッギュハー!?」
ヒデヨシの放ったハリが着弾するや爆発し、危機一髪のところでオークを倒した。
「す、すまないヒデヨシ君……」
デイビッドが折れた剣を拾う。
「いえ。それより、オークたちですが……」
「倒すたびに強くなってんね……」
メーシャやヒデヨシの参戦により、初めはあっという間に全滅させていたが、どんどん強くなるオークたちに裏門部隊の皆がどんどん勝てなくなってきていた。
「やはり、あの巨大なオークのようなモンスターのせいか……」
デイビッドが砦跡から出てきたオーカスを見上げながら呟いた。
現在は表門のワルター部隊が戦っているが、もしこちらに少しでも攻撃が来たら危険な状況だ。
『おいメーシャ、ヒデヨシ。タタラレの気配がする。ラードロもだ。もしかすると、そいつらがあのオーカスを作り出したのかもな。一応気を付けろ』
デウスがメーシャとヒデヨシに忠告を入れる。
「マジか。正直、あーしたちがここにいないとオークに勝てないのに、ラードロとかまでいんの? ヤバくない?」
「その『オーカス』って、ゲームとかで“魔王”だったりするやつですよね?」
『そのオーカスだ。でも、“魔王”じゃなくて“覇王”だ。魔王は今眠りについているっていうゼティフォールだけだからな。
それはともかく、覇王ってのは特定の種族を個体の意思関係なく操る事ができる“超越者”なんだ。効果範囲や効力は覇王の素質次第だがな』
「そんなのを生み出してしまうんですね、ラードロって。……せい!」
ヒデヨシが話しながらハイオークに突撃する。
「おけ。じゃあ、これ以上ヤバくなる前に、皆避難させよっか」
「そうですね」
「ねえ、隊長さん!」
折れたロングソードとナイフで戦っていたデイビッドに、メーシャは声を掛けた。
「なんだ?」
倒せないながらも、デイビッドは仲間に被害が出ないよう足止めしているのだ。
「あーしとヒデヨシ除いて、裏門部隊のみんなを避難させてくれる? 足止めすっから」
メーシャが手から無数の石を出しながら言う。
「いや、しかし、この量を君たちだけで……? しかも、今、門から新手が……!」
デイビッドが迷いを見せる。
確かに、敵はどんどん強くなる。しかも中に控えていたオークがぞろぞろと出てきて、オークたちは合計で60体もいる。
「ま、あーしにかかったら余裕っしょ! ────サードアイ!」
メーシャがサードアイを発動し、オーク、ハイオーク、オークキングをロックオンした。
「そうですね。僕たちなら問題ありません。それより、ラードロやタタラレが来れば、大きな被害は免れません。早く逃げて下さい」
「ラードロが来るのか!? それなら余計に……。いや、そこまで言うのだ、君たちを信じてみよう。だが、くれぐれも無理はするなよ! そうやって散っていった同士を知っている」
デイビッドは言いにくそうにメーシャたちに言う。
「いや、縁起わる! 今そんなこと言うなし! フラグ立てんな、殺す気か!」
メーシャは思わず強めにツッコミを入れてしまった。
「ああ、すまない……!」
「まったくもう……!」
メーシャがため息をつく。
「では、ここは任せた。俺は皆を安全な場所まで連れて行く。……後で、野営地で落ち合おう!」
「おっけー」「わかりました!」
デイビッドはメーシャたちに別れを告げ、近くにいるものから声をかけて避難していった。
「じゃ、お掃除開始だ!」
そう言うとメーシャは、両手に石を持ってオークたちに向かって構え、
「撃ち抜け! ────ゲイボルグ・序!!」
砦が破壊された時に負けない程の耳をつんざくような轟音を鳴らし、メーシャは無数の石を撃ち出した。
そして、撃ち出したと思ったその時には、辺りにオークの1体もおらず、ただ同じ数の魔石が落ちていたのだった。
「どんなもんだ! えっへん!」
メーシャが得意顔になるが……。
「でも、すぐに復活しますけどね!」
ヒデヨシが冗談っぽく言った。
「しかも強くなるんでしょ? ヤになっちゃうね……」
メーシャが肩をすくめる。
「じゃ、僕の新たな力の出番ですね?」
ヒデヨシが得意げに言った。
「新たな力?」
「はい。僕も、とうとう身にに付けたんですよ、ハリネズミになる力を! ふふふふふ……ふふはーっはははは!」
ヒデヨシは笑いが止まらない。
「ハリネズミ!? 確かヒデヨシが憧れてたよね! 良かったじゃん! 見せて見せて!」
メーシャが自分の事のように喜ぶ。
オークたちが復活し始めた。
「ふふふふ……。ではそろそろ時間のようですし、見せて上げますよ! クロスギフト────!」
ヒデヨシは黒く、しかし神々しいような煌めくオーラに包まれる。
「ブーグァ!!」
近くに居たオークを巻き込みつつ、オーラは力を貯め込んでいく。
そして、十分に力が貯まったところで────
「──バージョン“流星”! とぅわー!!」
爆発を起こし、ヒデヨシはその姿を現した。
「…………」
メーシャはその姿を見て、目を見開いてしまう。
「どうですか? このハリは! まごうこと無き『ハリネズミ』でしょう!」
ヒデヨシは自信満々で言った。
「……あ~、その、うん。えっと、カッコイイ、よ……?」
メーシャはなんとも歯切れの悪い感じで返事をした。
それも仕方ないことだ。何故なら、どこからどう見てもヒデヨシは、
『あ、何かに似てるなー。って思ったら、それ、“アンキロサウルス”じゃねえか! すげえクオリティ! 俺様、爬虫類大好きなんだよなー!』
「ちょっ、デウス、バカ! それは……!」
メーシャが慌てて止めようとするも後の祭り。しっかりヒデヨシの耳に届いてしまっていた。
「あ、アンキロサウルス……!? アンキロ、アンキロ……」
「あちゃー……」
『あ、すまん。つい……』
ヒデヨシのハリネズミまでの道のりは長そうだ……。
「えい!」
メーシャが回し蹴りで、オークとハイオーク、ついでにオークキング5体をまとめて倒す。
「メーシャ君は凄いな……。うぉりゃあ!」
デイビッドはメーシャに感心しつつもオークを一刀両断する。
しかし────
「お嬢様、また復活しそうです!」
────オークたちは倒されても倒されても復活し、何度でも襲い掛かって来ていた。
「プゴー!」
オークがメイスでデイビッドに攻撃する。
「ぐぅっ……!」
デイビッドがロングソードでガードするも、
「──しまっ!?」
重たい攻撃を受けきれず、ロングソードを叩き割られてしまった。
「プギャア!!」
オークが追撃を仕掛けようと跳びかかって来た、その時。
「──流れ星・改!」
────チュドーン!
「プッギュハー!?」
ヒデヨシの放ったハリが着弾するや爆発し、危機一髪のところでオークを倒した。
「す、すまないヒデヨシ君……」
デイビッドが折れた剣を拾う。
「いえ。それより、オークたちですが……」
「倒すたびに強くなってんね……」
メーシャやヒデヨシの参戦により、初めはあっという間に全滅させていたが、どんどん強くなるオークたちに裏門部隊の皆がどんどん勝てなくなってきていた。
「やはり、あの巨大なオークのようなモンスターのせいか……」
デイビッドが砦跡から出てきたオーカスを見上げながら呟いた。
現在は表門のワルター部隊が戦っているが、もしこちらに少しでも攻撃が来たら危険な状況だ。
『おいメーシャ、ヒデヨシ。タタラレの気配がする。ラードロもだ。もしかすると、そいつらがあのオーカスを作り出したのかもな。一応気を付けろ』
デウスがメーシャとヒデヨシに忠告を入れる。
「マジか。正直、あーしたちがここにいないとオークに勝てないのに、ラードロとかまでいんの? ヤバくない?」
「その『オーカス』って、ゲームとかで“魔王”だったりするやつですよね?」
『そのオーカスだ。でも、“魔王”じゃなくて“覇王”だ。魔王は今眠りについているっていうゼティフォールだけだからな。
それはともかく、覇王ってのは特定の種族を個体の意思関係なく操る事ができる“超越者”なんだ。効果範囲や効力は覇王の素質次第だがな』
「そんなのを生み出してしまうんですね、ラードロって。……せい!」
ヒデヨシが話しながらハイオークに突撃する。
「おけ。じゃあ、これ以上ヤバくなる前に、皆避難させよっか」
「そうですね」
「ねえ、隊長さん!」
折れたロングソードとナイフで戦っていたデイビッドに、メーシャは声を掛けた。
「なんだ?」
倒せないながらも、デイビッドは仲間に被害が出ないよう足止めしているのだ。
「あーしとヒデヨシ除いて、裏門部隊のみんなを避難させてくれる? 足止めすっから」
メーシャが手から無数の石を出しながら言う。
「いや、しかし、この量を君たちだけで……? しかも、今、門から新手が……!」
デイビッドが迷いを見せる。
確かに、敵はどんどん強くなる。しかも中に控えていたオークがぞろぞろと出てきて、オークたちは合計で60体もいる。
「ま、あーしにかかったら余裕っしょ! ────サードアイ!」
メーシャがサードアイを発動し、オーク、ハイオーク、オークキングをロックオンした。
「そうですね。僕たちなら問題ありません。それより、ラードロやタタラレが来れば、大きな被害は免れません。早く逃げて下さい」
「ラードロが来るのか!? それなら余計に……。いや、そこまで言うのだ、君たちを信じてみよう。だが、くれぐれも無理はするなよ! そうやって散っていった同士を知っている」
デイビッドは言いにくそうにメーシャたちに言う。
「いや、縁起わる! 今そんなこと言うなし! フラグ立てんな、殺す気か!」
メーシャは思わず強めにツッコミを入れてしまった。
「ああ、すまない……!」
「まったくもう……!」
メーシャがため息をつく。
「では、ここは任せた。俺は皆を安全な場所まで連れて行く。……後で、野営地で落ち合おう!」
「おっけー」「わかりました!」
デイビッドはメーシャたちに別れを告げ、近くにいるものから声をかけて避難していった。
「じゃ、お掃除開始だ!」
そう言うとメーシャは、両手に石を持ってオークたちに向かって構え、
「撃ち抜け! ────ゲイボルグ・序!!」
砦が破壊された時に負けない程の耳をつんざくような轟音を鳴らし、メーシャは無数の石を撃ち出した。
そして、撃ち出したと思ったその時には、辺りにオークの1体もおらず、ただ同じ数の魔石が落ちていたのだった。
「どんなもんだ! えっへん!」
メーシャが得意顔になるが……。
「でも、すぐに復活しますけどね!」
ヒデヨシが冗談っぽく言った。
「しかも強くなるんでしょ? ヤになっちゃうね……」
メーシャが肩をすくめる。
「じゃ、僕の新たな力の出番ですね?」
ヒデヨシが得意げに言った。
「新たな力?」
「はい。僕も、とうとう身にに付けたんですよ、ハリネズミになる力を! ふふふふふ……ふふはーっはははは!」
ヒデヨシは笑いが止まらない。
「ハリネズミ!? 確かヒデヨシが憧れてたよね! 良かったじゃん! 見せて見せて!」
メーシャが自分の事のように喜ぶ。
オークたちが復活し始めた。
「ふふふふ……。ではそろそろ時間のようですし、見せて上げますよ! クロスギフト────!」
ヒデヨシは黒く、しかし神々しいような煌めくオーラに包まれる。
「ブーグァ!!」
近くに居たオークを巻き込みつつ、オーラは力を貯め込んでいく。
そして、十分に力が貯まったところで────
「──バージョン“流星”! とぅわー!!」
爆発を起こし、ヒデヨシはその姿を現した。
「…………」
メーシャはその姿を見て、目を見開いてしまう。
「どうですか? このハリは! まごうこと無き『ハリネズミ』でしょう!」
ヒデヨシは自信満々で言った。
「……あ~、その、うん。えっと、カッコイイ、よ……?」
メーシャはなんとも歯切れの悪い感じで返事をした。
それも仕方ないことだ。何故なら、どこからどう見てもヒデヨシは、
『あ、何かに似てるなー。って思ったら、それ、“アンキロサウルス”じゃねえか! すげえクオリティ! 俺様、爬虫類大好きなんだよなー!』
「ちょっ、デウス、バカ! それは……!」
メーシャが慌てて止めようとするも後の祭り。しっかりヒデヨシの耳に届いてしまっていた。
「あ、アンキロサウルス……!? アンキロ、アンキロ……」
「あちゃー……」
『あ、すまん。つい……』
ヒデヨシのハリネズミまでの道のりは長そうだ……。
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