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ギルド番長
64話 『技名って大事っしょ?』
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「あなた、ただのネズミだと思っていたけど、なかなかやるじゃない」
ベスがヒデヨシを褒めつつ、回復魔法で傷を治した。
「そうですか? ありがとうございます! でも、次はもっとすんなり倒せるようにがんばります!」
「頑張るのはいいけど、無理はしないようにね」
「俺が初めてプルマルと戦った時は、なかなか斬れずに一旦退避したんだけど、ヒデヨシさんはすごいね」
イーサンがヒデヨシの肩に指を置いて、その活躍を労った。
「イーサン先輩も、ありがとうございます!」
「次はメーシャさんだけど、準備は良い?」
ベスがメーシャに訊いた
「…………」
しかし、メーシャはとある方向を見て黙ったまま返事をしない。
「どうしたの、メーシャさん?」
「ん? ああ……。えっとさ、プルマルって、一気にこんな出てくることってあんの? つか、さすがに多すぎてキモイんだけど……」
ようやく気付いたメーシャは、苦笑いを浮かべながらその方向を指差した。
「何を言って────きゃぁっ!?」
メーシャが指差した方を見て、ベスが思わず悲鳴を上げてしまう。
「どうしたんだ……って、うわっ!?」
イーサンもその光景を見て驚いてしまう。
「やっぱ、普通じゃないっぽいね。これ」
「流石にこれだけ並んでると、鳥肌が立っちまうぜぃ……」
メーシャたちの前には、木の隙間や草の陰とは言わず、100なんて余裕で越える量のプルマルが所狭しと並んでいた。
『ったく、メーシャは何かにとり憑かれてんじゃねえか? へへっ』
「あはっ。とり憑いてるあんたが言うなし!」
「あなた、よくこの状況で笑っていられるわね!」
ベスが余裕のない表情でメーシャの元に来る。きっと、守ってくれるつもりなのだろう。
「あ、ごめんね。ベス先輩」
「いいけどね。あなたも戦えるなら、手伝って」
「流石にこの量を相手するのは無謀だ。できるだけ体力を残しつつ、少しずつ後退し、隙ができたら一気に町まで逃げよう!」
イーサンが剣を振ってプルマルを牽制しつつ、メーシャとヒデヨシを背に隠す。
「距離が空いたらあたしが煙幕を放つから、そのつもりで。いいわね?」
「ああ、うん」
メーシャは生返事をする。
「……仕方ない」
そんな様子のメーシャは戦力にならないと判断し、イーサンは覚悟を決めてプルマルに突っ込んで行った。
「「「プルルー!」」」
イーサンに反応したプルマルが、次々に襲い掛かって来た。
「はっ! ふんっ! とりゃあっ!!」
イーサンは1撃か多くても2撃でプルマルを片付けていく。だがプルマルは、倒しても倒してもなかなか数が減らない。
それもそのはず。プルマルは見えている数だけじゃなく、奥にも陰にもたくさん潜んでいたのだ。
「────初級雷魔法! もう一回、────初級雷魔法!」
ベスが雷魔法でプルマルを倒していく。
「輝け! 僕の前歯!」
ヒデヨシも少しずつコツを掴んできているのか、プルマルを2回くらいで倒せている。
「くそ! 数が多すぎる!」
イーサンは10体を倒した所で、少し疲れが見えてきていた。だが、プルマルはまだまだたくさん控えている。
「増殖期だってこんな多くなるのは聞いた事無いよ! イーサン、どうなってるの?」
増殖期は数年に1度訪れるもので、プルマルが自身の分身を増やすのだ。
「俺だってわからないよ! でも、今は少しでも、数を減らして、隙を────ぐぁっ!?」
イーサンは死角から現れたプルマルに攻撃され、ダメージを受けてしまった。
「イーサン! ────初級回復魔法!」
ベスが咄嗟に回復魔法でイーサンの傷を治す。
「すまないベス!」
「いいけど、これじゃ、逃げられないよ!」
必死なイーサンとベス。
「僕の前歯は、鋭さが増していくようです~!」
マイペースに自身を高めていくヒデヨシ。
「あーし、そろそろ行った方がよさそうかな?」
「ま、嫌ならあっしが行っても────」
「ダメ! 暴走して炎が当たったら、あーしはともかく先輩はヤバイっしょ」
『ここは無難にメーシャが行くしかねえだろうな』
灼熱さんとデウスと相談しているメーシャ。それぞれ温度差があった。
「そっか。先輩たちに花を持たせたかったんだけどな~……」
以前ワイバーンと戦った時は結局1000体近くになったのだ。今更この量で余裕を失うメーシャではなかった。しかも、今回の敵は地上にいる。
『ま、それこそ後輩の目の前で大怪我する方が、先輩としては恥なんじゃねえか?』
「それもそうだね。っし! んじゃ、行くか!」
そう言ってメーシャはイーサンたちが戦っているところに向かった。
「メーシャさん、もう大丈夫なのか?」
イーサンが剣を振りつつメーシャに訊いた。疲れているのか、もう剣に鋭さがない。
「うん。もう大丈夫」
「じゃあ、早く戦って! 流石にあたしも魔力が切れそうなの!」
魔法を放ちつつベスが叫ぶ。息つく暇もなく魔法を出していては、魔力回復薬を飲むこともできないでいたのだ。
「うん。すぐ戦うし」
「お嬢様! 僕、結構強くなりましたよ! レベルで言ったら、5くらい上がったかもしれません!」
ヒデヨシは嬉しそうにメーシャに報告する。
「ああ。おめでと。でも、今回はそれでお終いね」
「……ん? ああ、はい!」
ヒデヨシはメーシャの考えを察し、急いでポケットに戻った。
「何をしてるんだ? ヒデヨシさんは立派な戦力なのに」
イーサンが余裕のない表情でメーシャに言う。
「いや、ヒデヨシは、っていうか、みんな後ろにさがって欲しいんだけど」
「何で? 今さがっても、プルマルから逃げきれないわよ!」
どうやらふたりは後ろに行く気は無いらしい。
「ん~、困った。でも、しゃーないか! こうなったら……」
言われてもきかないなら、無理やりにでも退かせるしかない。
メーシャは左手をイーサンに、右手をベスに向ける。そして、
「────メーシャミラクル!」
「うわ~!?」「きゃ~!?」
能力の引っ張る力でふたりを引き寄せ、
「ちょい、後ろで見てて!」
放出する力で後方数メートルのところに降ろした。
「何が、起こったんだ?」
「……メーシャさん、あなた何をするつもり?」
ベスは何が起こったか分からないまでも、メーシャが何らかの行動をしようとしているのは察したようだ。
「あはっ。心配しなくて大丈夫だよ」
困った顔のベスとイーサンに、背を向けたままメーシャが言う。
「でも、プルマルはこんなにたくさん……」
今は突然の出来事でプルマルは攻撃を躊躇しているが、いつ再び襲い掛かって来るかわからない。
「そうだ! メーシャさんがどれだけ強いからって、流石にこの量は……!」
「だ~か~ら~。心配しなくても大丈夫なの! このプルマルの群れを、ギャル勇者メーシャちゃんに、まとめて全部まかせろし!」
メーシャの頼もしい宣言の前に、もうふたりは遮ることを止めた。
そしてメーシャは、ふたりの安全を確認すると能力を発動する。
「えぇっと? プルマルは……残り341体か」
メーシャは目を光らせて敵対反応の数を把握する。
メーシャは、一見分かりにくい木の陰や、プルマル同士の重なり、岩の隙間なども全て見通していた。
「ロックオン!」
メーシャは右手を前に出し、全てのプルマルに攻撃照準を合わせた。
「いっくよ~……!」
次に、手の平に無数の、いや、341粒の砂利を出現させて、衝撃波を混ぜ合わせる。そして、
「撃ち抜け!」
────ドゥゴン!!!
撃ち出された砂利は、ひとつも外すことなく、木や岩などもお構いなしに、プルマルをことごとく貫いた。
敵対反応はゼロ。メーシャの完全勝利である。
「……この技を“ゲイボルグ・序”と名付けちゃおうかな?」
その時のメーシャは、清々しい程のどや顔をしていたという。
ベスがヒデヨシを褒めつつ、回復魔法で傷を治した。
「そうですか? ありがとうございます! でも、次はもっとすんなり倒せるようにがんばります!」
「頑張るのはいいけど、無理はしないようにね」
「俺が初めてプルマルと戦った時は、なかなか斬れずに一旦退避したんだけど、ヒデヨシさんはすごいね」
イーサンがヒデヨシの肩に指を置いて、その活躍を労った。
「イーサン先輩も、ありがとうございます!」
「次はメーシャさんだけど、準備は良い?」
ベスがメーシャに訊いた
「…………」
しかし、メーシャはとある方向を見て黙ったまま返事をしない。
「どうしたの、メーシャさん?」
「ん? ああ……。えっとさ、プルマルって、一気にこんな出てくることってあんの? つか、さすがに多すぎてキモイんだけど……」
ようやく気付いたメーシャは、苦笑いを浮かべながらその方向を指差した。
「何を言って────きゃぁっ!?」
メーシャが指差した方を見て、ベスが思わず悲鳴を上げてしまう。
「どうしたんだ……って、うわっ!?」
イーサンもその光景を見て驚いてしまう。
「やっぱ、普通じゃないっぽいね。これ」
「流石にこれだけ並んでると、鳥肌が立っちまうぜぃ……」
メーシャたちの前には、木の隙間や草の陰とは言わず、100なんて余裕で越える量のプルマルが所狭しと並んでいた。
『ったく、メーシャは何かにとり憑かれてんじゃねえか? へへっ』
「あはっ。とり憑いてるあんたが言うなし!」
「あなた、よくこの状況で笑っていられるわね!」
ベスが余裕のない表情でメーシャの元に来る。きっと、守ってくれるつもりなのだろう。
「あ、ごめんね。ベス先輩」
「いいけどね。あなたも戦えるなら、手伝って」
「流石にこの量を相手するのは無謀だ。できるだけ体力を残しつつ、少しずつ後退し、隙ができたら一気に町まで逃げよう!」
イーサンが剣を振ってプルマルを牽制しつつ、メーシャとヒデヨシを背に隠す。
「距離が空いたらあたしが煙幕を放つから、そのつもりで。いいわね?」
「ああ、うん」
メーシャは生返事をする。
「……仕方ない」
そんな様子のメーシャは戦力にならないと判断し、イーサンは覚悟を決めてプルマルに突っ込んで行った。
「「「プルルー!」」」
イーサンに反応したプルマルが、次々に襲い掛かって来た。
「はっ! ふんっ! とりゃあっ!!」
イーサンは1撃か多くても2撃でプルマルを片付けていく。だがプルマルは、倒しても倒してもなかなか数が減らない。
それもそのはず。プルマルは見えている数だけじゃなく、奥にも陰にもたくさん潜んでいたのだ。
「────初級雷魔法! もう一回、────初級雷魔法!」
ベスが雷魔法でプルマルを倒していく。
「輝け! 僕の前歯!」
ヒデヨシも少しずつコツを掴んできているのか、プルマルを2回くらいで倒せている。
「くそ! 数が多すぎる!」
イーサンは10体を倒した所で、少し疲れが見えてきていた。だが、プルマルはまだまだたくさん控えている。
「増殖期だってこんな多くなるのは聞いた事無いよ! イーサン、どうなってるの?」
増殖期は数年に1度訪れるもので、プルマルが自身の分身を増やすのだ。
「俺だってわからないよ! でも、今は少しでも、数を減らして、隙を────ぐぁっ!?」
イーサンは死角から現れたプルマルに攻撃され、ダメージを受けてしまった。
「イーサン! ────初級回復魔法!」
ベスが咄嗟に回復魔法でイーサンの傷を治す。
「すまないベス!」
「いいけど、これじゃ、逃げられないよ!」
必死なイーサンとベス。
「僕の前歯は、鋭さが増していくようです~!」
マイペースに自身を高めていくヒデヨシ。
「あーし、そろそろ行った方がよさそうかな?」
「ま、嫌ならあっしが行っても────」
「ダメ! 暴走して炎が当たったら、あーしはともかく先輩はヤバイっしょ」
『ここは無難にメーシャが行くしかねえだろうな』
灼熱さんとデウスと相談しているメーシャ。それぞれ温度差があった。
「そっか。先輩たちに花を持たせたかったんだけどな~……」
以前ワイバーンと戦った時は結局1000体近くになったのだ。今更この量で余裕を失うメーシャではなかった。しかも、今回の敵は地上にいる。
『ま、それこそ後輩の目の前で大怪我する方が、先輩としては恥なんじゃねえか?』
「それもそうだね。っし! んじゃ、行くか!」
そう言ってメーシャはイーサンたちが戦っているところに向かった。
「メーシャさん、もう大丈夫なのか?」
イーサンが剣を振りつつメーシャに訊いた。疲れているのか、もう剣に鋭さがない。
「うん。もう大丈夫」
「じゃあ、早く戦って! 流石にあたしも魔力が切れそうなの!」
魔法を放ちつつベスが叫ぶ。息つく暇もなく魔法を出していては、魔力回復薬を飲むこともできないでいたのだ。
「うん。すぐ戦うし」
「お嬢様! 僕、結構強くなりましたよ! レベルで言ったら、5くらい上がったかもしれません!」
ヒデヨシは嬉しそうにメーシャに報告する。
「ああ。おめでと。でも、今回はそれでお終いね」
「……ん? ああ、はい!」
ヒデヨシはメーシャの考えを察し、急いでポケットに戻った。
「何をしてるんだ? ヒデヨシさんは立派な戦力なのに」
イーサンが余裕のない表情でメーシャに言う。
「いや、ヒデヨシは、っていうか、みんな後ろにさがって欲しいんだけど」
「何で? 今さがっても、プルマルから逃げきれないわよ!」
どうやらふたりは後ろに行く気は無いらしい。
「ん~、困った。でも、しゃーないか! こうなったら……」
言われてもきかないなら、無理やりにでも退かせるしかない。
メーシャは左手をイーサンに、右手をベスに向ける。そして、
「────メーシャミラクル!」
「うわ~!?」「きゃ~!?」
能力の引っ張る力でふたりを引き寄せ、
「ちょい、後ろで見てて!」
放出する力で後方数メートルのところに降ろした。
「何が、起こったんだ?」
「……メーシャさん、あなた何をするつもり?」
ベスは何が起こったか分からないまでも、メーシャが何らかの行動をしようとしているのは察したようだ。
「あはっ。心配しなくて大丈夫だよ」
困った顔のベスとイーサンに、背を向けたままメーシャが言う。
「でも、プルマルはこんなにたくさん……」
今は突然の出来事でプルマルは攻撃を躊躇しているが、いつ再び襲い掛かって来るかわからない。
「そうだ! メーシャさんがどれだけ強いからって、流石にこの量は……!」
「だ~か~ら~。心配しなくても大丈夫なの! このプルマルの群れを、ギャル勇者メーシャちゃんに、まとめて全部まかせろし!」
メーシャの頼もしい宣言の前に、もうふたりは遮ることを止めた。
そしてメーシャは、ふたりの安全を確認すると能力を発動する。
「えぇっと? プルマルは……残り341体か」
メーシャは目を光らせて敵対反応の数を把握する。
メーシャは、一見分かりにくい木の陰や、プルマル同士の重なり、岩の隙間なども全て見通していた。
「ロックオン!」
メーシャは右手を前に出し、全てのプルマルに攻撃照準を合わせた。
「いっくよ~……!」
次に、手の平に無数の、いや、341粒の砂利を出現させて、衝撃波を混ぜ合わせる。そして、
「撃ち抜け!」
────ドゥゴン!!!
撃ち出された砂利は、ひとつも外すことなく、木や岩などもお構いなしに、プルマルをことごとく貫いた。
敵対反応はゼロ。メーシャの完全勝利である。
「……この技を“ゲイボルグ・序”と名付けちゃおうかな?」
その時のメーシャは、清々しい程のどや顔をしていたという。
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