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モブと森の宴
しおりを挟むその後はグダグダな雑談になり、魔女様がインベントリに満載で持ち込んだ酒とつまみで宴会に雪崩れ込んだ。
実は魔女様、初代サヴァレーゼ国王の側妃で、古龍を斃したとされる伝説のパーティーメンバーの一人だった。
え…?魔女様いくつ?
「……オズワルド?女性の年齢を探るなんていけない子だね?」
いーえ!ちょっと疑問に思っただけです!
御伽話では、初代サヴァレーゼ国王は騎士、聖女、魔道士と共に古龍を斃したことになっているが、実際は取り引きだったらしい。竜に関する捏造が多すぎるねサヴァレーゼ。
曰く、『この地を治め、彼の尊き御方に住み良く開き、整えよ』と。お前も丸投げかよ《蜃》!?
画して、深い森だったこの地はサヴァレーゼ王国となり、異界から渡りし《蜃》の庇護の元、大きく美しく成長したのだが……。
『少々寝坊しましてな?いやあ昼寝のつもりで御座いましたが、《奈落》に叩き起こされて慌てて見てみれば、《八雲》は既に顕現されておりますし、これはいかんと連絡を取った《久遠》には呆れられましたし、見回せば、この異世界にいと尊き御方々が溢れて居らっしゃって居りました。いやはや、歳を取ると眠りが深くていけませぬなあ』
突っ込み所満載である。
歳をとったら眠りは浅くなるんじゃないかとか、そもそも歳とか爺やとかいう割には人間型の《蜃》は朱座の色違いのムカつく色男じゃんとか、超寝坊したのに《久遠》が呆れるくらいで許してくれたの奇跡じゃない?とか…。
その色男《蜃》、事もあろうにルクレツィアに『お爺様』とか呼ばせてご満悦である。クッソ!俺だって『お父様』って呼ばれてないんだぞ!?
そして気になることがもう一つ。
何故か《蜃》が今世の父親を抱き込んで離さない…。
「我と《真理》は、《蜃》の分体じゃからのお」
………はい!?
朱座の爆弾発言を脳が理解したくないと叫んでいる。
「我の好みは《真理》の好み、それは《蜃》の好みじゃ」
「え……」
「マリアンジェラと名乗っておったそうじゃが、主人よ、アレは我と同じ成分で出来ておったのだぞ?」
えええええええええ……
「さあ主人よ!我をお母様と呼んでみてくれ!」
絶対嫌だ!!!
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