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モブと考察2

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さて実家だが、何がしたいのかが本気でわからない。

サルヴィーニ伯爵の話に出てくる『ロタリンギアの王女』は数年前に王位継承争いに敗れて亡くなっている。優秀な科学者でもあったらしい王女はでも作ろうとしていたのか。




「うーん……面倒だね?いっそ俺が実家に行ってこようか?」


「ダメですッ!どうしてオズ兄様はすぐそう御自分で動こうとなさるのですか!?」


「オズぅ……カムイもそれはだめだとおもうよ?」


「(ハァ…)………ルクレツィアと同じ教育をお前にも受けさせるべきだっただろうか…」


「俺が言うことじゃないんだけどね?オズワルド、君、もう少し戦略とか作戦とかね…?」


「…ったく何一つ学んでねえなクソ兄貴!いいからオメーは黙って座ってろ!」


「どうしよう…お兄ちゃんが異世界に来たら脳筋バカになっちゃった…」




言いたい放題かよ!?




「いっそ実家取り潰してもらう?」


「それも選択肢に入れても良いが、お前の実家だろう?もっとこう…」


「だって『オズワルド』の記憶漁っても実家に良い思い出ないんだよなぁ…」


「実質、ヴィヴィアン夫人が実権を握ってますものね…」


「んー…」




ヴィヴィアン夫人は自分の夫が別人だと知っているのか。

……知っている………気はする。サルヴィーニ伯爵にベタ惚れだったもんな、あのひと。マリアンジェラの息子だったオズワルドを『モリアの甘露』まで使って消そうとしたんだから。

……ん?じゃあヴィヴィアン夫人はロタリンギア側の人間じゃないのか?ロタリンギア側の人間なら、失敗作でも俺を回収に来るんじゃないか?いやでも失敗作だからこそ始末しようとした?……うーむ、わからん。

オズワルドが一度死んで、結果的に人工聖者(聖女じゃなくて悪かったね…)は完成したわけだが、それは金と権力にモノを言わせてテオが掻っ攫っている。

情報が少なすぎる。





いっそロタリンギアに乗り込んでやろうかと考えたところで、と手紙が来た。







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