【異世界大量転生2】囲われモブは静かに引きこもりたい

モブと人化

出来上がったカレーをちょっとずつ料理人さんたちに食べてもらって。

何故か味見に並ぶ冒険者たちプラス朱座。んんー？カムイは？どこ行った？

あいつどこ行った…と目の前を見ると、もじもじと列に並ぶ白っぽい子供。

白い肌に白い髪。陛下が親戚の子でも連れて来たかな？と思ったんだけど、瞳が金だからちょっと違う。

………ん？白に、金？



「…………………なにやってんだお前…」





《やったあ！オズきづいたあ！！》


「なんと！？」


「…っしゃあ！」


「く…っ、スッた…！」


「えー…」




ホントになにしてんのお前たち？

子供はカムイだった。

人化を教えてもらってたのはここ数日だろ？早すぎねえ？うちの子天才か！？




《ねね？かっこいい？オズ？カムイかっこいい？》


「おー、可愛い可愛い」




撫で回しておく。

ちがうもん、かっこいいんだもん、と頬を膨らませたが違わない。どっから見ても母親そっくりの美少年だ。

ルクレツィアがワナワナと全身を震わせた。

あー…ルクレツィアはモッフモフがお気に入りだったからなあ…。




「……カムイ」


《ふぁ！？な、なに…？》




ルクレツィアは唇をキュッと引き結び、姿勢を正した。




「今日からわたくしをルクレツィアお姉様、と呼ぶように」


《えー…、やだぁ…》




鼻息が荒い。うちの娘の新たな扉が開かれたようだった…。