【異世界大量転生2】囲われモブは静かに引きこもりたい

モブと赤竜

あまりの風圧にカムイの口の中の飴が全て噛み砕かれる。

ああああ～…おずにゆっくりなめなさいっていわれたのにぃ～……とか、すっごい泣きそうな感情が《繋がり》から流れてくる。うん、あとで3つ余分にやるから諦めろ。

デカい。ひたすらデカい。3階建ての家くらいある。



《良い匂いをさせているな？小さき北の竜よ》



うっわ。竜語わかる。異世界人補正！？それともカムイの仕業か！？

よーし！さあカムイ！猛特訓の成果を見せるんだ！




《お初にお目に掛かります赤竜閣下。私は北の守護が一柱、リントヴルムのカリーナの子カムイにございます。お目に掛かれ恐悦至極に存じます。此度はこの私の為に格段のご配慮を頂き……》


《ああ、そう畏まらずとも良い。カリーナ殿と言えば北の貴竜。我らの憧れであった。そのお子に会えて我も嬉しい》




よし！掴みはオッケー！噛まずに言えたうちの子えらい！




《そこな人間によう仕込まれているようだの？》




いやいやいや、礼儀は基本だよね？仕込むとか人聞きの悪い…。




「お初にお目に掛かります赤竜閣下。カムイの養い親のオズワルドと申します。私はカムイの親代わりにて、この子を立派に育て上げる義務がございます故」


《ほう…？主従ではなく、養い親、とな？》


「はい。まあ、その………」




ウワア言いたくない…




「この子の親を殺したのは……私です、ので…」


《…………ふむ…？殺した？カリーナ殿を？神器も無しに？》





あの時を思い出して泣きたくなる。泣いてもどうしようもないから泣かないけど。




《……オズワルドとやら。神竜を殺したという割には其方の魔力は澄み切っておる。呪いの一欠片も浴びてはおらぬようだ。其方の魔力は甘く、清涼で心地よい》




知らんがな。

だって直接殺したわけじゃないからな。

どんな顔をしていいかわからず、曖昧に笑っておく。





《かっか！おずはわるくないです！おずはこわいけど、やさしいし、あたまなでてくれるし、いいにおいがするし、あったかいし、ごはんおいしいし………こわいけど！》





おい。怖いって二回も言ったなこの野郎。





《ああ、カリーナの子カムイよ。気に病むな、お前の養い親は美しい。》












うーん、竜語は難しいね。所々誤変換されてる気がするよ。