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学園編
魔王と踊れ 1
しおりを挟むそれからの3日は慌ただしく過ぎていった。近隣の屋敷の住民たちを全て避難させ、そこに騎士たちを配備。大聖女アンティエーヌも騎士たちと一緒に隠れた場所に配置し、結界を張る際の合図、もしもの時の対応を徹底して訓練させた。アンティエーヌは「親御さんに初めてのご挨拶……服はこれで良かったかしら…」とか真っ白い聖女の服をなんだか気にしていた。なんで???
そうして迎えた茶会の朝。ウィルバートと呼ばれた従者を連れて、ヴィンセントはやってきた。徒歩で。……あ、あれ?おかしいな…。身分が高い者ほど馬車で移動とかリサにきいてたんだけど……。魔王ってアレじゃね?人類がほとんど交流のない魔族の国の王様だろ?あれぇ?
「やあリオくん?お誘いありがとう?」
「お待ちしてました、魔王陛下」
「あれあれ~?バレちゃった?ま、いいか?今日その話もするつもりだったしね?」
俺の先制ジャブを軽く躱わすヴィンセント。相変わらず飄々としている。
「ところで……ねえ?いっぱい隠れてる人達も僕をもてなしてくれるのかな?」
あ、うん。当然気付くよなぁ。
ラドの合図で隠れていた兵たちが一斉に姿を現す。完全な包囲網にヴィンセントは笑った。あ、いや、黒照る照る坊主だからみえないんだけど、多分笑った。
「……ねえ?このくらいなら瞬殺だよ?魔王舐め過ぎじゃない?」
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