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開戦
しおりを挟む千早の部屋……バベルの最上階から見ると、鉄の色の点々がバベルをぐるりと囲んでいた。
「わ…」
「心配ない。いつものことだ」
えええ…。
聞けばこのバベル、『魔王討伐隊』はこの500年でもう何回目だかわからないくらい来ているらしい。『勇者』とか『英雄』ってそんなに量産していいの?
「今回はズライグ軍も来たから、ちったあ楽しめるかなあ」
うきうきと。まるで「今から練習試合なんだ!」っていう男の子みたいに。練習試合って言えば、前世の友達の拓哉は練習試合どうだったのかなあ。その辺から記憶がないんだよね。
「ユキは村の年寄りたちと食堂あたりで待っててくれ。あそこも大きな窓があるから観戦しやすいだろう」
「うん。ケガとかした人がいたら食堂に連れてきてね?」
「わかった」
俺は最弱だしヘタレだから足手纏いだ。大人しくしてるしかない。
「行ってくる」
姫抱っこされたまま、エッチの時みたいな深いキスをされる。ちょ……んー…気持ちいい…。気持ちいいけどダメ。あ…でもここって最上階だから見えないか。俺が地上を見ても粟粒以下に見えるんだから、向こうだって何してるかわかんないよね。
いってらっしゃいの意味も込めて、千早の首にしがみついて舌を絡める。ふわあ…きもちいい……お腹がきゅんきゅんする。エッチな気分になってチンコとお尻がモゾモゾするう。
ぐんにゃりしちゃった俺を一旦ベッドに下ろして、千早は顔中にキスしてくれる。
「帰ったらここに……いっぱい出していいか?」
「…ひゃう!?」
お尻を揉まれて電気が走ったみたいになる。うう~…俺って淫乱?それとも千早が上手いの!?
「か…帰ってきたら、ね?」
「……よっしゃ、やる気が出てきた!」
千早が笑う。いつかテレビで見た肉食獣みたいに。
「俺が人殺しの人でなしでも ーーー 嫌わないでくれ…」
「ん…?大丈夫だよ?ちょっとは怖いかもだけど。だって……」
「俺が好きになったのは、人殺しで人でなしで、俺にだけ優しい壊れた千早だもん」
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