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待機命令とヨギばあちゃんのおまんじゅうつくり
しおりを挟む生き返ってめっちゃ気力が有り余ってるらしい村のみんなは、今すぐでも竜王国に殴り込みに行くと鼻息を荒くした。怖い。戦闘民族怖い。それを止めたのはなんと千早だった。
「祭りに参加したきゃ大人しくしとけ。せっかく手加減して逃したんだ。顔真っ赤にしてもう一度来るだろうさ」
「?」
千早の言葉が相変わらず難しい。でも村のみんなはそれだけでわかったみたいでニヤリと笑った。
「良き旦那を貰ったのお、ユキ坊や」
「いやいや婆さん、この場合、ユキは貰われたんじゃないのかの?」
「どちらでも良いさぁ。はあ、眼福眼福ぅ」
千早を拝み始める元年寄り集団。くふふ…千早が褒められて嬉しいな。
「仕方ないのお……どれ、ユキ坊や。婆と饅頭でも作ろうかの?」
わあい!ヨギばあちゃんのおまんじゅう大好きー!
村の炊き出しをしてるとこにヨギばあちゃんに手を引かれていく。珍しく千早が嫉妬してない。あれ?
「ヨギはユキの祖母のようなものだろう?それに……祭りの際の守りは多い方がいい」
「うん?」
アヴァロンみたいにお祭りするの?
お昼過ぎの厨房はまったりしてて、ゲンじいちゃん(死んでない村人だけど巻き添えで若返ってる)にお芋と粟を分けてもらった。
「は…?インコの餌?」
「アワですぅー!」
もう!千早ったら、失礼な!ちゃんと蒸したり茹でたりするとおいしいんだぞ!?
作り方は簡単。粘り気があって甘くないお芋を擦りおろす。粟の粉と粟のプチプチを混ぜて捏ねて、固かったら適当にお水を入れてさらに捏ねる。手で丸めて平べったくしたら、甘いお芋を切ったやつを包んで、その辺の葉っぱを敷いて蒸す。以上!
「おいしいねえ!」
「ほうか、ほうか。たあんとお食べ」
おまんじゅうを頬張る俺を見て、なんでか千早が「ユキ…!もっともっと美味いもの食わせてやるからな…!」とか泣いてた。えー?お芋まんじゅう美味しいよ?
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