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暁様は米が好きらしい
しおりを挟む暁様にお仕えして一月は経ったのだろうか。どうもこの、人工太陽による常春の気候だと日にちの感覚がなくなってくる。それとも……
それとも、俺が暁様の《眷属》になったからだろうか。
暁様は最近はなんだかずっと俺に張り付いている。味見と称して食べさせすぎだろうか。でもなあ……可愛いんだよ!!甘いものがお好きなようで、この間は大学芋を作ったら無限に食べていた。可愛い。なんだあれハムスターか!?
そんな暁様が今一番楽しみにしているのは……『米』だ。
信じられるか!?ジャポニカ米だ!種籾をイチさんから手渡された時は、思わず夢かと疑ったね!前世の『ゆうくん』の記憶通りに精米しようかとも考えたが、ほんのひと握りだ。
増やすことにした。
小川の横に田んぼ作ってもらって、種を撒く。ん?苗から仕込まないのかって?耕運機とかないから手作業だ。めんどくせえから水を張った田んぼに種籾ばら撒いたよ文句あるか?
で。ほんの数時間で芽が出て10日も経たないうちに黄金色の穂が揺れている。異世界すげえな(多分違う)。もうね、自重も忘れて脱穀と籾摺りと精米の道具作って米炊いたよ。
炊き立てご飯を握る。塩むすびのシンプルなやつ。クッソ。異世界のシャケはクソ臭いし梅は探して貰ってる。それでも昼メシに塩むすびと玉子焼きを出したら、暁様は無言で貪ってた。泣きながら。
やべえ、泣き顔可愛い。
胸がキュンキュンするね!下半身がギンギンしないのはありがたいけど。
「ユス!今度は天丼食べたい!!チャーハンも!」
…………うん。田んぼ……増やしてもらおう…。
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