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妹と殿下の婚約破棄
しおりを挟む「ずるいですわぁ!!」
私がルビィ殿下とわちゃわちゃしていると、妹がお約束の言葉をその愛らしい唇から吐きました。えっ…えええ~……ニナさんや?今度は何をどうしたいの!?
「ずるいずるいずるい!お姉様だけ婚約破棄するなんてずるい!お姉様だけ身軽になるなんてずるいですわぁ!!」
はいぃ???
「ねえサフィ様!わたくしも婚約破棄してくださぁい!それでね?それでぇ!わたくし、お姉様と手に手を取って駆け落ちするのですわぁ!!」
ニナさんや!そこは駆け落ちじゃなくて逃亡じゃないの!?……じゃなくって!!
「えぇ……と…。ま、まあそうだね?一つの家から二人も嫁いだら面倒だしね?」
「ンンンッ!!」
嫁ぐ???は???……ところでルビィ殿下。咳ですか?風邪ですか?……っ!えっ!?腰!?腰はダメ!くすぐったい!放して!えっ…ちょ…???ルビィ殿下、お酒飲みました!?真っ赤なんですけど!?
「ニナ」
「はぁい、サフィ様」
ニナとサフィ殿下が見つめ合う。……は?え?ちょっ……!?まっ…!
「僕は君のことを結構気に入ってたんだけど……まあ仕方ないよね?」
「仕方ありませんわねぇ?」
「「では」」
「ちょっ……!待って!待って!ウソ!!ニナ!サフィ殿下!?」
私の悲鳴も聞こえない二人は、にっこり微笑み合いながら
「ニナ・トーマ。僕、サフィ・ルネライトと君との婚約を破棄するよ。もちろんこちらの有責で」
「うふっ。わたくし、ニナ・トーマは、サフィ・ルネライト様との婚約の破棄を謹んでお受けいたしますわぁ!」
ああもう!やりやがったぁ!!こいつらぁ!!!
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