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私と婚約者の婚約破棄 2

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ラーク様の小鳥ちゃん(黄金ドレス)の証言する数々の嫌がらせに、周りのギャラリーたちがヒソヒソ始めました。わけがわかりません。


「え…?ニナと?婚約するんですか?」

「そうだ!私とお前の婚約は家と家との契約。お前がどうしようもない悪女だから私はお前を断罪するが、ヴォーツ家とトーマ家の契約は守られねばならん。だから私はニナと結婚する」

「?????」


ロジック崩壊だわぁ…。なんでそうなるの???この人……ほんっとうに頭悪いんだぁ…。

私は遠い目をする。そして何故か


「……ンン!まあ…今日のお前も。この私に精一杯媚びて化粧をしたのだろう?だが私の愛はニナのものだ。しかし!お前がどぉーっしても!というなら愛人にしてやろう!」

「うわ、キモッ!!(お断りします)」

「お姉様、お姉様!本音と建前が逆ですわぁ!」

「はっ!つ…つい……」

「……っ!!この!レアのくせに!!やめだ!お前は奴隷にする!!犬以下の存在として地下牢に飼って犯してやる!!」


わあ…!公爵令息ともあろうものが下品な…。ほらほら、淑女の皆様どころか、同性の紳士の皆様も眉を顰めてますよ?腹芸顔芸ポーカーフェイスが標準装備の貴族の方達が『眉を顰める』って言うのは、ものすごーい『不快ですこのウンコ!』ってやつですよラーク様!


あー…でも……


「 ーーー 婚約破棄、承りました」



ああ……これで私を縛るものがなくなってしまった…。



可愛いニナは、サフィ殿下の婚約者だ。きっとすぐにでもルネライトに連れ去ってくださるだろう。トーマ侯爵家も……お母様とお祖父様、お祖母様のいない侯爵家など、もう頑張って維持する必要もない。執事のバトラーは優秀だから、ルビィ殿下にお願いすれば再就職は余裕でしょうし、バーサもニナの侍女としてルネライトに行くでしょう。


……あら?ほんとに私、自由になったのね!?


いつも重い頭が急に晴れやかになった気がする。自然に笑みが漏れ、ニナが「はぁうん!麗しすぎてずるいですわぁ…!」と呻いた。






「ではラーク様……いえ、ヴォーツ公爵令息、






周りでヒソヒソしてる無責任なお喋り淑女スズメにも、ちょっと教育しておきましょう!





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