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私と妹の退場
しおりを挟む「さ、お姉様帰りましょう?こんな品性のかけらもない招待客のいるお茶会なんて二度とごめんですわぁ!」
「あっ…え……あ、あの、ね、ニナ……」
はっ。ついつい昔を思い出してしまいました。過去の記憶に飛んでいた私の隙をつき、ニナは流れるようなエスコートで私を誘導します。……痛い。ニナ目当てに茶会に参加していた令嬢令息たちの視線が痛い…!ええ、ええ、わかっていますよ!帰るならテメエ1人で帰れ!って言いたいんでしょう!私もそう思いますよ!でもね!!この子、言い出したら聞かないのよぅ!
「わ、私、1人で帰るわ?その…ね?ニナはもう少しみなさまとお喋りしてらっしゃ……」
「まああ!お姉様!?それはずるいわ!ずるい!ずるいずるいずるい!ずるいですわぁ!!」
……あ?やっぱりぃ?
「わたくしをこんなところに1人残して帰るなんて!ずるいですわぁ、お姉様!!わたくしも帰りますぅ!帰ってお姉様と一緒にお風呂に入って、お部屋で一緒に食事をして、一緒のベッドで寝るんですぅ!!」
「ニッ…ニナ…!!」
ざわり。
観衆たちが騒めきました。えー、えー、ええ~……バラしちゃうのぉ、これ!?ここでぇ!?
そう、ニナは5歳のあの日から、「ずるい」を盾にして私にべったりなのです。ニナが大好きな私の婚約者がレズビアン疑惑をかけ嫉妬するほどに。
ああ…また婚約者にネチネチ言われるんだろうなあ。思わず遠い目になっちゃう…。
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