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私と妹の出会い 1

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私はトーマ侯爵グレッグと、前妻のロミとの間に生まれました。前妻 ーーー お母様は先代侯爵の一人娘でしたがとにかく体が弱く、侯爵家当主としては少々…いえ、かなり不適合だったようです。なので補佐役として婿に来たのがお父様です。

お母様は子供は無理だろうと言われていたそうですが、奇跡的に私を産んだそうです。けれど産後の肥立ちは悪く、ますますベッドの住人となってしまわれた。お祖父様である先代侯爵はお母様の病に効くと言われる怪しげな妙薬を、これまた怪しげな辺境部族の元へと取りに行き ーーー 亡くなったそうです。ちなみにお祖母様も巻き添えです。

これにフィーバーしたのがお父様。まだお母様がご存命なのに私たち母娘ははこを離れの屋敷に追い出し、愛人を連れ込みました。ただでさえ弱っていたお母様は神の身元へと召され、私は前世を思い出したのです。

あれ?これやばくね?

前世のweb小説とかコミカライズとか。いろんな知識が流れ込む。うん、このパターン知ってる。めっちゃ虐げられるやつだ。物語の世界に転生したのなら、最終的には王子様とか公爵様が迎えに来るはずなんだけど、その前にめちゃくちゃ虐められるやつだ。それはもう、死にそうなくらいとか、よく自殺しなかったね、と感心するくらいに。

うん、無理。

逃げ出そうと思ったけど、私、今、5歳。はい、無理。無理無理無理無理無理無理!交番は!?担任の先生は!?児童相談所はどこォ!?

お母様の死と絶望しかない未来予想図にべしょべしょに泣き崩れる私を、本邸の使用人が引き摺ります。ちょっ…!?ま!?待ちなされ、我、幼女ぞ!?

引き摺られて外に出る。痛いよー!酷いよー!痛いよー!!腕がスポーンと抜けたらどうするのよぅ!?こんなに小さいのよ!?お人形みたいに細いのよ!?

目の前には、数日ぶりに会うお父様と、見知らぬ派手な美女。それから……それから。私は目を疑いました。




雑草だらけのこの侯爵家敷地の隅っこ(離れ玄関前)に、妖精が降臨していたのです。






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