【７人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

エルドラドvsフォルカポッジョ

エルドラドとフォルカポッジョ間で戦争が始まった。

まあ…予定通りというかなんというかだな。フォルカポッジョの女神ヘスティアは既に《神》の運用する擬似カルマから外れた。『アルトリウス・サーガ』はもはや地球で支持された物語ではない。爺さんに聞いた話だが、地球の創作物というものは思いの外強い力を持っているらしい。それでか。ベルゼアン皇国でやる『コミックマーケット』とやらを爺さんが庇護してるのは。うちの栢木とかヒナんとこの黒聖女とか人気作家らしいもんな。

フォルカポッジョと戦争、と聞いてエルドラドに速攻転移したのは千早だ。遊びたかったらしい。千早の嫁が「人殺しなんてやめて！」とかいう子じゃないもんで、千早はやりたい放題だ。ユキたんもかなりズレてんだよなあ…。「フォルカポッジョとの戦争なら俺もまぜろ！」と詰め寄った千早に「これは面子の問題です」とお断りしたセルヴァンスも中々の強心臓だよ。

結果はというと、なんというか。想定内でエルドラドの圧勝。あっちに《森人族エルフィン》の因子を持った王族が居たらしく、父さんのコレクションが捗ったらしい。

あと……うん、当然っていうか、なんていうか、紫苑の妊娠が判明。怖いわー。マジで《古代種ザ・セブンス》って怖いわー。紫苑も美人だけどさあ、男だよ？なんで妊娠しちゃうのか。ああ、いかんいかん。これってニンゲンの考え方だよなあ。700年経っても未だに染み付いてる考え方だ。


「しーちゃんにも魔鉄で哺乳瓶作って持っていこうね！」


……凛が嬉しそうだから、まあいいか…。