【7人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

とうや

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嫁姑問題に悩む千早

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「嫁姑問題?」


嫁を連れてふらりと遊びにきた千早が聴きなれないワードを出した。


「あア、どうモ姑のほうガ劣等感を持っテいるみたいでな…」


千早の嫁の母親は《ニンゲン》らしい。今、この異世界の大多数を占める人間たちとはかなりが違うらしいが。この世界の人間たちは《神》が育てやすいように、支配しやすいようにしたいわばだ。大戦前の《ニンゲン》がまだ残っていたと父さんは喜び(コレクションに欲しいらしい)、兄さんは拳を握り(繁殖させたいらしい)、爺さん、母さん、親父殿は眉を顰めた(大戦の引き金になったニンゲンを見ると潰したくなるらしい)。

クリスのクレープ作りに釘付けのユキたんを見る。あんなに可愛い子犬ちゃんなのに《古代種ザ・セブンス》で、治癒どころか反魂までやってのける《聖龍ホーリー》だ。ただのニンゲンの親が卑屈になるのはわかる気もするが…。


「なるようにしかならねえだろ」

「だヨなぁ…」


千早がこんなことを悩む日が来るなんて…!あの『迷ったらぶっ潰す』が信条の千早が!


「…オい、クロ、おまエなんか今、失礼なコと考えなかったカ?」

「ナンノコトカナ?」

「おい…」

「まあ良いじゃねえか。悩め悩め。幸せだからこその悩みだろ?」

「そウなんだけどさあ…」





なんだこいつ、可愛いな!?
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