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500年後
しおりを挟むアヴァロンは拡大を続けた。周辺国を4つほど併合したためだ。魔王に飼われるってどうなの?って思うけど、多分その方が楽なんだろうなあ。
相変わらずバルバロッサ聖王国が「神の御名の元に」とかなんとか言って勇者を送りつけてくる。《神》サマとやらはこうやってゲームオーバーを繰り返させて強くてニューゲームをやってんの気付け。知ってるとしたらモノ扱いに物申せ。たまにまともなこと言う勇者もいて、それをミンチにしたら軽くへこむんだけど!?
そんなこんなでぼんやり過ごしていたある日。千早が「嫁ができるかもしれねえ」とか言い出した。
……は?え……ええ…千早、お前、そういう恋愛脳なの!?精液まみれでスンスン泣いてる子を好きになるとか、とんでもねえ特殊性癖じゃねえか!?翌日に転移でうちのリビングに飛んできたと思ったら「粥が欲しい」と…。
ええ…お粥?どういうこと???
混乱する俺の代わりに凛が指示を出してくれる。クリスが今日飯作りに来てくれてて良かった。料理長じゃあお粥って言ってもわかんなかっただろうし。コトコトと、お粥が煮えている間にも千早はソワソワ。あー、お粥食べさせたい相手を置いてきたんだろうなあ。
「んー…お粥ってことは病気?風邪?弱ってます?よく噛んでくださいね。あと林檎のコンポートもどうぞ」
クリスが差し出した鍋とコンポートの瓶をインベントリに入れ、千早が消える。こら、急いでるのはわかるがクリスにお礼は!?
「クリス!僕も!僕もリンゴの甘いの食べたい!」
「はい、お出ししましょう」
「アイスクリームも付けて!」
「はいはい」
クリスの女子力っつーか、母ちゃん力がすげえ。普通の母ちゃんってよくわからないけど。
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