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ロゼ最強説

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出産に関するデリケートな表現があります。ご注意ください。








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「えっ!?どうしたのなんなのお兄ちゃんが尊すぎるんだけど!?」


始祖ファウンダー》になったキラキラクリスを見てアイリーンが叫ぶ。そしてぐりん!と首を梟のように回してロゼを見る。ホラーかな?


「やだなにこの子ぉ!?カッワイイ!!マジ可愛いんですけどお!?」


ワキワキした手を見て幼女バージョンロゼが引く。ドン引きだ。


「アイリーン、あの……その子は信じられないかもしれないが…ロゼマリアだ…」

「そっ…そんな……!?ウソ…!ロゼ様!?…んっ……!」


ん?


「ンホオオオオオオオオオ!!悪役令嬢幼少期キタァァァアアアアアアアアア!!!」

「ひいっ!?」

「ロッ…ロゼ!こっちに…!」


ぎゅっと抱き合う幼女(元美女)とイケメン(兄)。立ちはだかる妊婦(変態)。カオス。


「キタキタキタアァァァアアアアア!!何そのニャンコみたいな大きいアーモンドアイ!?ちっちゃいおてて!!ほっそい首!!薔薇色の唇!!ほっぺなんかぷにっぷにじゃないですかあ!?アアアアアアお兄ちゃん至上主義が揺らぐ!!だめ!誘惑しないで!!私の最愛はお兄ちゃんなのおおおおおおお!!」

「ちょっ…愛莉、お腹に障る、さわるから興奮しちゃ……」

「大丈夫!!ちょっと予定日過ぎてんだからむしろ早く出てきなさいって感じよそしてロゼお姉ちゃんとのツーショットを……ああスマホ!スマホほっs………ぅ…???」


う?


「……い、いた……ぃたぃ……?痛い、かも………おなか……うぐっ…」

「あいりいいいいい!!??」


破水した。馬鹿野郎、興奮しすぎだろ!?


「えっ…え、えええええええ!?」

「ひえええええ……ちょ…こ…こういう時って、えと……そう、お湯!お湯沸かして!!アイリーンさんここに寝て!!足はこう!」

「ロゼ!?お前子供の出産を手伝った経験は……」

「自分が産んだのと、前世でペットなら!」

「「「「「ダメだろそれ!?」」」」」

「……あと消毒…アルコール……!」

「えっ…えっ……あ、焼酎の原酒がある!」

「よく切れるハサミもッ!」

「…うぐぅ……!ヒッ…!?……ね、ねえロゼ様…ま、まさか……アソコ切る、の…!?」

「切らないわよ!!怖いし!犬だってそんなことしなくたって産まれてきたわ!」

「だからロゼェ!犬と一緒にしちゃダメだって…!!」

「切れたら水魔法の回復でくっ付けてあげるから心配しないの!はいっ、男は出て行って!!お湯と水とタライとハサミと……布!布はいっぱい!え……ちょ…イヤー!!頭出てる!!ウソ!!早くっ!!早くしろおおおおお!!!」

「「「「「ハイッ!!!」」」」」


ロゼ最強説。


眷属たちが走り回り、出産に縁の全くなかった俺たちは扉の前でオロオロ…。エルンストが腹の子の父親である私兵の青年を連れてくる前に産声が聞こえた。なにこの超安産。


のちにロゼはこう語る。


「赤ちゃん……落とさなくて良かった………」


手がめちゃくちゃ小さくなってるからな…。女手は必要かもしれねえなあ…。







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