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ルーカス・フェリエーラと断罪劇(ファルス) 5
しおりを挟むあーあー、言っちゃったよ。笑いが噛み殺せない。『おとめゲーム』のストーリー通りに婚約破棄とか。
「貴様はこの聖女ウルリカに嫉妬し、教科書を破き、持ち物を捨て、池に突き落とした!それだけではない!ウルルにいつも酷い言葉を浴びせ、暴力を振るい、他の令嬢たちに命じて無視させ、孤立させた!断じて許し難い!!」
「そうよ!私…つらくて……怖くてっ…!」
「未来の国母として、断じてしてはならない所業!今ここで悔い改め、私とウルルに忠誠を誓うというなら……」
「ルドルフ殿下」
ロゼマリアが顔を上げた。うんうん、そう。顔を上げる許可はいらないよ。あー、可愛い。おすまし顔のロゼマリア可愛い!撮影係、後で映像複写して!!
「まずは婚約破棄、承りました」
「なっ…!?」
「えっ!?」
「ですが」
ロゼマリアが笑う。ああ、子供の頃のように、自信に満ち溢れた魅力的な笑顔。
「わたくし、ウルリカ・バッヘム様に虐げられた記憶はあっても虐げたことはございません」
「はあ!?」
「ロッ…ロゼマリア!貴様!口答えをするなど…っ!」
「ええ、そう。口答え、です。半年前までわたくしはルドルフ殿下、側近候補の皆さま、そしてそちらのウルリカ・バッヘム様の言葉に逆らうことは許されませんでした。その私がどうやってバッヘム様を虐げられるのですか?」
「なっ…なに、言ってんの!?訂正しなさいよ!あんたは私を虐めたでしょ!そうよねっ!?」
「いいえ、ルドルフ殿下や側近候補、そしてバッヘム様の言い付け通り王太子殿下の代わりに仕事をして、皆さまの課題を提出し、皆さまの遊興の手配や、そこで起こした不始末の後始末。ランチタイムやお茶会では常にメイドのように立って控え、あなた方が皆さまでお部屋に入った後は登城し王太子妃教育という名の王妃さまの執務の肩代わり……」
ふう、とロゼマリアが溜息を吐いた。
「どこにそんな暇が?」
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