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ルーカス・フェリエーラと異臭騒ぎ
しおりを挟む帰りの馬車ではアレクシス様が俺を膝に乗せてぎゅうぎゅうに抱きしめて離さなかった。
「婚姻…家庭……ふっ…ふふふふふ…」
怖い。怖いよ、ホラーかな?髪や頸にくちずけながらグフグフ笑うアレクシス様は、なにも知らない人が見ればきっと引く。
「アレクシス様……その…俺はここでするのはいやですよ?」
「んー…?大丈夫、大丈夫。最後までしない」
上着とシャツのボタンは全て外され、胸元が外気に晒される。俺の乳首を弄るのに夢中なアレクシス様。二人きりなら挿入以外はさせてあげようとは思うんだが、においがこもるのは困る。それにそろそろ時間切れ。
「はい、終了です」
「ええ~…そんなあ」
アレクシス様の固く勃ったアレは無視して衣服の乱れを正し、外に出る ーーー
「え……うっ…!?」
なんだ、この臭いは…!?
辺り一面に漂う異臭。発生源は……屋敷の中…!
「ロゼ!ロゼマリア!!」
「待てルーカス!!」
走り出した俺の腕をアレクシス様が掴む。
「……っく!嗅いだこともない臭いだ。なにか焦げて……溶けている。教授を呼ぼう。毒を中和して……」
「そんな猶予はない!!ロゼが!ロゼマリアがあの中にいるんだ!」
「ルーカス!落ち着くんだルーカス!まずは生存者を探し……」
「うぐ…っ……ハア…ハッ……オエ…あー……お、おがえりなざいばぜえ…」
「…………………」
「……………………………は?」
涙目で、口にハンカチを押し当てて屋敷から出てきたのはギルベアトだった。足元には数人倒れている気配がする。
「ギル!お前は無事か!?どうなっている!?誰にやられた!?状況の説明を…!」
「あー……えー…う、うぉふ…く、くっさ…………ロ…ロゼマリア様が…毒…い、いや、夕食?を作られて……」
…………うん???
「鍋から突然、紫色の煙が吹き出して…」
えっ…。
「……臭いだけで、誰も…死んじゃいねえ………か、ごふっ…帰ってきて、早々で…悪いが………窓を開けて回るのを、て、手伝ってくれ…!!」
ロゼェェェエエエエエエ!?なにをしたのかな君はあああああ!!??
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