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【ヒロイン視点】
しおりを挟む「やだ…どうしよう…!」
私はみんなに気付かれないように呟いた。
どうしよう、どうしよう、どうしよう!ああ、諦めていたのに!今頃になって登場するなんて!ルーカス様!!
悪役令嬢に付き従う従者のルーカス様。このストーリーはゲームと少しズレていて、悪役令嬢は大人しいしルーカス様はいないし、これってバグかしら?それとも追加シナリオの新ルート!?って思ったのに…!
ルーカス様はいた。
スチルで見たことのない黒い服を着て。スチルなんかよりずっと綺麗で目が離せなかった。
颯爽と現れて、悪役令嬢を連れて出ていっちゃったけど。
なによ、どうせ仮病でしょ!水をかけられたくらいで大袈裟よ!この世界は魔法でパパッと乾いちゃうんでしょ?ああ、それより……
「……殿下、王弟付きの侍従が出てきたのは不味くないですか…?」
ぽつりとローマンが呟いた。
「何を言っている!父上もわかってくださるはずだ!あんな陰気で陰湿な女が国母になれるはずがない!」
うふふ、ルドルフったらわかってるぅ!私はもうすぐ聖女になるの。だからね、この国の王妃にふさわしいんだけど………
でも!ルーカス様が出てきちゃったんだもん!
ルドルフもローマンも、ドミニクだってもういらない!だってルーカス様がいるんだもん!!
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