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ルーカス・フェリエーラと影の入れ替え

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きっちりをして明らかになったのは、『王家の影』の一族は王太子ルドルフの命令で虚偽の報告をしていたと言うこと。元々陛下は病気がちで長くはない、と医師から診断されていた時期があった。それで王太子に「どちらにつくのか」と迫られたらしい。馬鹿だなあ。もう陛下は健康だって言うの。ありゃあ極度の偏食で糖尿病だ。4年前に俺が指摘して、騙されたと思って始めた食事療法で今は健康そのもの。出荷前の豚のような体も今ではほっそりしてなかなかの美丈夫イケオジだ。……ん?急に痩せたから重病説が出たのか?まあどうでも良いけど。

俺が依頼した盗賊ギルドの密偵はウルリカと呼ばれる男爵令嬢に懸想して虚偽の報告書を作成。「あの子がそんなことをするはずがない!」と叫んだそうだ。まあ盗賊ギルドとしては金を貰っていたのに契約違反など、とんでもない汚点なので即処分した、と。

王家の影の一族当主も。関わった影たちも全て二八部隊で処分した。新しい影には辺境の分家が就き、しばらくは二八部隊がフォローすることになった。「きちんと上下関係を叩き込んでくれ」とは陛下のお言葉。戦時中も王都でぬくぬくしていた『影』たちよりまともであることを祈ろう。

王太子とその側近たちを検査スキャンしたが、薬物や魔法による魅了は確認できなかったとのこと。王宮側は胸を撫で下ろしたらしいが陛下は渋い顔のまま。そうだよな、魅了じゃなかったら素でカーディナル公爵令嬢を虐げたことになる。陛下の渋い顔の意味を、側近の親たちは気付いているのだろうか。


そして俺がアレクシス様の侍従ではなく、カーディナル公爵令嬢の護衛として王立学園に勤務する前日の午後。慌てた伝令がアレクシス様の執務室に走り込んできた。


謹慎が解けたばかりの王太子たちが騒ぎを起こした、と。










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