上 下
17 / 49

12 思った以上にめんどくせえ

しおりを挟む


《常盤》はオリジン第二世代で、《久遠》と《高天》の子だ。あのクソ《高天》から生まれたとは思えないほどで、《久遠》によく似て生まれた。オリジン時代の、いつのまにか出来てた俺と《久遠》のハーレムを取り仕切ってくれていたのは《常盤》で、まあその他色々世話をしてくれた。


「………いつから……気付いてたん、《桜座》」

「さっきだよ?寝てる間に完全にからな」


唇を合わせる。

ああ、 ーーー 美味い。

《常盤》の魔力はやっぱり《久遠》に似てる。

舌を絡め合い、吸って、どちらのものとも分からなくなった唾液を啜る。布越しに股間に触ると、しっかりとした固さがあった。


「…ま……待って、。ちょ……」

「今更恥ずかしがるような事でもないだろ」


袴の上から強めに揉んでやると、ビクビク震えながら《常盤》は俺を押し除けた。


は、嫌だ。……あのね、は確かに《常盤》だけども、涼音でもあるんだよ?」


えー…なにそれ。めんどくせえ。


「ここじゃ嫌だ。だって衛士も……《久遠》だって見てる」

「? なんか問題あるのか?《久遠》はやってる現場にこそ踏み込んだりしなかったけど、いつも後から根掘り葉掘り訊かれたぞ?」

「………知りたくなかった……」


ガックリとは項垂れた。


「と…とにかくね、僕は君が好きだけど、《常盤》のように割り切れない。また君がどこかに行ってしまうんじゃないか…って」

「《久遠》がここに居るのに、なんで逃げなきゃいけないんだ?」

「《久遠》が、か……そう…。そう…だよ、ね……」


ふう、と涼音はひとつ、溜息を吐いて居住まいを正した。


「今の状況と、これからの話をしよう、刹那。まず、この世界は《久遠》が創った」

「………は?」


なにを言い出すんだこいつ。


「《久遠》は《桜座》の為に、《桜座》の為だけに、この世界を創った。第一世代とはいえ、その負荷は相当なものだったのだろう。《久遠》が、《桜座きみ》が魔力を注ぐまで、あのような悍ましい姿に成り果てていた」

「…………」

「この秋津に棲む鬼人族も《久遠》が《桜座》のとして創った。それの管理を任されたのが《常盤わたし》だった。この世界が安定した頃に、はこの世界に、《久遠》に喚ばれた」

「……涼音は?」

涼音ぼくは欠片だ。刹那きみが目の前で死んで、耐えきれなくて自死を選んだ。その最後の欠片で《常盤わたし》は





思った以上にめんどくせえ。













しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

視線の先

茉莉花 香乃
BL
放課後、僕はあいつに声をかけられた。 「セーラー服着た写真撮らせて?」 ……からかわれてるんだ…そう思ったけど…あいつは本気だった ハッピーエンド 他サイトにも公開しています

【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼第2章2025年1月18日より投稿予定 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。

悪役令嬢と同じ名前だけど、僕は男です。

みあき
BL
名前はティータイムがテーマ。主人公と婚約者の王子がいちゃいちゃする話。 男女共に子どもを産める世界です。容姿についての描写は敢えてしていません。 メインカプが男性同士のためBLジャンルに設定していますが、周辺は異性のカプも多いです。 奇数話が主人公視点、偶数話が婚約者の王子視点です。 pixivでは既に最終回まで投稿しています。

鬼上司と秘密の同居

なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳 幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ… そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた… いったい?…どうして?…こうなった? 「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」 スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか… 性描写には※を付けております。

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました

西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて… ほのほのです。 ※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!

冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。 「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」 前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて…… 演技チャラ男攻め×美人人間不信受け ※最終的にはハッピーエンドです ※何かしら地雷のある方にはお勧めしません ※ムーンライトノベルズにも投稿しています

【完結済】王子を嵌めて国中に醜聞晒してやったので殺されると思ってたら溺愛された。

うらひと
BL
学園内で依頼をこなしていた魔術師のクリスは大物の公爵の娘からの依頼が入る……依頼内容は婚約者である王子からの婚約破棄!! 高い報酬に目が眩んで依頼を受けてしまうが……18Rには※がついています。 ムーン様にも投稿してます。

処理中です...