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女神の断罪 1

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「お待ちしておしました、陛下」


わたくしが合図をすると、ポウ…と明かりが灯りました。明かりは伝播したように増えていき、女神の泉の周りを照らします。駆け寄ったケイレブがわたくしを抱き起こしてくれました。


「エマ、大丈夫か?」

「ええ、擦り傷と打撲程度かしら?」


ケイレブがキュッと唇を引き結びましたが、今はわたくしの擦り傷に構う場面ではありません。

わたくしは声を張り上げます。


「さあ、始めよう!『女神の断罪』を!」


ゆらり、と明かりが動きました。いいえ、明かりではなく、明かりを持った方々が動きました。ルネライトの四公爵、八侯爵、そして伯爵家当主たち。わたくしが王太子の印璽を使い、招集した方々です。


「聞け!!わたくし、王女ジュリアの娘エマは、王位継承第二位の権限を行使し、現王ファーガス・ルネライトの即時退位を要求する!!」

「…は……な、にを………!?」


わたくしがこの『断罪の間』で始めたのは、古式ゆかしき『女神の断罪』。全ての王族と四公爵、八侯爵で開かれる裁判ですが、伯爵位の方々もお呼びしました。わたくしの口調も強く、威厳のあるように…と変えています。


「わたくしへの行為でも明らかになったが、の者の行動は王にあらず!数多の女性を暴行し、息子の妃と獣のように交わり孕ませた」


パティがそっとシャーロット様のお子様を掲げます。この子が『不義の子』でございますよ、と…。


「この子が示すように、現王ファーガスはルネライト王家の、勇者の血筋ではない!ファーガス陛下は、先代王妃マグレシアとその護衛ニューランズ卿の子供。王家の瞳を継ぐ筈がない!彼は『マグレシア王妃と騎士ニューランズの不義の子供』なのだから!!」









「異議があるならもう一度、泉に入るがいい。わたくしの母は泉で潔白を示してなお虐げられたそうだがな?」


















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本編+おまけ書き終えました。11/10の午後更新が最終話です。ノンストップです。どうぞお付き合いください。


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