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なりふり構わなくなってきましたね
しおりを挟む陛下からの『お誘い』が一日何度も届くようになりました。シャーロット様がいなくなればわたくしですか。王妃様のご許可が頂ければちょん切って差し上げたいですわ。
時には強引にわたくしを攫おうとした不埒者がおりましたが、すぐに取り押さえられました。わたくしは公務がございますので側妃宮の外に出ますが、双子の王子たちは絶対側妃宮の外に出してはなりません、と厳令いたします。ケイレブとパティはわたくしに付き従いますので、屋敷に待機しているわたくし私兵を全て側妃宮に呼び寄せました。名目上は双子の王子たちの教師として。ええ、色々な分野を極めた者たちばかりですし、子供たちも退屈はしないでしょう。
そろそろなりふり構わなくなってまいりましたね。
わたくしは計画を前倒しにします。もう証拠も全て揃っておりますし、側妃派閥の貴族たちはその時を今か今かと待ち侘びているそうです。わたくしの懸念は王妃様です。あのようなクズ…いえ、人を人とも思わない者でも、王妃様が長年寄り添ったお相手。簡単に処して良いものかと悩みます。
わたくしは王妃様が大好きなのです。『未来の王子妃』として次々と仕事を押しつけられる中、王妃様だけがわたくしを労い、「できることだけ」と言いながら手伝ってくださいました。王妃様だけがわたくしに仕事を押しつけたりなさいませんでした。強引にお茶に誘う振りをして、お腹を空かせたわたくしに食事をさせてくださいました。セオドア様にはわたくしの激務を知らせないでくださいと懇願すると、「仕方のない子ね」と笑ってくださいました。
わたくしは王妃様を傷付けたくないのです。あんな外道でも王妃様の夫なのです。
けれど。でも。
わたくしは酷い女です。
わたくしは、なにを踏みつけにしてでも、三人で暮らしたあの日々を取り戻したいのです。
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