54 / 92
向こうからお仕事を持ってきてくださるのなら楽ですね
しおりを挟むタグの『胸糞』、ATTENTIONの『倫理観に難あり』をご理解の上お願いします。
********************************************
招待客も全てお帰りになり、わたくしは側妃のお仕事に専念することができるようになりました。ここ7ヶ月溜まっていたお仕事が積み上げられます。お城から側妃宮まで運んでくださるのは、以前わたくしにお手紙をくださった文官の皆様です。
まあ、ありがとう。取りに行っていただく手間が省けましたわ。
基本、お城の方は側妃宮に入れないようにしているので入り口までですけど。その書類の束をメイドたちがせっせと運んで執務室の侍女に渡す。侍女たちはそこで書類を期限順に並べ、そこからアリサが重要度順に仕分けします。あらあら、まあ、素敵。流れるような高効率ですわ。
「これも…これもこれも、期限が切れていますわ……どういたしましょう、エマ様」
侍女たちが途方に暮れています。
「わかりました。では謝罪のお手紙を出しましょう。期限の切れたものは最重要で処理致しますので、このままでいいか、もう一度内容を変えて提出かをお伺いします。アリサ、お手紙をお願いできますか?」
「任せてくださいませ!アイツらホンット仕事しませんねえ…!」
ぷりぷり怒っているアリサも可愛いです。
文官の中にアリサの元婚約者がいるようです。卒業後はアリサの家に婿入りが決まっていたようですが、シャーロット様と仲良くなってアリサに婚約破棄を突き付けたようです。結局、婚約は白紙となったのですが、シャーロット様はセオドア様の正妃様になりましたので元婚約者とシャーロット様は破局したのですね。ありがとうございます元婚約者の方。わたくしはあなたのお陰でアリサに会えました。お会いできたらお礼を言わなくては。
慌ただしく日々が過ぎていきます。
最近、セオドア様はシャーロット様をお連れになり、あまり良い噂を聞かない方のパーティーに顔を出しているようです。その度にマダムサティンのアトリエにドレスの注文が入るそうですが、ご予算は大丈夫でしょうか?わたくし現在、財務長官も兼ねておりますが王太子妃の年間予算の『おかわり』は認めませんよ?
セオドア様は毎日『お渡り』されます。『夜の間』でケイレブと楽しそうに『交代』され、何処かへと消えていきます。きっとシャーロット様の寝室でしょうね。
……シャーロット様はセオドア様のお子を身篭ろうと必死なようですが、あの日、晩餐に出ていたのは堕胎を促すハーブです。妊娠初期だとそれと気付かぬうちに流れてしまいますが、お子が大きくなっているとそれはもう辛いらしいです。お父様の私兵である庭師のトマスに教えてもらいました。
「今から教える草だけは食っちゃなんねえですよ」と…。ドンピシャ大当たりでございましたねトマス。
107
お気に入りに追加
6,983
あなたにおすすめの小説
【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
私が愛する王子様は、幼馴染を側妃に迎えるそうです
こことっと
恋愛
それは奇跡のような告白でした。
まさか王子様が、社交会から逃げ出した私を探しだし妃に選んでくれたのです。
幸せな結婚生活を迎え3年、私は幸せなのに不安から逃れられずにいました。
「子供が欲しいの」
「ごめんね。 もう少しだけ待って。 今は仕事が凄く楽しいんだ」
それから間もなく……彼は、彼の幼馴染を側妃に迎えると告げたのです。
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。
【完結】気付けばいつも傍に貴方がいる
kana
恋愛
ベルティアーナ・ウォール公爵令嬢はレフタルド王国のラシード第一王子の婚約者候補だった。
いつも令嬢を隣に侍らす王子から『声も聞きたくない、顔も見たくない』と拒絶されるが、これ幸いと大喜びで婚約者候補を辞退した。
実はこれは二回目人生だ。
回帰前のベルティアーナは第一王子の婚約者で、大人しく控えめ。常に貼り付けた笑みを浮かべて人の言いなりだった。
彼女は王太子になった第一王子の妃になってからも、弟のウィルダー以外の誰からも気にかけてもらえることなく公務と執務をするだけの都合のいいお飾りの妃だった。
そして白い結婚のまま約一年後に自ら命を絶った。
その理由と原因を知った人物が自分の命と引き換えにやり直しを望んだ結果、ベルティアーナの置かれていた環境が変わりることで彼女の性格までいい意味で変わることに⋯⋯
そんな彼女は家族全員で海を隔てた他国に移住する。
※ 投稿する前に確認していますが誤字脱字の多い作者ですがよろしくお願いいたします。
※ 設定ゆるゆるです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる