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DOKI☆WAKU☆話し合い 〜レジーナ〜
しおりを挟む「皆さま何を勘違いなさっていらっしゃるのかしら?」
どどーん!と効果音が付きそうな迫力でレジーナ様がおっしゃいました。はい、さすがレジーナ様。王位継承権2位!素敵!
ちなみにルードヴィッヒ王子は王位継承権ありません。仕方ないですね。側室にも なれなかった男爵令嬢のお母様ですもの。
「ディアナはわたくしのものですわ!」
「あっ、違います」
「………………」
ナチュラルにレズ発言かましてくださいやがりましたねこんちくしょうでございますわ。
「ディ…ディアナ!?どうして!?だって、いつか二人で遠くに行きましょうね…って……」
「えっ!?いつそんな………あ!……ああ~…」
ああ、あったあった。
わたくしが市井に下る準備が忙しく、あまりお話できなかった頃ですね。お城では第1王子と第四王子…つまり王位継承権1位と元2位の派閥争いが激化している時ですね。結果、元2位の第四王子…レジーナ様のすぐ上のお兄様が亡くなった訳でございますが。
「あれはレジーナ様がお疲れなのかなーと思い、適当に相槌を打っただけでございますよ?とても仲の良かったご兄弟を亡くされt……」
「仲良くなんかなかったわ!だってあいつディアナを狙っていたのよ!?」
おおう……。初耳でございます。
「自分が王になったらディアナを正妃に据えて、お前も国外追放だ!とか笑っていやがりましたの!ムカついてわたくし、フランツお兄様の味方をしましたら……あの根性無し、地獄を見る前にぽっくりと……」
オゥ、ノォオオオオ...聞いてはならぬ闇ですわ。
「フランツお兄様はゲイですから安心!と思ったら、お兄様ったらディアナを見て「女もいいな…」とか……!去勢してやりたいですわ!!」
おーまいごっです!聞いてはならぬ いとこ一家の闇ですわ!!
わたくしは何も聞いてない。わたくしは何も聞いてない。わたくしは何も聞いてない。ブルブルブル…
「ディアナ…」
「はあ…」
レジーナ様がわたくしの手を取りました。ウルウルと見つめられますが、わたくしの目には獰猛な猟犬が遊んで欲しそうに こっちを見ているようにしか見えません。
ステイ!ステイですのよ、レジーナ様!
「ディアナ、ずっとわたくしの傍に居て」
「無理でございます」
「………………!」
レジーナがブワッと泣いてしまいました!そのまま床に崩れ落ち、両手で顔を覆っておいおい泣き出しました。
アアアアアアア!どうしましょうどうしましょう!?わたくし、お友達を泣かせてしまいました!泣いてます泣いてます!アアアアアアア!!
初めて お友達を初めて泣かせてしまいました!!
お、落ち着くのよディアナ!さあ深呼吸!ひっひっふー、ひっひっふー!
わたくしは膝をつき、レジーナ様の震える肩に手を置きました。ピクリと体が震え、レジーナ様はわたくしの方へお顔をあげて下さいます。
………ぶ!やべえレジーナ様www酷いお顔でございます。花の顔(かんばせ)が涙と鼻水でぐっちゃぐちゃです。つけま取れてるwwwアイライン流れてるwww
笑っちゃダメ、ディアナwww 笑っちゃwwwwwダメwwwwww
表情筋を総動員して、なんとか慈愛の表情を浮かべました。口の端がピクピクしてしまったのはご愛嬌ですわ。
「レジーナ様、レジーナ様。泣かないでくださいませ、レジーナ様。レジーナ様は、わたくしの一番大切なお友達。でも、ずっと一緒にいることはできません。なぜなら、あなた様はいずれ他国に嫁ぐのでしょうから」
普通に考えて、王位継承権2位とかの火種になりそうな姫は遠くに嫁に出される。国内の殿方で、レジーナ様の高貴な血筋と苛烈な気性を包み込める男性はいない。
うちの弟なら身分も まあまあ釣り合う上に、包み込むどころか傅(かしず)いちゃうんだろうけど。
「……やはり………やはり、戦わなくては、ならぬ、の…ですね…………」
鼻水を啜りあげながらレジーナ様は呟きました。
……はて、なんのことでしょう。
「…わたくしが、……女王に、なれば………ディアナ、は……………」
うん?なんか不審なことを呟いていますよレジーナ様。
「……決心したのですね、レジーナ」
「お…お母さま……!」
いつのまにか王妃様がわたくしたちの前に立っていました。
「良(よ)いでしょう。あなたのお手伝いはわたくしがしてあげます。おやりなさいレジーナ」
「お母さま!」
「…覚悟はあるのですね?」
「はい…!たとえ茨の道であろうと…いいえ!きょうだいたちの屍で……それに追随する貴族たちの骨で埋め尽くされた道であろうと!わたくしは踏みしだいて辿り着き、王座を手に入れます!!ディアナのために!」
「それでこそわたくしの娘です!」
…………あかん。いけないスイッチ押しちゃった気がする。
滅亡への序章とかタイトル付きそうだわー…。あーあーあー……しーらない!
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