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31 墓参りに行った

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翌日は約束通り父様と母様のお墓に連れていってもらった。兄上とアンナ、それに何故か愛莉も付いてきた。


「お義父様とお義母様にご挨拶しなきゃと思ってたの!」


まだ結婚してないだろ…。こいつ、もううちの子になった気か…!?

俺と兄上とアンナ、愛莉は馬車に乗って。エル兄とベーレンドルフから来た護衛の皆さんは馬で。なんでかゼフ爺ちゃんも付いてきてくれた。


エーヴェルシュタインの町と屋敷が見下ろせる丘の上の墓地。父様と母様のお墓は仲良く並んでた。

俺の涙腺、またもや崩壊。


「……っ…とうさまっ…かあさま……」


エル兄が俺の肩を抱いてくれる。兄上の手が戸惑うようにウロウロして、結局諦めたみたいに降りて行った。


「……チッ…ヘタレめ…」


アンナの声だった気がしたけど幻聴だよね?

でもヘタレは同意。昨日思い出したアレでは、前の俺、兄上の童貞奪ってるんだよね…。まあ俺も初めてっぽかったけど。

俺はエル兄から離れて兄上に抱きつく。


「……っごめん…ごめんね、兄上っ……いっしょに…かなしめ、なかっ…」

「……クリスタリア…!」


兄上が俺をギュッて抱きしめた。それから俺たちは2人で抱き合って、子供みたいにわんわん泣いた。

ひとしきり泣いたら、アンナがハンカチで俺の顔を拭いてくれた。……あれ?兄上には?しないの?…あっ、そう?そうなんだ…。





「坊っちゃま、泣いたらお腹が空きましたでしょう?お昼にいたしましょう」
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