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しおりを挟む「えーと……こんにちは?おひとつどうぞ」
いきなり現れた謎の美人にリンゴ飴の皿を差し出す。キラキラと擬音がつきそうに笑顔になった彼は嬉しそうにリンゴ飴を咀嚼した。
「……んっ!酸っぱ!でも美味い…!凛にも食わしてやりたいな。……うん、決めた」
えっ?何が決まったの!?
黒髪美人の後ろには、頭痛を堪えるようにこめかみを揉む兄上がいた。
「エーヴェルシュタイン、俺は本気だ。どちらにしても結果は変わらない。良い返事を期待している」
「……………」
なんの話?
謎の美人は俺を見てニッコリ笑った。
「同郷だ、悪いようにはしない。うちに来れば開発し放題だぞ?」
んんん???
「大事なもの全部抱えてくると良い」
だからなんの話!?
黒髪美人はくるりと踵を返して俺たちから離れ……
すうっと。煙みたいに消えていった。
エエエエエエエエ!?
「あっ…兄上!あ、あの人…!?」
「………厄介なものに目を付けられたな…」
えっ…
「アレは ーーー アヴァロンの魔王、『憤怒のサタン』だ…」
エエエエエエエエエエエエエエエエ……
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