上 下
128 / 153

輝くアレからの繭歌

しおりを挟む


地が裂け、《眷属》が上質の魔力を求めて這い上がる。


《眷属・堕ちたる白き御使いヴァイスエルケーニッヒ


神に逆らった天使が四肢を切られて地底に堕とされた…っていう地球世界のどっかの宗教のお話をモチーフにしてみた。まー、なんだ。はっきり言って巨大ミミズに可愛くないお口がある中ボスだよ?口を閉じてたら……うん、白く輝くチンk……げふんごふん。言っちゃダメだ。一応、を作るための試作とは言え《高天わたし》の《眷属》だし。ちゃんと意思疎通もできるし、見慣れれば意外と可愛いやつだ。見た目チンコだけど。あ、言っちゃった。い…言っとくけど私があの姿にしたんじゃないよ!?一眞と元勇者パーティーのレベリング用に殺して復活を繰り返させてたら勝手に進化したんだってば!!


「何度見てもこれってモザイクもんだろ…」(奈)

「ちんこでっかい!」(桜)


言うなテメエら。特に刹那。小学生みたいな感想はおやめなさい。

そうこうしているうちに、ヴァイスエルケーニッヒ略してヴァイスくんが白頭巾の腹をぱっくりいった。あー、やっぱそれ?それ食べたいのヴァイスくん。俺の「ヨシ!」が待てないヴァイスくんは白頭巾をブンブンぶん回す。仕方ないなあ。よく噛んでお食べ。GOサインを出そうとすると、白頭巾のとんがり頭巾がポロッと落ちた。

………んんんん…?


あれ?って思った。なんだろう。まあ頭巾の下は普通の美少年。耳が長くとんがってるからエルフかな?でも……あれ???なんか…


「………クロ…?」

《うむ。気付いたか》


あっれええええええ???マジで?ウェイト!ウェイトだぞヴァイスくん。

ヴァイスくんの頭に飛び乗って白頭巾あらためエルフ少年を見る。

顔も体も性別さえ違うよ?でも。でもさあ……


「あいたい…よ…ほたかにぃ……」


魔力枯渇と出血多量で朦朧としたエルフ少年は俺に手を伸ばしてそう言った。


あちゃー…確定ですわこりゃあ。


「まゆ?」

「……穂高、にぃ………」

「うわあ…ちょ……待って、待って!ヴァイスくん、コレだめ。食べちゃだめ!ぺっして!ぺっ!」


ぺっ。


あっwほんとにペッてするやつがあるかwww

べしょっと骨と腐肉の上にエルフ少年が落っこちる。クロのストップが掛かってるから雑魚モンスターのみなさんもオロオロとエルフ少年の扱いに困っている。サササーッと骨と腐肉は仲間たちの残骸を片付けて、エルフ少年を地べたに寝かせた。うん、正しいんだけどさ?なんか違うよね?


俺を『穂高兄』と呼ぶのは前世(?)の下の妹の繭歌しかいない。あっぶねえ。ヴァイスくんのご飯にするとこだったよ。

千切れかけた胴体を引っ付けて、内臓の修復。うわあ…身体中ボロボロじゃん?誰がこんな酷いことを!?(俺だ…)


「……ほ、たか……にぃ………?」

「まゆ、お前も異世界転生してたのか…」

「…穂高兄……ゆ…夢、かな…?ああ、これが走馬灯っていうやつかぁ。でも穂高兄…なんで白髪なの?なんで目の色キラッキラしてんの?白髪になる程苦労したの?穂高兄イジメたの誰?私が殺してあげるもう人殺しがなんだとか道徳とか人道とか生ぬるいこと言わないよ私が全部全部殺してあげるから穂高兄を煩わせるもの危険なもの全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部……だから…」


おいおいおい……いつからうちの妹はヤンデレ属性になったんだ…。


「だから、もう…居なくならないで……」

「…………うん」


小さな体をギュッと抱きしめると、すぐにすうすうと寝息をたてだした。これは穂高おれの死んだ後確実になんかあったんだよなあ…。

ウロウロオロオロしてたクロをチラッと見るとビビビッと背筋を伸ばした。


自白ゲロれ、駄犬」


キュウウウウウウウ…ン……







鳴いてもダメ!












しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

市川先生の大人の補習授業

夢咲まゆ
BL
笹野夏樹は運動全般が大嫌い。ついでに、体育教師の市川慶喜のことも嫌いだった。 ある日、体育の成績がふるわないからと、市川に放課後の補習に出るよう言われてしまう。 「苦手なことから逃げるな」と挑発された夏樹は、嫌いな教師のマンツーマンレッスンを受ける羽目になるのだが……。 ◎美麗表紙イラスト:ずーちゃ(@zuchaBC) ※「*」がついている回は性描写が含まれております。

いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜

きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員 Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。 そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。 初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。 甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。 第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。 ※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり) ※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り 初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。

【完結】もふもふ獣人転生

  *  
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。 本編完結しました! おまけをちょこちょこ更新しています。 第12回BL大賞奨励賞、読んでくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

少女漫画の当て馬に転生したら聖騎士がヤンデレ化しました

猫むぎ
BL
外の世界に憧れを抱いていた少年は、少女漫画の世界に転生しました。 当て馬キャラに転生したけど、モブとして普通に暮らしていたが突然悪役である魔騎士の刺青が腕に浮かび上がった。 それでも特に刺青があるだけでモブなのは変わらなかった。 漫画では優男であった聖騎士が魔騎士に豹変するまでは… 出会う筈がなかった二人が出会い、聖騎士はヤンデレと化す。 メインヒーローの筈の聖騎士に執着されています。 最上級魔導士ヤンデレ溺愛聖騎士×当て馬悪役だけどモブだと信じて疑わない最下層魔導士

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

処理中です...